公的年金を扱う年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が公表した昨年末時点の日本株組み入れ比率は目標値である25%に接近した。株式市場では、GPIFに期待する声は強いが、買い余地は限られそうだ。
GPIFは2014年10月末に資産構成を見直し、国債など安定資産を減らす一方、国内外の株式を増やす積極運用に転じた。昨年は11月以降のトランプ相場による株高で、年末の国内株比率は23・76%に上昇。目標値の25%ちょうどまで株式を増やすには、単純計算であと1兆2000億円の買いが必要になる。
株式市場でGPIFは、日銀と並ぶ有力な買い手とされている。GPIFは株式の組み入れ比率に目標値から上下9%の許容幅を設けており、理屈の上では34%まで日本株比率の引き上げが可能だ。
ただ、全資産の3分の1を占める国内債券には米国の金利上昇が波及し、長期国債を中心に価格下落(金利上昇)圧力が強い。このため、国債の値下がりによる株式比率の上昇に備えて、株式の買い増しが見送られる可能性もある。
外国為替市場で円相場が1ドル=111円台半ばまで円高・ドル安が進み、輸出企業の多い日本株にも重荷となった。輸出採算の悪化への警戒感からトヨタや富士重など自動車株の一角のほか、アルプスなどの電子部品株にも売りが強まった。
前日の米国市場で長期金利の低下を背景に金融株が大きく下落した流れが日本株にも波及し、三菱UFJや三井住友FGなどのメガバンクが安い。T&Dや第一生命HDなど保険株も大幅に下げた。
半面、3日に発売された新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の増産で業績が上向くとの期待が根強い任天堂が高い。
21日に17年3月期の業績見通しの上方修正と年間配当を増やすと発表した全国保証も上昇した。
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21日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は大幅続落し、前日比237・85ドル安の2万0668・01ドルで取引を終えた。
下げ幅は昨年9月半ば以来約半年ぶりの大きさで、11月の米大統領選でトランプ氏が勝利して以降では最大だった。
ハイテク株主体のナスダック総合指数も107・70ポイント安の5793・83と急落した。