10月21日に鳥取県中部で震度6弱を記録した鳥取地震の前にも異常変動は検知されたという。
村井氏によると、地殻変動は毎日起きているが、通常は1~2センチほどの範囲。だが、鳥取・島根両県では7月に4~5センチ超の異常変動が複数地点で観測された。8~10月にかけても、大きな沈降や不自然な水平方向の動きが断続的に確認されていた。
「これまでの観測からは、巨大地震は異常変動の後、大きな変動のない『静謐(せいひつ)期間』を経て発生している。鳥取地震の前にもまったく同じ状況が出現した」(村井氏)という。
今月22日に発生した福島県沖を震源とするM7・4の地震も、前兆を捉えていた。
東日本大震災で深い沈降を観測した東北・北関東の太平洋沿岸地域は現在、地面が徐々に元に戻ろうとする状態にある。ただ、福島、宮城両県では隆起のスピードが異なり、境に歪(ひず)みがたまって地震が発生しやすい状況だという。
JESEAはこれまで、分析結果を会員にメールマガジン(月額216円)で配信、警戒すべき地域を知らせてきた。警戒レベルは1~5に分類され、鳥取県は大地震発生前、震度5以上の地震が発生する可能性が極めて高いという「レベル4」に指定。東北・北関東の太平洋沿岸、奥羽山脈周辺も同様のレベル値にあった。
10月21日に鳥取県中部で震度6弱を記録した鳥取地震の前にも異常変動は検知されたという。
村井氏によると、地殻変動は毎日起きているが、通常は1~2センチほどの範囲。だが、鳥取・島根両県では7月に4~5センチ超の異常変動が複数地点で観測された。8~10月にかけても、大きな沈降や不自然な水平方向の動きが断続的に確認されていた。
「これまでの観測からは、巨大地震は異常変動の後、大きな変動のない『静謐(せいひつ)期間』を経て発生している。鳥取地震の前にもまったく同じ状況が出現した」(村井氏)という。
現在、地震発生前の鳥取や福島よりも警戒レベルが高い地域がある。最上級の「レベル5」に指定されているのは、南関東だ。村井氏は話す。
「これまでの観測では北茨城と筑波の間の高低差が大きくなっているほか、房総半島の銚子と館山の間の格差も広がっている。伊豆半島や駿河湾沿岸付近にも沈降が確認されていることなどから『南関東がおかしい』と判断せざるをえない。12月~来年1月にかけて、南関東で大きな地震が発生する可能性が極めて高い」
西日本では、「レベル4」の四国も危険な兆候がみられる。
「高知県の室戸岬、足摺岬などの動きがおかしい。沈降が進み、水平方向の動きも周囲と異なる動きを見せている。これは付近に歪みがたまり、地震を起こすエネルギーが蓄積されていることを示しており、警戒が必要だ」
台風や低気圧などの外的要因が地下にたまったエネルギーの留め金を外すトリガー(引き金)になることもあり得るといい、気の緩みは大敵だ。