11月30日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は急反発した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で、期近の2017年1月物は前日比4.21ドル(9.3%)高の1バレル49.44ドルで取引を終えた。午後には一時49.90ドルと期近物として10月27日以来ほぼ1カ月ぶりの高値を付けた。
石油輸出国機構(OPEC)が総会で8年ぶりに減産で合意した。原油需給の緩みが解消に向かうとの見方から買いが膨らんだ。
OPECは2017年1月から産油量を日量3250万バレルに減産することで合意した。9月末のアルジェリアでの臨時総会で合意した産油量の下限でまとまり、現状の生産量から約120万バレル減らす。OPEC非加盟国のロシアも減産に参加する一方、欧米による経済制裁前の産油量回復を目指す加盟国のイランは小幅な増産で決着した。産油国の足並みがそろわず合意は難しいとの予想も多かっただけに、減産決定を受けて原油先物に買いが膨らんだ。
米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が発表した週間の石油在庫統計で、原油在庫が増加の市場予想に反して減ったことも原油の買いを誘った。1月物は午後にかけてじりじりと上げ幅を広げた。
ガソリンとヒーティングオイルも反発した。
ニューヨーク金先物相場は続落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である17年2月物は前日比16.9ドル安の1トロイオンス1173.9ドルで終えた。外国為替市場でドルが円など主要通貨に対して上昇し、ドルの代替投資先とされ逆の値動きをしやすい金が売られた。30日発表になった米雇用や製造業関連の指標が改善し、米利上げが改めて意識されたことも金市場からの資金流出につながった。
銀は反落。プラチナは続落した。