日経平均株価は米ドル為替が1ドル=102円台に突入したことを好感し、一時1万5700円台まで上昇しました。日経平均株価は、5月につけた終値ベースの年初来高値を更新し、短期的な上昇トレンドを形成しています。
日経平均は急速に上昇したため、短期的に利益確定売りが出やすくなる可能性がありますが、中長期的には上昇トレンドは継続する期待が持てるでしょう。このような局面では、素直に業績が好調で、株価が上昇トレンドを形成している銘柄に注目する順張り戦略が有効と考えます。
そこで、私が注目したい銘柄は『大幸薬品』(4574)です。同社は、大衆医薬品や感染管理商品を販売しています。主力商品は「正露丸」で、みなさんになじみ深い会社ではないでしょうか。同社を「上方修正が期待できる」好業績銘柄と考えます。
直近の中間決算では、売上高42億4300万円(前年同期比+28・5%)、営業利益14億3900万円(同+162・3%)、当期純利益11億1600万円(同+143・2%)と大幅な増収増益を発表しました。
海外での「正露丸」販売や医薬品事業が好調に推移したほか、除菌消臭剤「クレベリン」が鳥インフルエンザ報道を背景に販売が増加し、感染管理事業も大きく伸長しました。
「正露丸」のイメージが強い同社ですが、今後は「クレベリン」が業績拡大をけん引する可能性が高いでしょう。「クレベリン」は、空気中のインフルエンザなどのウイルスを除去することができる商品として人気が出始めています。
中間期時点の感染管理事業の売り上げは、11億8900万円(前年同期比+266%)と驚異的な伸び率となっていますが、「クレベリン」の認知度は約37%と依然、低い水準です。認知度向上に向けて、テレビCMなどへ積極的に広告費を投入しており、感染管理事業の売り上げ規模が大きく拡大する期待が持てるでしょう。
同社は通期業績予想として売上高75億円、営業利益11億5000万円を見込み、中間期時点での通期予想に対する営業利益の進捗率は125%となっています。また、例年第3四半期が四半期で一番売り上げを計上していることから、会社予想は非常に保守的で、近いうちに上方修正が行われる可能性が高いと判断しました。
好調な業績を背景に、株価は年初来高値2038円を目指し、上昇トレンドを形成しています。上方修正を期待した買いが今後も継続的に入る期待も持てることから、当面上昇基調は継続するのではないでしょうか。 (フェアトレード代表取締役)
■西村剛(にしむら・つよし) フェアトレード株式会社代表取締役。機関投資家出身で、統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1GPグランドチャンピオン大会で+200・4%、12年の大会で+160・1%のパフォーマンスを叩き出し、連覇達成。証券アナリスト検定会員。
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