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トランプ相場はいったん終了、そして?

2017年01月18日 | 気になるネタ

20日の米大統領就任式が迫ってきた。様子見姿勢が強まり、東京市場は週初から売り優勢の地合いとなっている。17日の日経平均株価は英国のEU離脱に関するメイ首相の演説への警戒感もあり、前日比281円安の1万8813円で取引を終えた。為替市場でもドル円が1ドル113円台前半に入った。「噂で買って真実で売れ」といった相場格言が意識されつつあるなか、就任式までの流れを確認、その後についての予想をしたい。

■外国人の買い意欲はあるが、利益確定の流れ

まずは需給面だ。日本銀行は引き続き上場投資信託(ETF)の買い入れを行っているほか、東京証券取引所が発表した投資部門別売買動向(1月6日時点)では、外国人投資家による買い(先物+現物、2523億円の買い越し)も継続している。トランプ相場スタート以降、9週連続の買い越しで、トータルでは4.1兆円の買い。

一方、個人投資家は引き続き売り越し(同2971億円の売り越し)ており、こちらは逆に9週連続の売り越しで3.2兆円の売りだ。2014-2016年と3年連続売りで年初スタートしていた外国人投資家は、4年ぶりに買いでスタートしている。大幅高となった大発会のみ買っていた可能性はあるが、怒涛の売りとなった2016年とは異なるスタートとなったことは安心材料といえよう。

上記のように東京市場の需給面は良好のままだが、米大統領就任式を前に利益確定の流れは強まっているようにみえる。「噂で買って、真実で売れ」という相場格言を口にする市場関係者も増えている。

テクニカル面では、日経平均は約1ヵ月の平均売買コストである25日移動平均線(17日時点、1万9275円)を下回っているほか、相場のトレンド(方向性)を確認するテクニカル指標のひとつ「パラボリック」でも売りサインが点灯している。様子見ムードが強まっており、東証1部の売買代金も16日は1兆8872億円と、昨年の大納会以来の2兆円割れとなった。同11月から続いた2カ月に及ぶトランプ相場はいったん終了したと見るべきタイミングだろう。

前述のように、日本株押し上げの原動力となっていた円安ドル高も、上げ一服となっている。昨年末辺りからドル円と日経平均の連動性は鈍っているが、円安ドル高が止まれば、日経平均の先高期待がはく落するのは致し方ない。

なお、需給面で一点、ふれておきたいイベントが今年の夏以降に発生しそうだ。16日の取引時間中に、「財務省が日本郵政の株式を今年の夏以降に追加売却する方針」と伝わった。最大では1.4兆円規模の株式を売却する見通し。

実際の売却時期に関しては、今後の株価推移を見て決定するが、市場では7月もしくは9月あたりとみられている。日本郵政が属するサービス業では、年金筋によるリバランスが発生するほか、多少資金捻出の売りは入るかもしれないが、同社は日経平均採用銘柄ではないことから指数への影響は限定的とみる。今回の追加売却の話は、財務省および政府関係者が、2017年の相場見通しを比較的強気で見ている証左ともいえよう。

■大統領就任式後の注目ポイントは?

20日の大統領就任式で、具体的な政策に関する話が出るとの期待感は根強いものがある。しかし具体的な話は、今回の就任式ではなく、2月の予算教書演説で実施されるとの声も聞かれる。

仮に、就任式で具体的な政策よりも「保護主義」に関する内容にバイアスが傾いたとすれば、1月11日の記者会見後のような相場の流れになるかもしれない。予算教書演説への期待感は残る一方で、2回連続での肩透かしに市場が失望、嫌気を示し、前回よりもドル売り、株売りの流れが強まるかもしれない。

そうなった場合、ドル円は、心理的な水準である1ドル110円を目指す可能性もある。この水準は、価格のバランスをさぐるひとつの指標である一目均衡表の雲の下限(109円93円)も位置していることから、下値メドとして意識されやすい。一方、日経平均は、13週移動平均線が位置する1万8559円水準辺りか。短期筋中心の値動きで、下落局面は長続きしないとみているが、2回目の肩透かしとなれば、1回下に突っ込むような地合いを覚悟しておいたほうがいいだろう。

逆にトランプ氏が、「昨年11月の勝利宣言」のような大統領らしい立ち居振る舞いをしたうえで、具体的な政策に踏み込んだ場合、市場が抱いていた過度な警戒感は多少後退すると見る。売り方の買い戻しも入ることから、ドル、株ともに多少は値を戻すだろう。しかし、「噂で買って真実で売れ」というフレーズ通り、「思惑先行」の地合いはいったん終わったと見ておいたほうがいい。買い戻し一巡後は上値の重い展開となり、こうした流れは2月の予算教書演説まで続くと想定する。




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