[上海 27日 ロイター] - 中国当局は与信環境の引き締まりに苦しむ民間企業の起債を支えようと、銀行の預金準備率引き下げなど金融緩和策を次々と繰り出している。
しかし投資家は暗黙の政府保証があると信じる融資平台(地方政府傘下の資金調達会社、LGFV)や国有企業の債券に引き続き資金を注ぎ込んでおり、当局の取り組みは成果が上がっていない。
浙商銀行の資産運用部門の幹部、サミュエル・ワン氏は、同行のポートフォリオに占める民間企業の社債の割合は「ほんの一部だ」と述べた。浙商銀行の開示情報によると金融商品への投資規模は5627億ドルで、このうち社債の比率は1.4%にすぎない。
民間企業の社債を敬遠する風潮は、経営効率の低い国有企業に資金が流入し続け、成長の6割、雇用の8割を担う民間セクターが割を食うことを意味する。実際にLGFV債や国債の利回りは最近急低下した。
レイショナルストーン・インベストメントのZhou Li社長は「ジレンマだ。政府は自ら進める借り入れ圧縮策で打撃を受けた民間企業を救済しようとしているが、市場参加者にとっては他の投資先を選ぶ方が理に適っている」と指摘。民間セクターが資金不足に見舞われ続ければ、長い目で見て中国の成長が損なわれる恐れがあると述べた。
しかし当のレイショナルストーンもまた、民間企業の発行したリスクの高い社債は避けているのが実体だ。
中国の民間企業は、国有企業が幅を利かせる金融市場での調達が難しいことから、これまで「影の銀行」などに頼らざるを得なかった。
しかし政府がリスクの高い、オフバランスの融資の圧縮に向けた取り組みを強化したため、今年上半期に調達環境が急激に悪化。債務不履行が相次いだことも投資家が社債への投資意欲を失う要因になった。
中国人民銀行(中央銀行)は、米中通商紛争による景気への影響が懸念される中、急激な信用逼迫の発生を回避しようと、預金準備率の引き下げや中期貸出制度による貸し付け、AAプラス以下の格付けの社債への投資促進策などを導入した。
しかし中国人民財産保険(PICC)のポートフォリオマネジャーによると、銀行や保険会社は国有企業の社債やLGFV債を選好する姿勢を変えていない。これらの債券には暗黙の政府保証があると考えているためだ。
当局は昨年、LGFV債は省政府の保証の対象外だと発表した。
政府統計によると、AA格付けの5年物LGFV債の利回りは今月44.9ベーシスポイント(bp)低下。他の社債の利回りの低下幅は29.9bpどまりだった。
一方で民間企業の社債の利回りを示す温州民間融資総合利率指数は、当局の金融緩和にもかかわらず24日に16.67%と3週間ぶりの水準に上昇した。
レイショナルストーンのZhou氏は「バンカーが民間企業の発行した低格付けの社債に投資して損失を被れば厳しい処罰を受ける恐れがある。だから国有企業の社債への投資を選ぶのが筋が通っている。少しでもましな方を選んでいるのだ」と述べた。
(Samuel Shen記者、Andrew Galbraith記者)
以上、ロイター記事
中国は資本主義国家ではありません。
インチキをやってアメリカ、日本から色んなものを盗んで発展してきましたが、アメリカが中国を問題視しており、共産国を辞めない限り、右肩下がりに転がり落ちると私は見ています。
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