銘木工芸の技の王道って、何だと思いますか?
私の知る限りの匠に「王道とは?」とお伺いしたところによると、「ろくろ技術」、「挽きもの」
の加工なのだそうです。
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「ろくろ技術」、「挽きもの」とは、ひとつの銘木をルーターといわれる機械を使って回しながら、刳り貫いて
丸い形にしていき、お盆や、茶碗、湯呑などに仕上げていく技法です。
この日本伝統工芸展の図録の表紙も大きな丸盆で、新人賞を受賞された匠の作品だそうです。
「ただ、刳り貫いて丸くするだけだから、こんなの簡単だろう。」
かつて、私も浅はかにそんなふうに考えていました。
でも、いろんな匠と出会い、お話する中に、銘木を丸く加工するということが、お願いできない匠が非常に
多いのに驚かされました。
「直線的に加工することは出来るが、丸くするのは、非常に難しい。」
「ろくろ技術や挽きもの加工は、銘木加工の王道だよ。」
という話を、異なる匠から共通の意見として聴いて、「これは、考えを改めないと・・・。」と思いました。
ルーターの回し方や、工具の当て方などで、作品の出来が決まってしまうため、相当な技術が必要なのだそうです。
ひとつの作品を作るにも、熟練され、卓越した挽きものの技術がどれだけ必要かということも聴かされました。
「機会を設けて、もっとろくろ技術、挽きものの知識習得をしなければ。」と反省しながら、考えています。
【工芸品ショップ泉亀(いずかめ)】ショップサイト
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