先日から、各地の有名な寺社にて、油をかける事件が多発しているというニュース。
中には、重要文化財や歴史的に価値のある建造物や仏像なども大変多いと聴きます。
どういう想いで、このようなことを続けているのか解かりかねますが、できればこれ以上は、止めてほしいと切に思います。
寺社や仏像は、木造建築ばかりだと思いますが、銘木を扱う立場から言わせて頂けば、一箇所に不用意についた油は、そのまま
染み込んでいくので、はっきりと跡が残るものがほとんどです。
材質によっては、染み込みにくいものもありますが、神社は桧が使われているところが多いと想うので、桧は浸透性が良く、
油をかけられると、おそらく取れにくいですね。
また仏像などにかけられると、建築物とは違って、形が湾曲していたりするので、油を除去しにくかったり、手間がかかって
しまいます。
私も、かつて訪れた寺社で、いたずらでペンキをかけられた事件の話を聴いた事があります。
その後、専門業者に頼んで、ペンキの塗料を洗浄、除去してもらったそうですが、一日がかりだったそうです。
また洗浄、除去するだけでなく、本来の木の色を取り戻すためにまた同じような色を塗料で調合して塗りなおしをするそうで、
その手間も相当なものと聴きました。
事件のあとの復帰作業を考えると、かなりの費用と時間と手間がかかります。
油をかけたところで、誰も喜ぶ人はいません。そのことをよく知ってほしいなと思います。
【工芸品ショップ泉亀(いずかめ)】ショップサイト
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