札幌から2時間半かけて、親戚のいる岩内町へ来ました。
日本海に面し、ニセコ連山が後ろに迫る自然豊かな土地です。
野束の浜辺。夏場は凪ぎてて静かです。
積丹半島方面は雲でうっすら見えていますね。
小学生の夏休み、毎年ここに遊びに来て真っ黒になって遊んでたっけ。
石浜だから海中の生き物を見るのには最適です。泳げなかったから波間でカニ捕りしたり、浅瀬で潜って遊んでいたんだよ。
この付近は漁師さんが多く住んでいて、漁の後、いただいた新鮮なイカを刺身で食べたのは、おいしくて忘れることのできない思い出です。
潜って周りを見ると魚がたくさん泳いでいて、豊かな漁場なんだなーと思いましたね。海から上がったら熱くなった石を耳に当て、耳奥に溜まった水を出すのはここで覚えたんだよね。あの、鼓膜の奥からあったまった海水が出てくる瞬間はほんと気持ち悪いんだな。
さて、海岸線を南に進み雷電海岸にやって来ました。刀掛トンネル手前から小高い丘に上がり、右側に弁慶の刀掛岩を見ます。
左側はカスペノ岬。この裏側にカスペトンネルが通っており、カスペ・刀掛2つのトンネル間の短い海岸線に雷電温泉郷はあります。
昔、宿泊したことのあるホテル雷電。
悲しいかな既に閉館しています。数年前、ホテル八一さんが後継営業をはじめましたが、長くは続かず結局全てのホテルが廃館となっています。
ここから日本海に落ちる夕陽は実にきれいでした。ホテルの浴場から見るのは最高でしたね。
ホテルから道路をさらに上っていくと途中に浄水場があります。
ここから砂利道になり下っていきます。
すごい鬱蒼とした道です。カスペトンネルの裏側の林道で、アブ等の虫がブンブン飛んでいます。
海岸線に出て、入り口の三浦温泉旅館の看板を見つけました。その裏には朝日温泉の看板が隠れるように立っています。三浦温泉まで行ってみます。
すごい山の中に入っていきますよ。
かなり上ったところに三浦温泉がありました。
露天風呂がオープンに見えますが、なんという開放感でしょうか、露天というよりは野天ですね。
眼前には日本海を見下ろす絶景が広がっています。
巨岩・奇岩が連続する雷電海岸。巨大な岩山が日本海に面して立ちはだかる威容は、荒々しく厳しい自然を物語っています。それらの条件をトンネルによる海岸線開発と温泉採掘で、豊かな生活を夢見て克服してきた人々のドラマがあったと、感じずにはいられません。
浄水場まで戻り、そこから分岐する坂を上っていくと、岩内町営第ニ号分湯所の廃屋がありました。おそらくここに上流部から温泉を運び、雷電温泉街へ供給していたのだと思われます。
この上の朝日温泉はかなり前に閉鎖しており、この先車では行けません。昔行ったことがありますが、ものすごい傾斜の砂利道で急カーブの連続、車がすれ違う時も細心の注意を払わなければならない道でした。
朝日温泉は秘湯中の秘湯で、よくこんなところに建物を作ったなと思うくらいでした。水上勉氏原作の「飢餓海峡」の舞台にもなったところで有名ですね。一度日帰り入浴しましたが、温泉は硫黄、カルシウム-硫酸塩泉でとにかく濃厚、乳白色のデカイ湯の花が湯船に沈澱しており、少し長めにはいると湯あたりしそうなくらい成分は強烈でした。外には渓流を丸太で渡ると露天風呂もあったのですが、内湯だけでヘロヘロになり、断念して下山した記憶があります。
浄水場から林道を抜けてきて舗装路になり、振り返ると砂利道からは薄暗く鬱蒼とした森林道になっています。まるで「千と千尋の神隠し」のテーマパーク跡から舞い戻ったかのような感じです。
雷電温泉街へ戻る途中、雷電展望台入口の看板があり行ってみます。
ここから山の中へ分け入る感じが探検っぽいですね。
階段を上っていきます。
途中、壊れたフェンスがあり、あまり整備されていない感じ。。
木立の中にコンクリートの建物が見えてきました。
展望台到着です。
フェンスのところまできましたが、海岸の眺望は木々に囲まれているため、見える部分はこれだけ。それでも弁慶伝説が残る刀掛岩が見えます。
脇に階段があり降りてみます。
休憩スペースになっています。雨が降ったときにはこちらに入るといいですね。ここからは残念ながら景色は見えません。
さて、また雷電温泉街に戻ってきました。少し散策したいと思います。別館の宿泊棟でしょうか、廃墟と化していますね。
山小屋のような棟がつなぎ合わさっていたのでしょうか?これだけ部屋があったとすれば相当収容客も多かったのだと思います。
観光かとうさんもこの荒れよう。
2010年の閉館で壁の塗装もボロボロになってきています。
隣接する宿泊棟。中はどうなっているのでしょうか。
ホテル雷電を奥側から見たところ。ちょうど刀掛岩が見えますので、温泉につかりながわら景色を堪能できたんですね。ここの温泉は熱くて体の芯まで効きました。たしかサウナもあったよなぁ。夕食の冷えたビールがうまかったことといったら、もう。。お膳に毛蟹1パイが付いたのにはびっくりでした。
豊浜トンネル崩落事故があってから、トンネルの安全面見直しが図られ、ここもトンネルに挟まれた短い区間になってしまい、あっという間に通り過ぎるようなところになってしまいました。以前は小さいトンネルや覆道が連なり、合間に海を見ながらドライブを楽しめたのですがね。そのせいかわかりませんが観光客の減少とともに温泉郷は衰退してしまいました。今では岩内市街からほどない円山地区のいわない温泉郷に活気が集まっています。
そんなこんなで、思い出に浸りながら車に戻ります。
温泉街入口からちょっと上がった駐車場に行くと、
雷電温泉郷のマップがありました。
先ほど行った展望台。海岸線から一気に143m上がっていたのですね。
先ほどの浄水場はこの分岐のところになります。朝日温泉はここから2.5km、ダートな山道を一気に標高約320mまで進む、人里から隔離された仙境の温泉宿。まさしく秘境の宿です。2010年の土砂災害で現在長期休業中ですので再開はいつになるのでしょうね。
お、海沿いに有島武雄文学碑があるんだ。いってみよう。
有島武雄文学碑。駐車場は広く目前は海です。
著作「生まれ出ずる悩み」は、岩内で活動していた悩める画家、木田金次郎をモデルにした作品です。
誰かが釣りをした跡があります。
ここは投げ釣りスポットでもあるんですね。
このスポットはカスペ岬まで続く旧国道229号線を利用しています。昔はこのルートで行き来していたんです。
雷電温泉を後にしてこれから岩内市街へ戻ります。
木田金次郎美術館前到着。今日は見る時間がないな。
後志管内の美術館・ギャラリーのマップ。ドライブコース上にあるので休みがてら立ち寄りたいものです。
美術館裏のマリンパークに行くとちょうど16:00の鐘が鳴りました。カリヨンモニュメントが設置されており、24個の鐘をコンピュータ制御で演奏し、噴水とともに羽が回るようになっています。
岩内港に出ました。
船がほとんどいないので出漁しているのでしょう。夏場はイカの最盛期。夜にはイカ釣り漁船の漁火が水平線にゆらめくのでしょうね。
(記事:2017年8月 Update:2018年4月)
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