はなな

二度目の冬眠から覚めました。投稿も復活します。
日本画、水墨画、本、散歩、旅行など自分用の乱文備忘録です。

●出光美術館蔵「江戸名所図屏風」のワニ真説?

2016-07-17 | Art

以前の日記に書いた、出光美術館「江戸名所図屏風」に、向島にワニがいる説。その追記です。

読んでくださった方から、貢物として献上されたワニが逃げ出したのでは?という説もいただきました。確かに象や豹など珍しいものが、南蛮船や朝鮮通信使の船に乗せられ、秀吉やその後の江戸将軍家に献上されたようですので、ワニ生息説も可能性あるかも♪。

と思っていましたところ、出光美術館で単眼鏡で見た方から、「木彫りをしているように見える」と教えていただきました。

 確かにあの手つき、くすぐってるのではなくて、彫っているのか。

向島で木彫りが行われていたのかどうか、墨田区のHPで見つけました(^^)。

http://www.city.sumida.lg.jp/sisetu_info/siryou/kyoudobunka/mame/iki/mokkou.html

抜粋です:「堂宮彫刻(どうみやちょうこく)は、神社仏閣を飾る欄間(らんま)や木鼻(きばな)などの木彫刻をいいます。
 その起源は16世紀、欄間彫刻の盛行に伴い大工(ばんしょう番匠)から分化して成立した「木彫り師」「宮彫り師」にたどることができます。江戸時代以後、墨田区周辺には神社仏閣が多く建てられ、また隅田川の水運による木材の供給の便もあり、仏師や彫師などが隅田川周辺に多く居住するようになりました。」

確かに木彫りが盛んだったようです。16世紀からというのも、あの屏風と時期もあいます。

向島から隅田川を少し下った深川は木材業で栄えていました(「ととねえちゃん」でも祖母の大地真央が木材卸を営んでいました)し、浅草のすぐ近くの田原町は、お仏壇のお店が並んでいますし、合羽橋道具街も。

 

結論:あれはワニではなく、龍かなにかの彫り物の可能性あり。

 

余談ですが、検索していたら、柴又帝釈天に超絶な欄間が。

仏教の説話彫刻です。柴又帝釈天は、彫刻の寺と言われるほど、木彫が多く、また見事だそうです。

 

そして大好きな、平櫛田中の旧宅が、谷中霊園の近くにあることも発見。

住所:東京都台東区上野桜木2-20-3

大正時代のそのままに保存されているそうです。公開は、原則、第4日曜日:11:00~15:00とのこと。

平櫛田中の木彫は、小さい作品でも内から発するオーラが見えるようなのです。

酔吟行

写真だとピンと来ないですが、前から見ても素晴らしいですが、後ろ姿のほうがもっと気を発しているかもしれません。

これは五浦で見た岡倉天心像。

 

木彫りには詳しくないのですが、下町の木彫りから、いろいろ行きたいところが出てきました。