池上高志、石黒浩『人間と機械のあいだ-心はどこにあるのか-』、
講談社(2016,12)
同書には、著者らの簡単な研究紹介と対談があります。
石黒はアンドロイドロボットの研究者として有名です。
マツコ・デラックスのアンドロイドを紹介したテレビ番組もありました。
最近は、アンドロイドの研究から機械人間オルタの研究に移行しています。
オルタの研究は、人間の顔の微妙な表情を再現することで生命とは何かを探ろうとしているようです。
池上は、複雑系の手法を用いて人工意識の構築を目指しています。
複雑系の複雑度がある閾値を超えればヒトの意識が実現できるのではないかと期待しています。
石黒は人工生命、池上は人工意識の構築を目指しています。
しかし、人工生命と生命、人工意識と意識との間には決して超えられない壁があります。
人工生命や人工意識はあくまでも機械人間によるもので、生きている生物とは本質的に違うからです。
石黒や池上など多くの研究者は、見かけが同じなら本質も同じだと主張します。
彼らは、アラン・チューリングを開祖とする機能主義者と呼ばれています。
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