町田そのこ著「星を掬う」を読了後、
無性に食べたくなって買ってきたイチゴ飴。
倹しい暮らしの主人公が自分に許した唯一の贅沢は、
一日5粒のイチゴキャンディでした。
母親に捨てられたせいで惨めな性格になったと思い暮らす主人公。
離婚しても逃げても執拗に探し出して金をむしり取る元暴力夫。
ラジオで聞いた「あなたの思い出を買わせて」に
分かれる前の夏、母と二人で気ままな旅行をした思い出を投稿する。
それが当選し放送を聞いた女性が会いたがっていると、番組の担当者から連絡が入る。
そこから母親の住む建屋で暮らし始める主人公。
そこには連れ帰った女性ともう一人、それぞれに事情を抱えて同じ建屋に住んでいる。
会いに来た女性は、主人公の母親が若年性認知症であり、
まだ意識が鮮明なうちに会わせたかったのです。
元夫が探しに来るのではと、怯えて一歩も外に出られない暮らし。
そのうちに同居する二人の女性の抱える問題も分かってきて、
運の悪さをすべて母に捨てられたせいにしていた自分の甘えも見えてくるのね。
読んでいると母親との確執や夫のDVなど、胸が痛くなります。
前回読んだ「宙ごはん」にもありましたが、謝罪についての言葉が印象に残ります。
「加害者が救われようとしちゃいけないよ。自分の勝手で詫びるなんて、もってのほかだ。
被害者に求められてもいないのに赦しを乞うのは、暴力でしかないんだ」
宙ごはんでは、飲酒運転で死亡事故を起こした加害者の息子が、
一輪の花を持って被害者宅へ毎日謝罪に行くのです。
その行為について諭した言葉でもありました。
被害を受けた側はずっとその傷(目に見えなくても)を抱えて生きるんだものね。
そう簡単に赦してなんかやれない。
えーと、何いってんだか、ワタシ…。
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