思い出のノーサイド

カメラがつなぐパス ラグビーを撮り続けて

2003年トップリーグ元年に起きた事

2006-08-14 10:17:00 | ラグビー・思い出話

トップリーグが始まったのは2003年9月13日。国立競技場にてオープニングセレモニー後

神戸製鋼VSサントリーの試合が行われました。

私は11月に個展開催が決まり、作品を追加するべく東京へ行きましたが、

この時は取材許可をもらうのに一苦労でした。

あとで聞いた話によると、それまで秩父宮に大勢で来ていたフリーの写真家団体の

排除が目的でメディア関係以外の取材に対し規制が厳しくなったそうです。

 

その写真団体は会費を徴収して入会者をつのり、

集団で撮影後、写真を無許可でカレンダーにして販売。

広告には「協会公認」と掲載していたそうです。

主催者側の意向に反した行動に対して「取材可能者をどういう基準におくのか」

協会の方達は慎重に議論されたそうです。「非営利であっても肖像権の関係があるので

個人にはネット掲載や写真展示のための撮影は認められません。」

と言われてしまいました。

 

私はその年11月サッポロファクトリーの個展開催が決まっていて

それから知人を介してお願いし何とか許可をいただけました。

この会場は、通常借りるなら1日15万円しますが

非営利事業としてイベント開催する個人と団体について

特例を出している期間があり、6日間12万円、格安使用料になりました。

私は企画を審査にかけられ色々な資料を提出しましたし、その後も打ち合わせに

多くの時間を費やしました。第5回ラグビーW杯期間大勢の方が集まる会場。

なけなしのお金を捻出してせっかくチャンスが与えられたのに・・・。

少しの間、放心状態でした。

 

書類が届いてからは「発表するのはオープニングセレモニーと国立の情景のみ。

選手の権利にかかわるものは撮影しません。」と自分から申請し、受理されました。

試合中は歓声と周りのシャッター音を聞くだけ。

国立競技場では空白の時間を過ごしてしまったものの

信頼の積み重ねが先決なので申請内容に従いました。

 

その一週間後、月寒にて行われたリコーVSサニックスの試合は地元の利もあったのか

試合撮影の申し出が通り、思う存分撮影できて展示作品にもさせていただきました。

6日間の個展総入場者数は395名。北海道ではメジャーと言えないラグビーの写真展に

遠路ご来場いただいた方、ありがとうございます。

 

経済的利益のない展示に会場を貸してくださった

サッポロファクトリーさん、その節はお世話様でした。

トップリーグは4シーズン目になろうとしています。


月寒の芝生にふれて

2006-08-10 22:55:03 | ラグビー・思い出話

北海道協会HPに9月9日開催のトップリーグ、リコーVSトヨタの詳細が発表になりました。

2年ぶりのトップリーグに、気持ちが高まってきます。

少しでも多くの方がいらっしゃって、競技場ごと盛り上がれるような試合になればと

期待しています。私もミニ写真展・撮影ともに頑張りますので、是非ご来場下さい。

 

今、月寒の芝生は、ところどころ薄くなっていたり

薄茶色の芯のような部分が出てきて、少し元気がありません。

夏の暑さと雨不足のせいだけではないような気がします。

人間が年齢を重ね、白髪になっていくのと似ています。

出来立ての競技場だった頃は足の踏みあとが残る

ふかふかのやわらかい芝生でした。

(自分の体重が重かったのかもしれないですが・・・。)

東京の写真展で芝生の拡大写真を展示したところ

「きれいな芝生ですね。」と言われ嬉しくなり、日頃管理してくださる方に

お礼を言いたい気持ちになりました。

 

整備のための予算が取れず、耐用年数を通り過ぎて

疲れていく一方の芝生を見ると、昔からの姿を知っている者として

協力したい気持ちで一杯になります。

 

ラグビー場にポストがあって、芝生があるのは

当たり前のようですが、環境が悪くなる、競技人口が減る、

という悪循環から、いつかラグビー場が違うスポーツの場所に

とって変わる事もありうるわけで・・・。

そうならないためにラグビー場を守りたいものです。

多額の寄付を出来ない弱小アマチュアでも

張替えるための予算を捻出するための努力。

自分に何が出来るのか。たくさんの方と協力して何が出来るのか・・・。

考えているところです。むずかしいお話すみません。


少し早いですが、創部30周年を祝して

2006-08-08 23:41:30 | ラグビー・思い出話

私の出身校である札幌清田高校のラグビー部が

今年創部30周年を迎え、8月12日に記念祝賀会が開催されるそうです。

「試合も祝賀会も是非撮影にいらしてください。」

とお誘いをいただいたのですが家業が繁忙期のピークとなる日

残念ながら出席できなくなりました。

大変申し訳ありません。お声をかけていただいたOBの方に

おわびを申し上げますとともに、30周年を心よりお祝いいたします。

そこで思い出をひとつ。

 

私は高校で写真部に入る前は陸上部の部員でした。

練習を終え数人の友達と校舎の中に入ろうとすると

正面玄関前の靴を磨く洗い場に、ラグビー部の部員が座り

汚れたジャージ姿で、手足を洗う姿をよく見ました。

時としてひざにできたすり傷の「かさぶた」をはがしている事があり

(「かさびた」という方もいらっしゃいます。)

私はその姿をみるのが嫌で、ラグビー部員恐怖症でした。

直りかけの傷をどうしてはがしてしまうのか?

かゆかったり、同じ傷の中に土が入ってしまったという事もあるけれど、

不気味な感じがしました。私達の話し声を聞いて、一度は顔を上げても

再び「はがしモード」になる部員。ほっとして帰ろうとする私達を待っている

玄関前の門番でした。

 

私の友人も隣の席がラグビー部員で恐怖症だったらしく

彼女が言うには「スポーツバッグの中から、砂が出てくるんだよね。」

その頃は10代の多感な少女だったので、私も友達も

きれいなスポーツや文系の少し大人っぽい部活動に

あこがれを持っていました。

難民と見間違うほど汚れた姿で、まちかまえられたラグビーが

ライフワークの被写体になるとは・・・(笑)。

 

昨年5月の門脇先生勇退試合と祝賀会は

弟が北海学園大学ラグビー部時代にお世話になった先輩や

お友達の方にも出会えて楽しかったです。

皆さんの益々のご活躍をお祈り申し上げます。


2006ミニ写真展

2006-08-06 18:37:00 | ラグビー・思い出話

円陣・初秋の陣・早稲田大学 2005年9月札幌月寒にて

 

今年9月9日に札幌月寒で開催されるトップリーグ

リコーVSトヨタにちなみミニ写真展を企画中です。

今回が3度目になるミニ写真展。月寒ラグビー場正面にて1日限りの短い展示ですが、

北海道ラグビー協会さんと調整中なので、内容がくわしく決まり次第お知らせします。

今回は30点くらいにまとめようと考えています。

 

昨年は展示の様子やラグビー場の風景がNHKさんに

ニュースの特集として取り上げられ、とても忙しかったです。

作品の展示と撮影とインタビュー。疲れてむくみがひどい顔を

よく公衆の面前にさらけだしてしまったと思います。

でも札幌にラグビー場があるのを、ご存知ではない方がいる中

競技場があって試合をしていることを、PRできただけでも良かったです。

ほんの一瞬うつった部屋のようすは、反響が大きかったです。

皆さん興味しんしんだったのでは・・・?

せまくて殺風景な部屋においてあるラグビーグッズや本。

女性の部屋らしくなくてすみません。見ていただいた方におわびします(笑)。

 

ちなみに奥の部屋には額縁、イーゼル、ビデオテープ

雑誌のバックナンバー等保管しています。

良い作品を撮るために写真の技術も必要ですが、

被写体に対する理解や愛情があることが大事と思い、片っ端から集めました。

弟の大学時代からのものなので、今見たり読んだりすると

懐かしさがこみあげてきます。

早稲田大学VS立教大学にちなんだミニ写真展から一年。

これといって目立つような作品が撮れたわけでもなく

また同じようなものを撮ってと言われそうですが、ご来場いただけると幸いです。

詳しい事が決まり次第お知らせします。 

 

8月7日は北海道の七夕です。函館など一部の地域は7月7日と

聞いた事がありますが、札幌は8月7日が七夕です。

笹竹や柳にどんな願いがつるされてゆくのでしょうか。

私はミニ写真展が成功するよう祈ります。


ラガーの漢字

2006-08-04 01:22:10 | ラグビー・思い出話

7月の選抜大会で選手のパンツに漢字のししゅうを見つけました。

春日丘高校は「砕」、近大付属高校は「翔」。

 

いずれも一文字ですが、チームそれぞれの願いがこめられた漢字を見て

年末に発表される世相漢字を連想してしまいました。

今は8月。あと5ヶ月弱で12月です。今年をあらわす漢字は・・・?

実は私は毎年TVニュースを楽しみにいます。

大きな筆で書かれる一文字。

このニュースを見られて、一年無事に過ごせたと思うのです。

 

シーズンが進んで花園予選ほどになると、

選手が自分の体に色々な思いや願いを書いて

試合にのぞむ姿が多くなります。ケガをした部分や力をこめたい部分に

書くというのはラグビーならではのような気がします。

他のスポーツではあまり見かけたことがありません。

私が一番印象深かったのは「絹子のため」の一言です。

きぬこって誰?お母さんかな?おばあちゃんかな?

思わず想像をめぐらせてしまいました。

そういう意味ではラグビー選手は自分の気持ちを言葉で

表現できる詩人であり哲学者であると関心します。

 

今年5月佐賀県にいった時、佐賀工と長崎北陽台の試合を

撮影しましたが、その時は佐賀工のヘッドキャップに

「不撓不屈(ふとうふくつ)」のししゅうを見つけました。

九州は暑かったけれど、懸命にプレーする姿に励まされて

無事に帰ってくることが出来ました。

今シーズンはラグビー場でどんな文字や言葉に出会えるか

今から楽しみにしています。