・・・吉祥寺駅には銀色に輝くロケットのようなものを林立させた貨車が見られた。小原爆と言われたナパーム弾である。・・・泥棒ごっこあるいは探偵ごっこでは原っぱを飛び出し、近所の家の屋敷を駆け抜けて走るのである。当時私の家の近所ではそうした子供に寛容であった。・・・自分で面白く親にも嫌がられない上等な遊びはA1ライトプレーンである。 . . . 本文を読む
・・・檳榔樹だとかで、精神に影響する少々やばいものだという認識はあった。カシコ揃いなので全員齧ってみた。いっそうまずい。それに精神に効いてこないではないか。「何も変わらんなあ」などと歩いているうちに、「俺、効いてきた」・・・ . . . 本文を読む
中学時代
2015-02-10 | 随想
開けっぴろげと言えば、北東の窓はガラスはほとんど割れて無く、吹きさらし。床は所々破損してギザギザの穴まで空いていた。落ちれば当然大事だろうが、皆走り回っていてもそんなドジは見たことがない。 . . . 本文を読む
・・・彼女たちは高踏派である。グンタイアリの列の先端につきまとってホバリングし、アリに驚いて飛び出すゴキブリに急降下して卵を産み付けるのだ。彼はスマートなハエに、ネットの二次元美少女をダブルイメージしている。 . . . 本文を読む
赤い羊歯
2014-10-03 | 随想
「空席I」、「ポーランドの犬」、「ナイアガラの死の文字」、「カード盗難」と外国旅行で出会った難儀な出来事を綴ってきたが、いっそう物騒な経験がある。 . . . 本文を読む
雪月花
2014-09-19 | 随想
続:故 村上直之紹介。
暮れて外に出ると、奇しくも鷹峰の遅く開いた桜の枝に雪が降り積み、十三夜の月がそれを照らしていた。おもわぬ雪月花の揃い踏み。 . . . 本文を読む