Z34の開発責任者だった湯川氏の著書が出ていたので買ってみました。内容としては大きく90年代末期の日産の現状からZ33~34型にかけての秘話と日産退社後の日本電産での感想について書かれています。ゴーンによるリストラは生粋の技術者たちも篩にかけられて走り屋たちが好むようなクルマ作りの担当者は粛清されてしまったようです。もっとも901運動の頃の開発者の皆さんは定年間近の人も多く、たいていの人は大企業によくあるような子会社への転籍もあったんでしょう。
フェアレディZはスーパーカーブームの頃には骨抜きされてしまっていてセドリッククーペと揶揄されてもいたみたいです。既にホットバージョンのZ432とか240ZGは生産中止していた頃です。そこへマツダがリトラクタブルヘッドライトのサバンナRX-7を出したものだからS130型には期待したものです。ところがご覧のようにS30型の正常進化系でデザインは変わり映えしなく性能も280ZでようやくRX-7とトントンの結果だったと記憶しています。次のZ31型はV6エンジン搭載という事で期待したのですがやはり北米市場の要望かフロントノーズが長い重たそうなデザインでした。
その次のZ32型はようやくノーズも短くてパワーも規制いっぱいの280馬力となったので2代目RX-7を買った時には(買うのを)早まったかなと思う事もありました。でもこのZ32って作りっぱなしで殆ど改良らしい改良もしてこなかったんですよね。何しろライバルのRX-7はモデルチェンジ(FC3S→FD3S)して(Z32よりも)250kg近く軽いボディを継続していた上にパワーはどっこいの280馬力までアップしちゃっていますから!そんな訳でフェアレディZは縁が無かったのですがポルシェを2台乗り継いだ後に買おうと思ったら国産車のスポーツカーってほぼ全滅状態でした。
それでもフェアレディZは現行型として販売されていたので担当さんの勧めもあって人生初のフェアレディZを購入した訳なんです。Z34は2008年末に出て自分が購入したのが2016年春でしたので普通だったらモデルチェンジされている頃、昭和の時代なら2回変わってますね!このモデルは6年半程度乗りました。大きな不満は無いけどやはりコストダウンされた箇所はいくつか見られましたよ。例えば床のカーペットなんかこれがスポーツカーのカーペットなの?と疑うようなチープさです。また下回りもトラックのようなフロアなんですよ。やはりこういう所をコストダウンしているからポルシェなんかよりも安く作れるのでしょう。
昨年新型に代わったけど中身はぶっちゃけZ34のビッグマイナーです。確かに400馬力越えのエンジンは魅力がありますが如何せん初代S30を意識したデザインは今更感が強いです。あのコルベットでさえミッドシップになっています。Z34の時は500万円までいかなかったので割安感がありましたが今やバージョンST(最上級グレード)は650万円程度です。もう100万円出せばケイマンの素のモデルが買えてしまうので個人的にはもうちょっとプライスダウンしてくれないかなと思いたくなるのが現状です。次に買うクルマが人生最後のクルマになりそうなので購入は計画的にしよっと(爆)!