いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

モンブラン マイスターシュテック 149

2011-07-31 06:03:24 | 万年筆 ステーショナリー
モンブランのマイスターシュテック 149です。
実用品という意味では、ある意味究極の万年筆
そして、もっとも有名な万年筆ではないでしょうか。

現在、万年筆はモンテグラッパとペリカンを
所有していますが
やはりモンブランを所有していなければ
万年筆を経験したとは言えないのではないか?
と思い今回、購入しました。

モンブラン149
最初の
1はマイスターシュテックを意味し
4はピストンメカニズム方式である事を意味し
最後の9はペン先サイズを表しています。

そして数あるモンブランの中から
149を選んだのは
万年筆好きの愛読書である
「趣味の文具箱」vol.18がきっかけとなっています。
「万年筆の達人」のコーナーに
モンブランのリペアマイスターであり
万年筆の著書も多数出されている
古山浩一氏のこの言葉。



お金があれば149、
お金がなければ
貯めて149を買いなさい!


この文言にやられてしまいました。
この後は149とは、どんな万年筆なのか
というのを徹底的に調べ
これは必ず買わなくてはという
呪縛に捕われるという
いつもパターンに落ちていくのでした、、、

さて、今回の149
色々調べてみると最新のものより
1980年前後の物の方が
評判が良いようです。

しかしモノは万年筆ですので
中古という事になると
使っていた方の書きグセがついていたり
程度もわからないのでリスクがあります。

どうしたもんだろう、、、と思い
ヤフオクでチェックしていると
何と!1980年代の149デッドストック品を発見。
早速、入札し無事落札と相成りました。

さて、取引連絡も非常にスムーズで
無事商品が到着しました。

(出品者の方は大変親切な方で
 今回、色々ご指導いただきました。
 この場をかりて、厚く御礼申し上げます。)

こちらのケースに本体が丁寧に
梱包され送られてきました。



まずボディの状態です。
ディープブラックのプレシャスレジン製バレルは
傷一つありません。
そしてニブサイズ(ペン先)を表す
ステッカーが付いたままです。
これは調べたところによると
本体を痛める可能性があるとのことで
早速はがしました。



そしてペン先です。
柔らかいと評判の14K
文字サイズはMです。



とても美しいペン先の状態です。
モンブランの万年筆には
殆どのペン先に4810との数字が刻印されていますが
これはモンブランの標高とのこと。

そしてペン先
149のペン体は結構平たいタイプです。



そしてペンポイント部分
ゆがみも無く、奇麗に揃っています。



横から見た形も美しいです。



そしてペン芯部分。
エボナイト製の2段ペン芯から
80年代の物とわかります。
インクを補充した後に撮影したので
少しインクが付着しています。



執拗にペン先の写真を掲載している段階で
既に自分が万年筆病初期段階にあることが
わかります、、、

さて、肝心な書き心地です。

まずはインクの選択ですが
王道の万年筆に合わせるインクは
やはりこれですね。
モンブランのミッドナイトブルー。
以前はブルーブラックという名前でした。



書いた直後はやや青みがあり
時間とともに黒くなっていくインクで
公式文書にも正式に用いられるインクです。

さて、恐らく新品未調整のニブ
書き出しでインクがかすれたりするかな?とも
思ったのですが
最初から非常に滑らかな書き心地でした。

万年筆を買うなら、一番最初に買えば良かった
というのが正直な印象です。



ニブサイズはMですが
ペリカンのM400などに比べると
やや細めに感じます。

文字掠れなど一切無く
少し使い込めば
所謂 「ヌラヌラ」の書き心地になりそうです。

執筆家がこの万年筆を好む理由が
良くわかります。
やや太いのですが
手にしっくり馴染み
そして長時間使っても疲れない。

この万年筆なら素晴らしい作品が
生み出されそうな気がします。

149はそんな万年筆です。

さて、現在のペンの所有状況です。



左から
パーカーのボールペン
そしてモンテグラッパMIYA
ペリカン ヴィンテージM400茶縞

モンブラン マイスターシュテック1441
坂本龍一モデル(私が勝手に呼んでいます)
そして今回のモンブラン 149
モンブラン ヴィンテージ 320

という次第です。
320については、又、改めてご紹介します。

万年筆素人としては
これで充分と思っているのですが
太文字のBニブはなくて良いのかとか
考えてしまいます。

万年筆、、、

万年筆研究会や
万年筆調整の達人の方がいらっしゃたり
スペシャルなニブを販売している
お店もあり
あまりにも奥が深い世界です。

しかもモンブランには
音楽家シリーズや作家シリーズという
恐ろしい物があり
ヘミングウェイモデルなどは20万以上の価格で
取引されています。

ああ、恐ろしい世界。

万年筆の世界はこれくらいで
終わりにしたいな~。
と願っています。