いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

美しいクラシッククラバット

2010-11-03 06:13:49 | タイ
美しいクラシッククラバット。

パーソナルテーラーではシャツをビスポークする時
クラシッククラバットもセットで
オーダーするのが習わしになっています(笑

もちろん、シャツの生地や素材、柄にもよりますが。

今回初めてシャツをビスポークした時
私もクラシッククラバットを一緒に
お願いしました。

ヴィンテージのオックスフォード織りのシルクコットン。
色は美しい水色。
シルクコットンですが質感は限りなくシルクに近く
ドレープ感がとても美しいです。

最近クラシッククラバットを扱っているところは
少なくなりましたが
あったとしてもボリューム感がない物が
ほとんどです。

それは素材もありますが
むしろその作りが
簡素化されてしまったことによると思います。
現代の物は剣先部分は1枚になっていて
ネック部分で袋状にされている物が
ほとんどです。

これに対して
ビスポークのクラシッククラバットは
その作りが精緻で丁寧なのは勿論ですが
剣先まで袋縫いでネック部分は
3重に重ねられています。
(柄物だと柄合わせまで
 正確に行われるのは言うまでもありません。)

これが美しいドレープ感をだしている
秘密のひとつだと思います。


拡大写真

そしてその素材。
今回のシルクコットンもそうですが
今、見つけようとしても失われてしまった素材が
あまりに多い気がします。

合理化され低価格で大量生産
これはひとつの方向ですが
従来の手がかかる物作りが
それによって、駆逐されてしまうのは
寂しい限りです。

これが進化なのでしょうか、、、

さて、これを同じ生地で作った
ドレスシャツに合わせてみると
とてもエレガントだと思います。

ADAMを連想させるような雰囲気。

こういった世界観がビスポークの愉しさの
一つだと思います。


拡大写真

シャツ単体でネクタイを締めれば
ビジネススーツに
クラシッククラバットと合わせれば
エレガントでカジュアルな装いになります。

カジュアルな時のジャケット&トラウザースは?
さて、新たな悩みが増えました(笑




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10 コメント

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進化? (dunsford)
2010-11-04 08:47:42
らみい様
何だか肌触りのよさそうな感じが写真からも伝わってきます。
「合理化され低価格で大量生産」も確かに一つの進化だとは思います。時代の要請に応えて変化したわけですから。
ただ、その進化したものを取り入れるか否かは個人に任されていると思います。
自分の価値観に合わないものは進化を受け入れないという姿勢が必要だと思います。
しかしながら、「合理化され低価格で大量生産」という意味で進化しないものは、
需要減→入手困難→価格高騰→さらなる需要減→市場から駆逐
という流れは必至です。
消費者としては、できるだけ情報を集めて手に入るうちに手に入れるということしか対応策がないのかなと思っています。財布の中身が涼しくはなりますが・・・(笑)
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物づくりの本質 (らみい)
2010-11-04 12:59:53
dunsfordさん こんにちは。

物づくりについては
今後10年でその本質が
変わっていくような気がします。

既にご紹介した傘もそうですし
今回のクラシッククラバットしかり。

すべてそうとは言いませんが
素晴らしい腕の職人さんが
(これは腕だけでなく
 その職人さんの気質も含めて)
かなり年齢が高くなっているので
10年後は世代交代あるいは
その代で終わってしまい
今のクオリティを保てない可能性が
高いと思います。

ビスポークシューズなどは例外で
かなり高度なスキルを持った
職人さんが出現していますが
スーツ作りや傘や紳士用品では
そういった話をあまり聞きません。

こういった物は今後、益々レア化してゆき
益々高くなる。
これはブームとは無関係に
需要と供給の関係で
そうならざるを得ないと思います。

ということで
後の行動はご自身の判断で、、、、
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Unknown (大槻)
2010-11-04 23:36:04
らみいさん、こんばんは。
ふんだんに手仕事の盛り込まれた逸品は服に限らず減る一方で、スムーズな世代交代を望んでみても仰る通り、需給ギャップにより行き過ぎた選別淘汰が進み本当に腕の確かな職人さんも廃業せざるを得なかったり…
ナポリを始めイタリアのサルト達の話等も聞いていて非常に辛いです。
ただ一部の好事家の為にだけ、ではなくもっと一般的になればと思うのですが、かと言って一般に向けて求め易くと言ったデフレーションは職人さんの生活を守る為に不必要かなとも思ったりして、どうしたもんですかねぇ…長々スミマセン
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今の流れは (らみい)
2010-11-05 05:55:23
大槻さん こんにちは

今の流れは基本的に
変わらないでしょうから
ある分野の物作りにおいては
ここ10年で
終わりになってしまうという事も
あると思います。

今回、マフラーやスカーフ
小石丸のタイそして傘
ドレスシャツ
(スーツを作っていると同じ職人さん)を
作っている職人さんのレベルは非常に高いです。
しかし10年後は、、、?

そして素材である小石丸なども
10年後同じ物が手に入るかは
保証の限りではありません。

価格も今は常識的な価格ですので
可能な範囲で入手出来る物は
入手しておこうと思います。

靴のように職人さんブームが起こり
若手の方が色々な分野の職人さんを
目指すと流れが変わるのですが、、、

そう言えば
フランコプリンツィバリも
後継者の方がいないので
物作りをするファクトリーがあっても
そのスタイルをキープすることが
難しいかもしれません。

やはり、これも今のうちに、、、、(笑
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Unknown (えいねん)
2010-11-06 09:40:26
仰る通りかと思いました。10年ほど前、遠山修平氏の「背広のプライド」に収録されたエセーが某誌に連載されていた頃に、目の前が真っ暗になったように感じていました。
その後服飾産業史の調査や大先輩のコレクション(食器・カットラリーから靴含めて)を拝見するに、わしらがケツの青いガキだった70年代後半に世界的に、特にフランスの巨大化したメゾンも含めて、創業時の哲学から離れていった事を確信するに至りました。
ただ、日本の靴職人の事例もあり、今後メイドインジャパンが見直されて行くと同時に、製品の品質も再び上がって行くのではないかと信じております。相変わらず与太が過ぎました。ではでは。
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復権を祈るのみです (らみい)
2010-11-06 23:20:44
えいねんさん こんにちは。
生地の織りについては
世界的に昔織る事が出来た物が
今は織れないという話をよく聞きます。

1)低速の織機がなくなってしまった。
2)技術を持った人がいなくなった。
3)採算が合わないのでやらない。

等、結構老舗のミルでも
織れなくなった生地が増えています。

これがハンドルームになると
もう壊滅的です。

いずれ、その反動で
こういった事が見直され
若手の職人さんが増えると
いいですね。

返信する
割り込み (大槻)
2010-11-07 03:44:56
らみいさん、えいねんさん、申し訳ございません。
大量生産によるデメリットですねぇ…
マスに向けてストレッチが効いて動き易ぃ、シワになりにくい、果ては洗濯機で洗える等デジタル素材が増え、手を掛けず綺麗に着る事が出来るスーツが多いのは結構ですが、果たしてそう言った簡便な物が時間を経ても愛す事が出来るのかと…
だったら自分はワンシーズン、フルで着ても着手に刷り寄って来ない様なゴリゴリの英国ツイードの方がいい。
あと仰る様に、その技術の復権を切に願うのですが、若手職人が増えてもそこに対する需要はごく僅かで、結局その小さなパイの奪い合いになってしまうのかなと思います。
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英国ツイード (らみい)
2010-11-07 05:55:06
大槻さん
英国ツイード良いじゃないですか~
先日のLOVATも素晴らしいツイードが
沢山ありました。

最近バタクハウスカットとかで
ゲージに置かれているような
超ヘビーオンスのツイードとかは
着用したまま寝ても
体に馴染むのは
相当時間がかかりそうです(笑

さて、物作りの話ですが
やはり需要と供給を考えると
色々難しいでしょうかね~。

靴は色々な職人さんが
出てきて嬉しい限りですが
元々靴をビスポークする人は
そんなには多くはないですし
作り手も大量には生産出来ませんから
採算を考えると
やはり厳しい物がありますよね、、、

それでも
やはり良い物作りは
何とか残ってほしいですね。

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Unknown (松久)
2010-11-13 16:50:16
プリンツィバッリの”本物”、今のうちに作っとかないと本当に後悔しますよ。あのリヴェラーノがビスポークの縫製を外注に出している位ですから。山陽商会とビジネスしている時点でちょっとやばい部分がありますが、まだ自分の所で縫っているでしょう(っていうかそう思いたい)。
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プリンツィバリ (らみい)
2010-11-14 06:20:21
松久さん こんにちは
プリンツィバリでビスポークですね~。
いつかはやりたいと思いますが、、、
フランコさんは
今は確か、ひとりでやられているようなことを
前回言っていたような気がします。

次回お会いした時に
状況を確認してみます。

リヴェラーノも
アウトワーカーですか、、、

しかも日本ではカインドウェアが
パターンオーダーを始めしたね。

う~ん
どうなってしまうのでしょう、、、
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