徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界- @東京国立博物館

2019-12-01 | 工芸

人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界- @東京国立博物館
2019年11月6日(水) ~ 2020年2月9日(日)


エジプト文明展、ペルシア文明展、インカ文明展と文明ごとでの展覧会は数多く見てきた。
世界中の紀元前の小品が「人」「神」「自然」とのテーマごとに展示されている。
こういう切り口で展覧会は初めて。

庶民ならばお土産をキュリオケースに並べて愛でるところを、
大金持ちの王子が、世界中から美しい文物を集めて並べてみた。
それがたまたま、紀元前の古代の文物だったということだろうか?

昔、メトロポリタン美術館に行って、西洋絵画はよくわからないが、
古代文明のコーナーで面白い造形のものがないかと探しながら
見るのが好き、といっていた友達を思い出した。

確かに、その造形の面白さや美しさが際立った小品ばかりが
ならんでいると、ひとつひとつゆっくり見ていても見飽きることはない。

「神」の姿や、「動物」の種類や感情は、文明に依ってそれぞれ。
インカの神はなぜ四角なのか、可愛らしい動物の造形は、やはり家畜化が
進んだ後だろうか、などと思ってしまう。

一方、人間として文明に依らない共通的な「人」「神」「自然」に対する
意識が造形となっているなあ、とも感じられる。

117点しかないが、ゆっくりと見て楽しめる展覧会。おすすめ。


----------------------------
>古代の人々は、自分たち自身をどのように表現したのでしょうか。神々や死後の世界、自然界をどのように認識したのでしょうか。古代の美術工芸品には、当時の人々の意識や世界観が投影されています。
>本展覧会は、カタール国の王族であるシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニ殿下が収集されたザ・アール・サーニ・コレクションの中から、世界各地の古代文化が生み出した工芸品117件を厳選してご紹介します。「人」「神」「自然」の3つの展示テーマに沿って古代世界を巡ってみましょう。

>ザ・アールサーニコレクションとは…
>カタール王族のシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニ殿下が収集されたザ・アール・サーニ・コレクションは、その豪華さと多様な地理的・文化的背景を特色としています。古代から近現代までを網羅する傑出した美術品の数々は、人類の創造性のひとつの到達点を示しています。2020年には、パリのコンコルド広場に面したオテル・ドゥ・ラ・マリーンに特設されるミュージアム・スペースでも公開を予定しております。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

六波羅蜜寺 の吉祥天女像

2019-10-14 | 工芸
初めての六波羅蜜寺。宝物館は木造彫刻の宝庫。

教科書にも掲載されている木造空也上人立像。運慶作の地蔵菩薩坐像や定朝作の地蔵菩薩立像、平清盛坐像、運慶坐像、湛慶坐像などが、さりげなく、所狭しと並べられている。

その中で、由緒書きで気になったのが、吉祥天女像。
もともとは足利祈寺の本尊。禅海上人が阿波内侍屋敷跡を寺院に改め万寿山新醍醐寺として崇徳院の御霊を鎮めるために十住心院を建てたが応仁二年に焼失したため、六波羅蜜寺にこの本尊があるという。
京都の歴史を感じ、興味深い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鷺文が可愛い「灰釉葦鷺文三耳壺」と瀬戸茶入 @出光美術館 「六古窯」

2019-06-07 | 工芸
鷺文が可愛い「灰釉葦鷺文三耳壺」と瀬戸茶入 @出光美術館 「六古窯」

六古窯 @出光美術館
2019年4月6日)~6月9日

六古窯について勉強に。とはいえ、大収穫は重文「灰釉葦鷺文三耳壺」(愛知県陶磁美術館)
よくみれば、伸びやかな線刻された葦と鷺の可愛らしいこと。かつて小田原市にあった松永記念館収蔵品であったというのもよくわかる。

出光美術館の瀬戸茶入がずらっと並んでいた。初見かも。


  • 瓷器(しき)系陶器、須恵器(すえき)系陶器、土師器(はじき)系陶器

    平安時代末期(12世紀末)から室町時代(15世紀)の中世のやきものは、瓷器(しき)系陶器、須恵器(すえき)系陶器、土師器(はじき)系陶器の大きく3つの系列に分けるとのこと。

    瓷器系陶器は奈良・平安時代以来、日本で作られていた無釉の白色陶器と高火度焼成の施釉(せゆう)陶器の技術を継承・発展させたもの。中世期に施釉陶器を発達させた瀬戸窯、また壺・甕・擂鉢の三器種を主として焼締め陶器を発展させた常滑窯、信楽窯など。いずれも焼成の最終段階で、酸化炎焼成により表面を赤褐色に焼き上げる。

    一方で、須恵器系陶器は、古代の須恵器の焼成法を継承し、焼成の最後に燻べ焼き還元焔焼成を行い、炭素分を器壁に吸着させ、表面が青灰色になるのが特徴。備前はこの系統。

    この他、800℃前後の野焼きによる素焼きの土師器系がある。

  • 六古窯
    六古窯(瀬戸窯、常滑窯、越前窯、信楽窯、丹波窯、備前窯)とは、昭和30年代に古陶磁学者・小山冨士夫氏により提唱された、中世から絶えることなく焼造活動が行われてきた窯を称する言葉とのこと。


  • 瀬戸茶入など
    伝来をメモしておく。

    75 瀬戸肩衝茶入 銘 響の灘 中興名物 伝来:小堀遠州、土岐丹後守、鴻池家
    76 瀬戸肩衝茶入 銘 暁        伝来:鴻池家
    77 瀬戸肩衝茶入 銘 山内   伝来:土佐山ノ内家、若狭酒井家、井上侯爵
    80 瀬戸大海茶入 銘 置紋  中興名物 伝来:小堀遠州、美濃屋庄次郎、柏木等伯、朽木伊代守、松平左近将監乗邑、土屋相模守、堀田相模守、水戸徳川家
    81 唐物肩衝茶入 銘 道阿弥 大名物・柳営御物 伝来:徳川家康、山岡景友(道阿弥)、・・・
    82 唐物文林茶入 銘 奈良  八幡名物 伝来:中沼左京、松花堂昭乗、・・・益田鈍翁
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    工芸二題 長次郎と山本茜(雁金ガラス)

    2017-03-19 | 工芸
    2017年3月19日 工芸二題 長次郎と山本茜(雁金ガラス)
  • 茶碗の中の宇宙 楽家一子相伝の芸術 @東京国立近代美術館

    15代吉右衛門の工芸として茶碗がメインの展覧会。とはいえ、様々な風合いの長次郎の茶碗が13点。どうして、この銘という雰囲気が味わえた。

    黒楽茶碗 大黒(千利休所持)、万代屋黒(楽美術館、千利休所持)、禿(表千家不審庵、千利休所持)、コシロヒキ(裏千家不審庵、千利休所持)、面影(楽美術館)、大夫黒(北村美術館)、本覚坊(千利休所持)
    黒楽筒茶碗 杵オレ(楽美術館)
    赤楽茶碗 無一物(穎川美術館)、白鷺(裏千家今日庵)、太郎坊(裏千家今日庵、千利休所持)、次郎坊、一文字(千利休所持)

  • 工芸の現在 第2回菊池寛実賞 -菊池寛実記念 智美術館

    山本 茜氏の截金ガラスを初めて見る。。ガラスの色・形と截金のを組合せの妙。高島屋での個展ではあっという間に売り切れてしまう人気作家というのも得心。

  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    ルーブル美術館展 地中海 四千年のものがたり

    2013-08-13 | 工芸
    ルーブル美術館展 地中海 四千年のものがたり
    @東京都美術館

    今年のメトロポリタン美術館展は一寸楽しめなかった。ルーブル美術館展もかと思いきや、これは多くのブロガーの方に共通で、大変良かった展覧会。

    「アルテミス、通称 ギャビーのディアナ」は勿論素晴らしかったですが、それに至るまで十分楽しめます。丁寧な解説と選ばれた文化財がなせる業です。

    「ソース入れ」や「女性をかたどったスプーン」のシンプルだが洗練された造形。
    「ローマの石棺:人間の創造とその伝説をあらわすティタン族のプロメテウス伝説」のリリーフの素晴らしさ。
    「イルカと遊ぶキューピッドのモザイク」の愛らしさ。
    「聖ジョスの骸布」は象の文様。
    コローの「ハイディ」

    などが印象に特に残った。

    2013年8月13日
    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    Namur et Liège

    2012-08-18 | 工芸
    Namur 
  • -土曜日のためか市が立っていた

  • ナミュール古典美術館Musée des Arts Anciens du Namurois
    - Trésor d'Hugo d'Oignies-Institut des soeurs de Notre-Dame。13世紀初頭の修道士金工師だったユゴーが制作した福音書カバー、聖餐杯、聖遺物箱などの秘宝。「ベルギー七つの傑作」の一つ。素晴らしかった。

    Liège
  • リエージュ・ギマン駅Gare de Liège-Guillemins
    近代的な造形の屋根

  • ペロンの噴水Perron

  • Restaurant “As Ouhès”; Liège名物Meetballを頂く

  • ビューラン山Montagne de Bueren
    -373の階段を登れば絶景。

  • ワロン民族博物館 Musée de la Vie wallone
    - 建物は13世紀のフランシスコ会修道院、昔からのワロン地方の風習や、かつて炭坑地帯として栄えたワロン地方の生活など、様々なテーマについて展示品とともに紹介

  • 聖バルテルミー教会Eglise St-Barthélemy
    - レニエ・ド・ユイが12世紀に制作した真鍮製の洗礼盤を拝見。「ベルギー7つの傑作」の一つ。レニエ・ド・ユイはHuy出身。NamurからLiègeの途中のHuyでは原発が建っているのが車窓から見えた。
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    ベルリン国立美術館展と契丹

    2012-07-15 | 工芸
    7月15日
  • #34「ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年」@国立西洋美術館

    ベルリン国立美術館彫刻コレクションが良かった。あとは、楽しいが特別という作品はなかったようだ。フェルメールで予算を使い果たした?

    ーーー
    エルコレ・デ・ロベルティ《洗礼者聖ヨハネ》1480年頃 
    ティルマン・リーメンシュナイダー《龍を退治する馬上の聖ゲオルギウス》1490年頃 

    ベルナルディーノ・ピントゥリッキオ《聖母子と聖ヒエロニムス》1490 年頃 
    ドナテッロの工房《聖母子とふたりのケルビム》1460 年頃 
    ルーカ・デッラ・ロッビア《聖母子》1450 年頃 

    アルブレヒト・デューラー《ヤーコプ・ムッフェルの肖像》1526年 
    ルーカス・クラーナハ(父)の工房《マルティン・ルターの肖像》1533年頃 
    .
    ルーカス・クラーナハ(父)《ルクレティア》1533年 

    .
    ディエゴ・ベラスケス《3人の音楽家》1616-1620年頃 
    ルーカ・ジョルダーノ《エウクレイデス》1650–1653年頃 
    ルーカ・ジョルダーノ《アルキメデス》1650–1653年頃 
    レンブラント派《黄金の兜の男》1650–1655年頃
    ヨハネス・フェルメール《真珠の首飾りの少女》1662-1665年頃 
    ヤーコプ・ファン・ロイスダール《滝》1670-1680年頃

    ジャン=アントワーヌ・ウードン《エビと魚のある静物》 1777年頃 
    ジャン=バティスト=シメオン・シャルダン《死んだ雉と獲物袋》 1760年 
    ジョゼフ・シナール 《ジュリエット・レカミエ夫人の胸像》1802–1803 年頃

  • #35 日中国交正常化40周年記念 特別展
    「草原の王朝 契丹 ―美しき3人のプリンセス―」
    @東京藝術大学大学美術館

    トルキ山古墳の彩色木棺は、保存状態も良く見ごたえがあった。
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    表慶館 アジアギャラリー

    2009-09-20 | 工芸
    表慶館 アジアギャラリー
    2009年8月4日から2010年1月31日
    東京国立博物館

     東洋館が工事で休館となり、2009年8月4日(火)より、表慶館(アジアギャラリー)で東洋の彫刻・工芸・考古遺物を展示されている。はじめて覘いてみたが、いままでの東洋館の展示と違って、精選された文物がライトアップされて展示されているので、思わず見入ってしまった。


    第1室 中国考古
     饕餮紋ホウ(とうてつもんほう)がライトアップされる。表面の凹凸の影が強調され、何度も見ているはずだが、ギャラリーの名に相応しい。甲骨文にもライトのため、思わず目がいく。

    第1室 中国彫刻 
     如来三尊仏龕が1点。

    第2室 中国工芸
     横河民輔氏寄贈作品より、東晋時代から清時代までの中国陶磁器の代表作品を展示する。どれも優品ばかりで目移りしてしまう。リストしておこう。ただこのコーナーは照度不足。もう少し明るくてもいいと思う。重文 三彩龍耳瓶は、三彩をこの夏は優品を多く鑑賞したので見比べる。

  • 青磁四耳壺 1口 古越州窯 東晋時代・4世紀 TG-2056
  • 青磁蓮弁文盤 1枚 南朝時代・5~6世紀 TG-2110
  • 重文 白磁鳳首瓶 1口 唐時代・7世紀 TG-645
  • 重文 三彩龍耳瓶 1口 唐時代・8世紀 TG-647

  • 白磁蓮花文皿 1枚 定窯 北宋時代・11~12世紀 TG-736
  • 青磁唐草文水注 1口 耀州窯 伝朝鮮出土 北宋時代・11世紀 TG-1247
  • 白釉刻花唐草文水注 1口 磁州窯 北宋時代・10~11世紀 TG-766
  • 白磁牡丹文輪花鉢 1口 北宋~南宋時代・11~12世紀 TG-1244
  • 重文 青磁輪花鉢 1口 南宋官窯 南宋時代・12~13世紀 TG-1234
  • 白釉黒地白花牡丹文枕 1個 磁州窯 北宋時代・12世紀 TG-2003

  • 素三彩瑞果文皿 1枚 景徳鎮窯 清時代・康煕年間(1662~1722年) TG-1082
  • 重文 粉彩梅樹文皿 1枚 清時代・雍正年間(1723~35年) TG-1333
  • 豆彩瓜蝠文皿 1枚 景徳鎮窯 清時代・雍正年間(1723~35年) TG-1004-1
  • 藍釉粉彩桃樹文瓶 1口 景徳鎮窯 清時代・18世紀 TG-1019
  • 紅釉瓶 1口 景徳鎮窯 清時代・乾隆年間(1736~95年) TG-1052
  • 白磁印花蓮花文鉢 1口 景徳鎮窯 元時代・14世紀 TG-731-1

  • 豆彩龍文壺 1口 景徳鎮窯 明時代・成化年間(1465~87年) TG-1002
  • 黄地緑彩人物文鉢 1口 景徳鎮窯 明時代・嘉靖年間(1522~66年) TG-951
  • 五彩花鳥文方壺 1口 景徳鎮窯 明時代・隆慶年間(1567~72年) TG-906
  • 五彩龍鳳文面盆 1口 景徳鎮窯 明時代・万暦年間(1573~1620年) TG-909


    第7室 西アジア・エジプトの考古と美術
    第8室 インド・ガンダーラ彫刻
    第8室 東南アジア彫刻

     東博にも、こんなものがあったのか、と思わせる展示。いつもはあまりに多く展示されていて、見過ごしてしまうのだが、単純にこれくらいに絞られると、考古学的に価値があるというよりは、逸品のみが展示されていて、ただ美しく、楽しく鑑賞できる。


    第9室 朝鮮考古
     最近三国時代に興味があるので、加耶という文字を見つけたり、太環式耳飾(たいかんしきみみかざり) (新羅)の金の耳飾などに古代に思いをはせる。
    第9室 朝鮮工芸

  • 青磁蓮花文瓜形瓶 1口 高麗時代・12世紀 TG-46
  • 青磁透彫唐草文箱 1合 高麗時代・12世紀 TG-2208
  • 青磁象嵌梅竹蒲柳水禽文瓶 1口 高麗時代・12~13世紀 TG-2171
  • 粉青線刻魚文双耳鉢 1口 朝鮮時代・15~16世紀 TG-178
  • 鉄砂草文壺 1口 朝鮮時代・17世紀 横河民輔氏寄贈 TG-2125
     の5点のみ、ちょっとこれは物足りないが、青磁象嵌梅竹蒲柳水禽文瓶はすばらしい。

    今回の気合の入った展示は、2010/1/31までのようだ。



    企画展示  特集陳列「中国書画精華」本館特別1室・特別2室も開催中。
    前期:2009年9月15日(火)~10月12日(月・祝)
    後期:2009年10月14日(水)~11月8日(日)

    後期には、見たいと思っていた
    国宝 夏景山水図 1幅 伝胡直夫筆 南宋時代・13世紀 山梨・久遠寺蔵
    が展示される。楽しみ。

    工芸  特集陳列「中国漆工」 14室 2009/8/25~2009/10/18 も展示中。
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    所蔵作品展「近代日本の美術」 @東京国立近代美術館

    2009-05-23 | 工芸
    所蔵作品展「近代日本の美術」@ 東京国立近代美術館

    平成20年度第5回所蔵作品展「近代日本の美術」 
    2009年3月14日(土)ー6月7日(日)
    東京国立近代美術館

    目にとまった作品
     下村観山 大原御幸 1908

     伊東深水 対鏡(ついかがみ) 1916 木版(多色)
     伊東深水 春 1917 木版(多色)
     橋口五葉 温泉宿 1920 木版(多色)

     平櫛田中 鶴氅(かくしょう) 1942

     北脇昇─思考のプロセス
     特集 細江英公「薔薇刑」11点
     特集 ガラスの叙情 に 長谷川潔が数点

     北脇の数学的な思考、細江のラディカルな作品、線の厳しい長谷川潔に目が行った。

    木に潜むもの@東京国立近代美術館
     橋本平八 幼児表情 (1931)他
     岡村桂三郎 玄武 1992
     岡村桂三郎 黄象 2005
     岡村桂三郎 黄象 2005

     岡村桂三郎《白象図》1989年

     橋本平八は、
    「芸大コレクション展 春の名品選」にて 裸形の少年像 1927 など数点を
    「日本の美術館名品展」にて猫A 1922 (三重県美)
    を観賞して注目していたところ。木の質感がアニミズム的でいい。

    P.S.
    「国の花,華やぐ」(第三期)@三の丸尚蔵館

    結局第二期の「国之華」池上秀畝 を見逃した。「四季草花図」 児玉希望 六曲一双 (昭和11年)が秀逸。
    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    japan 蒔絵 ―宮殿を飾る 東洋の燦めき―

    2009-01-17 | 工芸
    japan 蒔絵 ―宮殿を飾る 東洋の燦めき―
    2008年12月23日~2009年1月26日
    サントリー美術館

    第1章 中世までの日本の蒔絵
    1 国宝 宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱 一合 平安時代、延喜19年(919) 仁和寺 (前期)http://www.kyohaku.go.jp/jp/syuzou/menu/urusi/meihin/urusi/item05.html 延喜19年(919)『三十帖冊子』が叡覧に供された際、この箱が下賜されたと寺伝にはいう。
    3 国宝 宝相華蒔絵経箱 一合平安時代、11世紀末~ 12世紀初頭 延暦寺 (後期)画像は、http://www.kyukoku.or.jp/topics/detail.php?id=00000149
    11 国宝 松椿蒔絵手箱および内容品(熊野速玉大社の摂社である阿須賀神社伝来古神宝類のうち 足利義満の奉納) 一具南北朝時代、明徳元年(1390)頃 京都国立博物館 http://www.k-gallery.net/cgi-bin/commentary_jp.cgi?&kubun=I_&limit_no=1&display_no=6&mz_synm=0000005808
    11 重文塩山蒔絵硯箱 一合室町時代、15世紀 京都国立博物館 http://www.kyohaku.go.jp/jp/syuzou/menu/urusi/meihin/urusi/item02.html

    東博に毎月通っていると、蒔絵の優品はかなり拝見することができる。
    たとえば、今月も、
    重文 菩薩十六善神蒔絵中蓋及び蓮池蒔絵経箱 1具 平安時代・安元元年(1175) 愛知・七寺蔵
    国宝 梅蒔絵手箱及び内容品 1具 鎌倉時代・13世紀 静岡・三嶋大社蔵
    など東博の所蔵品でないものも拝見できる。ただ京都にあるものは今回と思って拝見。仁和寺の国宝 宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱は素晴らしかった。

    ほとんどこれだけを目当てにいったが、第2章の-高台寺蒔絵-はともかく、これ以降も西洋へ渡ったものも意外に面白かった。

    第3章 大航海時代が生み出した蒔絵 -南蛮漆器-
    36 IHS椿蒔絵螺鈿聖餅箱一合桃山時代、16世紀末~ 17世紀初頭京都国立博物館
    40 花鳥蒔絵螺鈿聖龕(三位一体像) 一基桃山時代、16世紀末~ 17世紀初頭京都国立博物館
    60 IHS木彫彩色箔押書見台一基インド、17世紀九州国立博物館
    などの南蛮漆器は面白い。南蛮漆器は、すきまなく蒔絵と螺鈿で器面を埋め尽くしている様式。長崎での昨秋の旅行にひきつづき、南蛮文化を楽しんだ。

    第4章 絶対王政の宮殿を飾った蒔絵 -紅毛漆器-
    黒漆の余白を生かした絵画的表現の蒔絵のスタイルを紅毛漆器という。

    77 ファン・ディーメンの箱 一合 江戸時代、1636-39年 ヴィクトリア&アルバート美術館
    78 マザラン公爵家の櫃 一合 江戸時代、1640年頃 ヴィクトリア&アルバート美術館
    特に後者の立派なことは驚き。国宝級です。

    84 楼閣山水蒔絵書き物机
    ベルナール・ヴァン・リザンブール2世作 一基
    蒔絵パネル:江戸時代、17世紀後半、机:フランス、1750年頃;
    ロスチャイルド・ファミリー・トラストワデスドン・マナー

    85 楼閣山水蒔絵コモド
    推定ベルナール・ヴァン・リザンブール2世作 一基
    蒔絵パネル:江戸時代、17世紀末 
    コモド:フランス、1755-58年頃
    ヴィクトリア&アルバート美術館

    この2点は、蒔絵パネルを利用して作成したバロックやロココ様式の家具。欧州のセンスです。

    第5章 蒔絵の流行と東洋趣味
    117 漆の間のあるドールハウス一基蒔絵パネル:江戸時代、17世紀末~ 18世紀
    ドールハウス:ドイツ、18世紀末~ 19世紀初頭ゴータ・フリーデンシュタイン城美術館

    ドールハウスはいつ見ても楽しい。

    第6章 王侯のコレクションと京の店先
    マリー・アントワネットのjapanの小箱のコレクションが、ヴェルサイユ宮殿美術館、ギメ東洋美術館から、さらに
    ザクセン公アウグスト強王ゆかりの宮殿(ゴータ・フリーデンシュタイン城美術館)、
    スウェーデン王室、
    イギリス貴族の館バーリーハウス
    のコレクションが並んだ。香道具が多かったようだが、日本にほとんど残っていない、タイムカプセルのようにヨーロッパで大切に伝えられてきた貴重な小品とのこと。

    (前期)3日
    (中期)未見
    (後期)17日
    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする