徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

7月の記録

2007-07-31 | 美術(Index)
7月の記録

1日  中国・青磁のきらめき ―水色から青、緑色の世界―@静嘉堂文庫美術館(終了)
1日  青山二郎の眼 展@世田谷美術館
(8/19まで)

8日  プラハ国立美術館展@Bunkamuraザ・ミュージアム(終了)
8日  開館20周年記念戸栗美術館名品展Ⅱ -中国・朝鮮陶磁-@戸栗美術館(9/24まで)

14日  金刀比羅宮 書院の美 ― 応挙・若冲・岸岱 ―@東京藝術大学大学美術館(9/9まで)
14日  歌川広重《名所江戸百景》のすべて(9/9まで)
14日  東京国立博物館 常設展
     絵画
14日  大谷コレクション肉筆浮世絵 美の競演-珠玉の浮世絵美人@ニューオータニ美術館(前期終了、後期は8/19まで)

18日  The Masterpieces 国立博物館アムステルダム Rijksmuseum Amsterdam
     その1(レンブラント他)その2(フェルメール、ヤン・ステーン)
20日 マウリッツハイス美術館
     フェルメールレンブラントヤン・ステーン
20日 ファン・ゴッホ美術館 Van Gogh Museum
     常設展 
     Max Beckmann in Amsterdam, 1937-1947     

26日 開館記念展Ⅱ 水といきる(中期)@サントリー美術館(7/9まで、中期 7/11から7/30 後期 8/1から8/19)
28日 シャガール展 Marc Chagall @千葉市美術館(終了)

その他の記事
21日  Maurice Denisのシャンゼリゼ劇場の天井画@NHKハイビジョン



映画の記録は、こちら
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マウリッツハイス美術館(ヤン・ステーン)

2007-07-27 | 絵画
マウリッツハイス美術館(ヤン・ステーン)

マウリッツハイス美術館 13室
ヤン・ステーンJan Steen
  • Jan Steen, Girl eating oysters c.1658-1660 inv. 818; ヤン・ステーンのこの小品。コケティッシュな少女がこちらを向いている。赤い服が刺戟的。牡蠣を食べるにはエロティックな含意があったとのこと。
  • Jan Steen, The life of man c.1665, inv.170
  • Jan Steen, ‘The way you hear it, is the way you sing it', c.1665, inv. 742; 諺‘as the old sing, so pipe the young’ (soo voer gesongen, soo na gepepen)を描いている。ステーンらしい陽気な世界。家族がモデル。
  • Jan Steen, The doctor's visit, c.1660-1662, inv.168,
  • Jan Steen,‘A pig belongs in the sty', c.1674-1678, inv.736
  • Jan Steen, 'The sick girl', c.1660-1662, inv.167
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    マウリッツハイス美術館(レンブラント)

    2007-07-25 | 絵画
    マウリッツハイス美術館(レンブラント)

    マウリッツハイス美術館 9室、10室
    レンブラント Rembrandt van Rijn

    マウリッツハイス美術館の4大傑作のひとつ「トゥルプ博士の解剖学講義」 The anatomy lesson of Dr Nicolaes Tulp, 1632, inv 146 は、なんとロンドン、ナショナルギャラリーに貸し出し中。残念。

    今回は、 国立博物館アムステルダム、マウリッツハイス美術館を訪問するつもりで、書籍を購入し多少は予習した。そんなわけで音声ガイドは充実していなかったが、楽しめた。

    アムステルダムに移住(1632)する前の光と影を意識した作品たち
  • Rembrandt van Rijn, キリスト神殿奉献 Simeon's song of praise, 1631 inv 145
  • Rembrandt van Rijn, 崖につながれたアンドロメダ Andromeda, c.1630, Inv707
  • Rembrandt van Rijn, Bust of an old man with turban, 1627-28, Private Collection, (Inv 148)
  • Rembrandt van Rijn, Portrait of Aeltje Ulykenburgh, 1632, Private Collection

  • Rembrandt van Rijn, 'Tronie' of a man with a feathered beret, c.1635, Inv 149
  • Rembrandt van Rijn, Susanna, 1636, inv 147

    豪邸が競売にかけられた1658年以降の作品、後者の二点はティツィアーノの影響を受けたタッチ。
  • Rembrandt van Rijn, 二人のアフリカ人 Two moors, 1661, Inv 685;異国趣味の作品
  • Rembrandt van Rijn, ホメロス Homer, 1663, inv 584;元は大型の作品だったが火事でこの部分だけが残ったという。
  • Rembrandt van Rijn, 最後の自画像 Self-portrait, 1669, inv 840 ;年は老いたが最後まで自信を持った表情。すごい。1669年の署名がある。



    レンブラントの記録
  • The Masterpieces その1(レンブラント他) 国立博物館アムステルダム
  • Das Staedel Musuem Frankfurt 目をつぶされるサムソン, 1636 動きのあるダイナミックな作品。
  • Gemaldegalerie 絵画館(3) 17c.フランドル・オランダ絵画
    ウフィツィ美術館は未記録。

    など、アルテ・ピナコテーク、The METなどではレンブラントまで鑑賞しないうちに体力切れになってあまり覚えがない。エルミタージュ美術館、ロンドン・ナショナルギャラリー、ドレスデン国立美術館(「ガニュメデスの誘惑」は来日した)には、多く収蔵されているようだ。



    レンブラント―光と影を操る者
    ステファノ・ズッフィ
    昭文社

    このアイテムの詳細を見る


  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    フェルメール「デルフトの眺望」と「真珠の耳飾りの少女」

    2007-07-23 | 絵画
    フェルメール「デルフトの眺望」と「真珠の耳飾りの少女」
    Johannes Vermeer - View on Delft, 1660-61
    Johannes Vermeer - Girl with a pearl earring, 1665
    Johannes Vermeer - Diana and her nymphs, c.1653-1654

    王立絵画ギャラリー・マウリッツハウス Royal Picture Gallery Mausritsuhuis,

    日本人の観光客のなかには、他の絵画は判らないので、フェルメールのところに直行という方もいたようですが、一室一室とめぐって13室にてフェルメールにて対峙しました。

    デルフトの眺望 View on Delft, 1660-61, Inv 92, 画像

    マウリッツハイス美術館、第12室の最後から二つめの作品、ハルスのFrans Hals - Laughing boy(画像)の不気味な笑い顔の向こうに、第13室「デルフトの眺望」がのぞく。意外に大きなキャンバス、96.5 x 115.7 cm。他の小さなフェルメール作品に較べると普通のサイズ。正面に立つ。明るい光るような画面。白い雲、細かく輝く水面。そして明るい日差しの下の川岸。川の向こうの新教会に日が射している。これほど屋外の光線を匠に描いた画家は見たことがない。スーラにはここまで細かく光線は描けなかった。スーラの200年以上も前に、超点描派といった繊細さで光を捉えている。建物の表面はあくまでの荒く、水面や空はあくまでも滑らかなグラデーションで仕上げられている。その微妙な差が完璧な風景画を形成している。いつまで見ていても飽きない。

    真珠の耳飾りの少女, Girl with a pearl earring, 1665, Inv 670, 画像

    一方、第13室に足を踏み入れる謎の視線を送ってくるのが「真珠の耳飾りの少女」。振り返るようにこちらを見つめている。画像で拝見していたよりも、淡い色ありのブルー、ターバン。その淡い色合いが明るくやさしく感動的。近寄ってみれば、真珠に射す光線、唇のピンクに光る部分。1994年に表面の黄ばみをとるなど修復をしたとのこと。
    肖像画ではなく、モデルを使って描くが架空の人物をえがくTRONIEと呼ばれる形式に属するとのこと。またこの作品の前のオーナーDes Tombe氏は1881年に2.30ギルダーで手に入れたとのこと。これには驚いた。

    Diana and her nymphs, c.1653-1654, Inv 406, 画像
    こちらはフェルメールにしては珍しく神話を題材にした作品。

    この2年ほど鑑賞してきたいくつかのフェルメールの作品を鑑賞してきた。(まだまだですが)その中では「デルフトの眺望」と「真珠の耳飾りの少女」は群を抜く傑作。やはりこの2点があるから絵画史上フェルメールは評価されているのでしょう。感動で涙がでるほどです。(20日)
    コメント (1)
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    Maurice Denisのシャンゼリゼ劇場の天井画

    2007-07-22 | 絵画
    Maurice Denisのシャンゼリゼ劇場の天井画

    NHKハイビジョンで「ダンスの冒険者~ローラン・プティ」(21日20:00-20:55)という番組を垣間見ていた。(日本対オーストラリアのサッカーの裏番組)バレエの振付で有名なローラン・プティ。82歳で矍鑠として姿勢もいいなあ。そして、ふと写ったのがパリのThéatre des Champs-Elyséesの内部。ローラン・プティが、「旅芸人」(1945)を上演した劇場として回顧するシーン。1912年にAuguste Perret(Le Corbusierの師)(Wikipedia)の設計によるアールデコ調の内部。そのホールの天井はMaurice Denisではないでしょうか。オルセーで開催されていたMaurice Denis展(記録はこちら)でもらってきたパンフレットをみるとキチンと紹介されていました。(ただしフランス語なのでよくわかりませんが)Maurice Denis à Paris として、パリでMaurice Denisのインテリアが見れる場所が3箇所が掲載されています。
  • Théatre des Champs-Elysées: Histoire de la musique, 1912 シャンゼリゼ劇場
  • Petit Palais, Musée des Beaux-Arts de la Ville de Paris: Histoire de l'art français 1925
  • Église du Saint-Esprit, Paris 75012: La Pentecôte, 1934 (リンク、写真有り) http://www.st-esprit.org
    パリに行くときに立ち寄ることを計画したいものです。
    パンフレットにはこのほか、サン=ジェルマン=アン=レーにあるモーリス・ドニ美術館や地方の教会も紹介されています。
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    The Masterpieces その2(フェルメール、ヤン・ステーン)

    2007-07-21 | 絵画
    The Masterpiece その2(フェルメール、ヤン・ステーン)
    国立博物館アムステルダム Rijksmuseum Amsterdam
    http://www.rijksmuseum.nl/

    さて、次はフェルメール Johannes Vermeer4点。
  • 牛乳をそそぐ女 The Kitchen Maid, c.1658, 画像リンク
  • 「小路」、デルフトの家並 View of Houses in Delft, known as 'The Little Street', c. 1658 画像リンク
  • 手紙を読む女Woman Reading a Letter, c.1662-63, 画像リンク
  • The Love Letter, c.1669-70 画像リンク
    東京にThe Kitchen Maidが来日しても、きっとまじまじとは見られませんが、ここではじっくりと鑑賞できます。'The Little Street'はちょっと毛色が変わっていて風景画。この作品にも女性が描かれていますが、レンガの描きっぷりとか真に迫っています。

    そして、ヤン・ステーン
  • オレンジ公の日,Prince's Day 1660-70,;画像リンク
    こちらは1階に展示

  • Self Portrait, c. 1670 画像リンク
  • Leiden Baker Arend Oostwaert and His Wife Catharina Keyzerswaert, c. 1658, パン屋さんの肖像画  画像リンク
  • 身じたくする女Woman at her Toilet, c. 1661-65, 行儀の悪い女性  画像リンク
  • 聖ニコラスの祝日 The Feast of St Nicholas, c. 1663-65   画像リンク クリスマスにはお行儀よくしていないとプレゼントの代わりに鞭がくる。
  • Children Teaching a Cat to Dance, known as 'The Dancing Lesson' c. 1665-68 画像リンク
  • Interior with a woman feeding a parrot, aka "Parrrot Cage", SK-A-386,
  • 愉快な家族, The Merry Family 1668 ;(老人が歌うと、若者が笛を吹く) 画像リンク

    ヤン・ステーンって今の我々が見ても何となくおかしいのですから、当時はもっと辛らつだったでしょう。
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    The Masterpieces その1(レンブラント他)

    2007-07-20 | 美術
    The Masterpieces その1(レンブラント他)
    国立博物館アムステルダム Rijksmuseum Amsterdam
    (アムステルダム国立美術館)
    http://www.rijksmuseum.nl/

    アムステルダム国立博物館の本館は2009年末まで改装工事のため閉館中です。この期間中、国立博物館のフィリップス棟で「ザ・マスターピース展」が開催されています。美しいドールハウス、贅沢な銀製品、最高級のデルフト焼陶器、オランダの歴史を彩る見事な品々、そしてもちろん有名なレンブラント、フェルメール、フランス・ハルス、ヤン・ステーンの絵画など、オランダ黄金時代のハイライト作品400点以上が鑑賞できます。

    入場料は10ユーロ。音声ガイドとカラーで141ページもある解説書は現在あわせて7.5ユーロ。ユーロ高ということを除けば安い!

    さて、このオランダ観光局の文章。まったく適切でした。フィリップス棟の一階は、オランダの栄光といった展示。二階は、絵画マスターピース。レンブラント、フェルメール、フランス・ハルス、ヤン・ステーンが並びます。

    この展示の冒頭を飾るのはバルトロメウス・ファン・デル・ヘルスとの横幅5.5メートルの肖像画「ミュンスターの講和を祝うアムステルダム市警団の宴会」。1648年5月15日に結ばれたミュンスター講和条約(ヴェストファーレン条約(ドイツ語:Westfälischer Friede)とは、三十年戦争の講和条約で、ミュンスター条約とオスナブリュック条約の総称である。日本ではヴェストファーレンのラテン語読みからウェストファリア条約とも呼ばれる。)でスペインとの80年戦争の終結、オランダ共和国は公式に独立。それを祝う。人々の立派な服装が目を引く。当時は、夜警より評価が高かったとのこと。画像リンク

    そして東インド会社VOCの活躍などが描かれます。

    Frans Postの描いたブラジルの風景、Views of Olinda, Brazilもありました。Frans Postの絵画をルーブルで見て(こちら)、見ることはないかと思っていましたが、再会です。歴史的には、「1648年で国境線が確立すると、1651年以降、北海の商業航路をかけて、イギリスとの覇権争いがおこる。その敗北の結果、オランダは政策を変更。ブラジルの開拓地から手を引き、東洋の航路の確保するためにケープタウンを建設した。」(この文章はART BOOKレンブラントP94の要約です)すなわち、Frans Postの描いたブラジルの風景は、17世紀前半のオランダ開拓地の風景ということになります。

    そして、2階に移ってレンブラント、展示されていたのは下記の作品。弟子の作品も展示されているのですが、やはりうまいですね。単なる描写でないところが(当時としては)斬新だった、ユダヤの花嫁などに見られるティツィアーノの影響とゴッホが感動した絵の具の塊、、ティティトウスを失った悲しみ、そして夜警の大画面、その画面の少女のベルトの死んだ鳥など、解説聞きながら楽しみました。
     
    http://www.rijksmuseum.nl/aria/aria_artists/00016943?lang=en

  • エルサレムの破壊を悲しむエレミア, 1630 画像リンク
  • Tobit and Anna with Kid, 1626 画像リンク
  • 自画像, 1628 画像リンク
  • 女預言者アンナに扮した画家の母親, 1631 画像リンク
  • マリア・トリップの肖像,1639 画像リンク
  • ヨハネス・ウテン・ボハールトの肖像, 1633 画像リンク

  • Dr Ephraim Bueno, Jewish Physician and Writer, 1647, SK-A-3982 画像リンク
  • The Stone Bridge, 1638, SK-A-1935 画像リンク
  • Portrait of Haesje van Cleyburgh, 1634 画像リンク

  • カプティン派修道士の姿をしたティトウス Titus van Rijn possibly as St.Francis of Assisi, 1660 画像リンク
  • ユダヤの花嫁、Issac and Rebecca, aka The Jeweish bride 画像リンク

  • 夜警Night Watch, 1642 画像リンク
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    アムステルダム カナル・クルーズ

    2007-07-19 | 日記
    昨晩のディナーは、カナル・クルーズ。アムステルダムの運河を二周。メインの広い運河や、狭い支線のような運河、どうやってこんなところを曲がれるのかというところも通る。美しいファサードのホテル、教会、帆船、風車、船が通過して跳ねている跳ね橋。小さなボートを出してカナルを楽しむ家族やグループにもすれ違う。ボートの外の風は、すこし潮の香り。でも何といっても、どこまでいっても続く、茶色のレンガのファサードの街並と緑の木々がコントラストがシンプルに美しい。ネオン街は、街全体からすればほんの少し。22時になって、橋の電飾も点灯。クルーズも終わった。

      
      
      
      
      
    コメント (2)
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    金刀比羅宮 書院の美 ― 応挙・若冲・岸岱 ―

    2007-07-19 | 絵画
    金刀比羅宮 書院の美 ― 応挙・若冲・岸岱 ―
    2007年7月7日から9月9日
    東京藝術大学大学美術館

    表記を訪れました。2004年の「平成の大遷座祭」を記念した展覧会「金刀比羅宮のすべて」では、国の重要文化財に指定されている表書院と奥書院の障壁画が公開されたようですが、それを見にはいっていません、今回少しでも垣間見れて楽しめました。

    何といっても、書院の美が再現されています。何とそのままの配置で会場に襖が並べられているのです。これはすごいことです。でも畳がありません。雰囲気が失われるますが、すこし作品を持ち上げてあるので、腰をかがめずとも、ちょうど目線は襖絵鑑賞にちょうどよくなります。さらにいえば、実際の書院だと、廊下から遠くを眺めるだけで近づけないことも多いのですが、ここでは近づいて鑑賞することができたのも嬉しい限り。展覧会「金刀比羅宮のすべて」ではどうだったかわかりませんが。

    円山応挙の表書院 虎の間「遊虎図」(1787)。東、北、西の三方を囲む襖16面に様々な姿態の虎を8頭描いていた。しかし、東面の川面に顔を寄せて「水呑みの虎」の睨み合う様はなかなかリアル。逆に言うと他の虎は猫のようであったり、「八方睨みの虎」であったり。我々は虎は怖いという感覚しか持たないのですが、応挙はやはり虎を見たことがなかったのでしょうか?画帳で虎を眺めて描けば、性質も猫の仲間と勘違いしたんでしょうか。同じく、円山応挙の表書院の鶴の間(1787)、七賢の間(1794)に挟まれて配置されているが、やはり虎の間「水呑みの虎」でしょう。

    岸岱(1785-1865)。奥書院の柳の間には「水辺柳樹白鷺図」(1844)のほか、春の間、菖蒲の間と展示されています。「群鳥図」は複製でしたが、装飾的な背景、ダイナミックな動きを捉えた鳥など、楽しめました。

    伊藤若冲の「花丸図」(1764)。複製も含めて、部屋の四周を取り囲むあらゆる壁面を切花で埋め尽くした様子が体感できます。さらに本物の若冲にガラス越しではありますが、10センチのところで鑑賞できる。すごいですね。拍手。ガラスケース越しに遠くから眺めるとはずいぶん違います。印刷した若冲も、質感を除けば、本物に限りなく近い。この技術にも目を見張りました。

    地下2階に移ると、絵馬が展示されています。谷文晁、菊池容斎、月岡芳年、松本楓湖などの名前が並びます。鈴木梅鶏の絵馬・牡丹孔雀図(寛政三年1791)。谷文晁 絵馬・羅陵王図(天保3年 1832)など、すでに絵馬は風雨のためか、色はかなり失われていましたが、扁額縮図(文久年間1861-1864)紙本着色に当時の色彩感覚が再現されています。

    (14日)
    コメント (2)
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    The Last Mimzy (2007) 他 (映画)

    2007-07-18 | Review
    飛行機の中で見た映画三本。The Last Mimzyがお勧めですが、日本での公開はかなり先のようで。

    The Number 23 (2007)@JL411
    Director: Joel Schumacher
    Starring: Jim Carrey, Virginia Madsen

    人の染色体は23対。シーザは23回刺された。などなど23はマジックナンバー。その23という数字の魔術に狂わされた主人公フィンガリングの人生について描く。最後に、旧約聖書の民数記Numbers 32:23 Be Sure Your Sin Will Find You Outが引用される。
    imdb

    300 スリーハンドレッド(2006)@JL411
    Director: Zack Snyder
    Starring: Gerard Butler, Lena Headey

    紀元前480年、テルモピュライの戦い。King Xerxesの帝国ペルシアに攻め込まれたスパルタ王レオニダスは、わずか300人の精鋭を率いて大群を迎え撃つ。フランク・ミラーの人気グラフィック・ノベルを映画化。Remember the Thermopylae, Remember the Alamo, Remember Pearl Harbor and Remeber9.11. History repeats itself?などと考えてしまいました。
    imdb
    goo


    The Last Mimzy (2007) @JL411
    Director: Robert Shaye
    Starring:
    Chris O'Neil ... Noah Wilder
    Rhiannon Leigh Wryn ... Emma Wilder
    Joely Richardson ... Jo Wilder
    Timothy Hutton ... David Wilder

    原作は米国の作家ルイス・バジェットLewis PadgettのSFファンタジー短編「ボロゴーブはミムジィMimsy Were the Borogoves」(鏡の国のアリスの「ジャバウォックの詩」の引用)。兄妹NoahとEmmaとウサギのぬいぐるみミムジィのファンタジー・アドヴェンチャー。Emmaの純粋な心が世界を救う。JALの解説にも大人に向けられたファンタジーとあったが、久々に心洗われる映画だった。お勧め。
    imdb

    (16日)
    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする