日本の美 三千年の輝き ニューヨーク・バーク・コレクション展
Enduring Legacy of Japanese Art:The Mary Griggs Burke Collection
2006年1月24日から3月5日 東京都美術館
18日(土曜日)に表記に行ってきました。いくつか展覧会が重なっているせいか、上野公園で呼び込みをしているほどというぐらいで、それほどの混雑ではなかったです。
書跡として12石山切(貫之集下)、13石山切(伊勢集)は料紙が素晴らしく選んだのしょうか。やはり女性ならではです。
14 快慶(伝)不動明王坐像は、いいですね。
22 平治物語絵巻断簡 綺麗な断簡です。
23 絵因果経断簡 降魔変 これは翌日に国宝をみました。
春日鹿曼荼羅は、バーク夫人は鹿の意匠に惹かれたのでしょうか。
71 大麦図屏風 モダンな意匠です。緑が抜けてしまっているのでしょうか。残念です。
74 西行物語図屏風(桃山時代)には一寸吃驚。竹内栖鳳ばりに金屏風の上に立体的に人物や樹木が描かれています。桃山時代という時代を考えれば、このような技法も当然でしょうが、その後は普及しなかったという事実と照らし合わせると、日本人のセンスには奇異に感じられたのでしょうか。
78 洛中洛外図屏風 状態もよく絵柄も字もよく判読できて楽しめました。「かも」の橋の欄干に人が鈴なりにすわっているには笑えました。
93 酒井抱一 桜花図屏風 豪華な金屏風に桜が咲く。構図も状態も素晴らしい。
99 伊東若冲 月下白梅図
100 伊東若冲 双鶴図
101 曾我蕭白 石橋図 獅子落としの図ですが、湧き出てくる獅子は、面白いですね。漫画です。
111 与謝蕪村 山野行旅図屏風、113 与謝蕪村 山居秋興図 土曜日、日曜日に5点も蕪村の屏風を見ましたが、状態がよくこんな技法の屏風も描いていたのかというのがこの2点。緑の点描でのように描かれた山がすがすがしいイメージ。
「カラー版日本美術史」(美術出版社)に掲載されている新緑杜けん図と似たタッチ。
世界有数の日本美術収集家として知られる、メアリー・バーク夫人が半世紀にわたって収集した珠玉の日本美術コレクションがニューヨークから「里帰り」しました。
2000年に「夢の架け橋」と題し、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催されて好評を博したバーク・コレクションの展覧会今回は「日本の美 三千年の輝き」をテーマに岐阜、広島に引き続き東京で開催されます。
優れた審美眼によって収集された作品は、縄文時代から江戸時代まで三千年に及び、その内容は絵画、書跡、彫刻、漆工など実に多岐にわたっています。
なかでも「洛中洛外図屏風」「源氏物語図屏風」「柳橋水車図屏風」といった桃山時代の瀟洒な屏風の数々は圧倒的な迫力で迫ってきます。
江戸時代の絵画では、光悦や宗達から光琳、抱一へと続く琳派、浮世絵、個性派の若冲・蕭白・蘆雪、南画の流れを汲む大雅、蕪村の屏風など多彩な流れが象徴する成熟した江戸文化を堪能することができます。
アメリカの一人の女性、バーク夫人が生涯をかけて築き上げたこの日本美術の一大コレクションは、特に絵画作品を通して私たち日本人に自国の文化の豊かさと奥深さをあらためて教えてくれます。
新しい年の幕開けにふさわしい、優れた日本美術を紹介する本展にぜひお出かけください。