赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

熊本地震 救援活動の状況 コラム(164)

2016-04-21 00:00:00 | 政治見解



コラム(164):熊本地震 救援活動の状況

熊本地方を震源とする最大震度7の地震発生から1週間が過ぎようとしています。熊本城の石垣が崩れる地震は400年ぶりの出来事です。

当ブログではどのような救援活動がされているのかに焦点を当ててみたいと思います。


・海上保安庁
給水・電源供給・入浴支援を三角港、熊本港、八代港で実施。16日には、海上保安庁のヘリコプターにより、南阿蘇地区(東海大学農学部グラウンド)にて救助された負傷者を大分県立病院に搬送。17日、海上保安庁ヘリコプター3機により、熊本県南阿蘇村の約500名に対し、水や食料等の支援物資を搬送。継続中。


・警察
警察庁は35都府県警の計約4600人を現地に派遣し救助活動を。また、熊本県外の警察に指示し、私服捜査員と覆面パトカーを応援として投入。被災地のパトロールを強化。継続中。


・消防

緊急消防援助隊は20日に計537隊(19都府県) 1,958名(ヘリコプター18機含む)で、南阿蘇村の河陽高野台、阿蘇大橋、熊本市内の救援活動を実施。地元消防機関は19日に消防隊418名、消防団員2,679名で救助活動を実施。継続中。





・自衛隊
自衛隊は18日現在、人員約20,000名(延べ約57,200名)、航空機86機(延べ291機)、艦船14隻(延べ52隻)による救援活動を実施。継続中。

以下、自衛隊の活動概要。

【14日(木)】 21:31 地震発生の5分後に防衛省災害対策室設置。 21:36 防衛大臣指示(自治体及び関係省庁と緊密に連携し災害派遣活動に万全を期すこと等)。 22:40 熊本県知事から第8師団長に対して人命救助に係る災害派遣要請。 22:42 第42普通科連隊の初動対処部隊FAST-Force(人員25名、車両3両)が益城町役場に向け駐屯地を出発。
この日、人命救助活動に約400名が従事。

【15日(金)】 03:29から断続的に西部方面航空隊のヘリUH-1、第8飛行隊の救難ヘリUH-60、中部方面航空隊のヘリUH-1が情報収集のため駐屯地を離陸。
この日、人命救助活動が約1,520名、医療支援及び生活支援活動、物資輸送を約80名で行う。益城町に毛布約800枚、仮設トイレ約240個、テント約40張、宇土市、美里町、嘉島町、甲佐町、山都町、合志市、大津町、菊陽町に物資(毛布約3,300枚、飲料水約6,200本)輸送を実施。

【16日(土)】 01:43 第8航空団の支援戦闘機F-2機が情報収集のため基地離陸を皮切りに、西部方面航空隊のヘリUH-1、同じくヘリUH-60、第22航空群のUH-60、大規模災害用ヘリSH-60、第1航空群の情報収集哨戒航空機P-3Cなどが離陸。 02:36 大分県知事から西部方面特科隊長に対し、人命救助に係る災害派遣要請。 02:45 防衛大臣指示(被害が拡大する恐れがあるため、引き続き自治体及び関係省庁と連携し、災害派遣活動と状況の把握に万全を期すこと等)。 03:08 第31航空群の画像情報偵察機OP-3Cが情報収集のため基地を離陸。 04:55 統合任務部隊(JTF)編成。陸災部隊(人員約13,000名)、海災部隊(人員約1,000名)、空災部隊(人員約1,000名)により人命救助活動等を実施。
この日、人員約15,000名、航空機69機、艦艇10隻にて、患者輸送約50名、安全確保のための人員輸送約280名を実施。また生活支援として、物資輸送(毛布792枚、飲料水3,400本)、給食支援(16か所24,705食)、給水支援(22か所134.82トン)、入浴支援(3か所244名)、天幕支援(5か所31張)、医療支援(2か所136名)を実施。

【17日(日)】 16:50 即応予備自衛官の災害等招集命令に係る内閣総理大臣の承認。
この日 人員約20,000名、航空機118機、艦艇10隻にて、人命救助7名、患者輸送約80名、安全確保のための人員輸送約120名を実施。生活支援として物資輸送(毛布8,700枚、飲料水67,116本)、給食支援(20か所69,445食)、給水支援(32か所196.30トン)、入浴支援(3か所738名)、天幕支援(5か所)、医療支援(4か所229名)を実施。

ここまでの累計:人命救助7名、患者輸送約390名、安全確保のための人員輸送約730名を実施。生活支援として物資輸送(毛布16,122枚、飲料水92,116本)、給食支援(20か所142,245食)、給水支援(32か所657.32トン)、入浴支援(3か所1,229名)、天幕支援(5か所31張)、医療支援(4か所365名)を実施。

18日以降、多数の人命救助をはじめ入浴施設の設置など救援活動を継続中。




・米軍
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属のオスプレイ2機が18日に米軍岩国基地(山口県岩国市)を出発。陸上自衛隊高遊原分屯地に立ち寄り、水、食料、毛布などを積み込み、2往復して計約20トンの物資を運搬。(オスプレイは滑走路が不要のため、山間部などでの災害支援に適しており、ネパール大地震などの際に出動した実績がある。)



今回、自衛隊・警察・消防などの初動が迅速だった理由は政府判断の速さによるものです。地震は21時26分に起きましたが、5分後の21時31分に官邸の危機管理センターに対策室を設置、10分後の21時36分に安倍総理は三つの指示(1.被害が広範囲にわたり拡大するおそれもあるため早急に被害状況を把握すること、2.地方自治体とともに緊密に連携し政府一体となって被災者の救命・救助等の災害応急対策に全力で取り組むこと、3.国民に対し避難や被害等に関する情報提供を適時的確に行うこと)を発出、22時10分には非常災害対策本部設置と素早い対応でした。

熊本の方たちは、未だ苦しい状況にはありますが、秩序正しく整然と頑張っておられます。またネット上のFBなどを通じて、飲料水や入浴施設の所在、24時間診療の小児科病院の所在情報など膨大な情報が発信されています。

自衛隊など救援活動に従事しておられる方々や、情報を交換し合いながら互いを励ましあっている姿に胸が熱くなります。

被災者の皆様はあきらめず希望を抱いて頑張っていただきたいと念願いたします。ガンバレ! 熊本!!



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