赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

近未来予想図①―価値観の大革命が起きている コラム(319)

2019-12-14 07:23:07 | 政治見解



コラム(319):近未来予想図①―価値観の大革命が起きている


いま、世界中の国々があらゆる分野で混迷の極みにあります。自然の異変も加わり、私たちの生存環境が大きく変わろうとしています。


現代社会が混迷している真因

現代社会では、その背後にある世界観、宗教観、国家観、社会観、経済観などの価値観がどれも行き詰り限界に達しています。その原因は、様々な視点や意見がありますが、価値観の殆どが自分さえ良ければいいというエゴと欲得を優先しており、人間が本来持っていたはずの思いやりの気持ち、分かち合おうとする優しさがどこかに置き忘れていることにあるように感じます。

わが国を取り巻く国際社会を見渡しても、自国だけが豊かになればいいとのエゴイズムを主張する米国、飽くなき欲望を満たすために「一帯一路覇権」「デジタル覇権」に突き進む中国、勢力圏の回復拡大の野望を抱くロシア、米中両国の狭間で呻吟しながら北朝鮮と統合を目論む韓国、金一族の生存のために無謀な暴走を繰り返す北朝鮮、イギリスのEU離脱などなど、すべて「エゴと欲得の世界観」によって動き、相互に軋轢を生じさせています。

日本も例外ではなく、国会では党利を優先した政治が横行し、国民の政治への不信が蔓延しています。また、行政機関の機能低下と腐敗は目にあまり、司法は旧態依然のイデオロギーに支配され国家としての様々な仕組みが行き詰っています。

これらの機能不全の現象は、環境、社会、経済、教育、医療などのありとあらゆる分野に至り、日本の未来に暗い影を落としています。


IT技術が世界観を変える

しかし、私たちは未来に絶望している悲観論者の立場に立つのではなく、いまエゴと欲得の世界観が崩壊する中で新しい価値観が生み出されつつある状況をいち早く見抜くべきです。

すでにその兆候はIT技術に表れています。新しい技術を媒介として大きな価値革命が起こっていることを直視すべきだと考えます。

精神的な価値が変わり、それが多くの人々に共有された時に世界観が変わることは間違いありません。過去の歴史を見ても技術の進展がきっかけとなり人びとの環境の変化、生活のあり方や労働のあり方が変わり、あらゆる分野で新しい価値観が生み出されてきました。

人類初の国家、政府、階層、常備軍などを生み出し今日の国家観、世界観の基礎をつくったのは灌漑技術による大変革でした。また、近現代の国民国家の概念や資本主義経済の価値観をもたらしたのは産業革命という技術革命によるものです。

このように技術革命は、社会的な風景や政治的な風景を変え、時代の雰囲気や言葉さえも一変させ、価値観に革命をもたらす力をもっているのです。

しかし、いま注目すべきは過去の「灌漑革命」や「産業革命」のレベルを大きく凌駕する重大な変化をもたらす「地球規模の革命」がIT技術によって生み出されようとしているのです。すでに、世界中の人びとがインターネットを通して自由に表現し、自由に情報をやり取りできるようになっています。

そして現在、世界の大手IT企業がインターネットを通じ、国家の枠を超えた活動を始めています。彼らはインターネット上の「場」であるプラットフォームによって、国家とは異質の世界をつくっています。

ITによる技術革命の最大の特徴は、エゴの壁で隔絶された国境をのりこえて、全世界で同時進行できる点に注目しなければなりません。

これにより、世界中の人びとの、人種の違い、言語の違い、地理的制約、情報不足といった障壁が取り払われ、世界が一つになりつつあります。いままでばらばらであった世界中の人びとが新たなコミュニケーション環境でつながることは明らかです。

実は、この技術革命が歴史上例を見ない「地球人類の心を一つにする価値革命」になる可能性をも秘めているのです。

次回、これらの動きがどのように未来を変化させるのかを論じます。




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