GOLD 1オンス2000ドル時代:240503情報
ゴールド価格が直近で1オンス2300ドルをニューヨークの先物取引で超えました。これは2000ドル時代の到来ということです。
これは相場ですから、上がったり下がったりしますけど、今後は1オンス2000ドルの大底の相場で推移することになるでしょう。国際経済専門家の分析です。
ゴールドがニューヨークで1オンスあたり2300ドルを超えました。この動きは途上国の中央銀行の金保有が増えているということが非常に大きな理由の一つです。
これに関して世界銀行のレポートが出ています。ニューヨークの金先物取引で4月2日に史上初めて1トロイオンスが2300ドルの大台に乗りました。4日は一時2324ドル80セントを付けたのですが、日本でも4月3日に有名な田中貴金属の店頭において、金の小売価格(売る方の価格)が1万2298円となっています。この1トロイオンスというのは約31.1グラムです。
1トロイオンスが2000ドルということは、1ドル150円の相場を前提にして考えると、日本ではグラム単位で取引しますから、大体1グラム1万円となります。日本ではこれから1グラム1万円を大底とするような相場になると思っておいたら良いでしょう。
私は為替の方も1ドル150円というのがだんだん大底になってくるのではないかなと思っています。為替の話で直近の話をしますと、これは私の山勘ですがいろんな情報を総合すると「日本の当局がこの介入のチャンスを狙っている円高阻止」ということですが、円高に流れを持っていっても円安阻止をするのです。
この円安を阻止しても日本経済において何の良いとこもありません。かつてのような円高にしても日本経済に何の良いところもないのです。しかし、当局は阿呆ですからそういうことをやりたがっています。
この防衛ラインをどの辺りに引いているのかなと考えますと、急に152円〜153円となった場合、当局は介入してくるでしょう。とりあえずの防衛ラインは155円あたりに設定しているのではないかなと思います。つまり155円を超える円高にはさせないということです。
実際は為替レートで防衛ラインを引いています。ところが「一定のレートで防衛ラインを引いている」と日銀が言ってしまうと、世界に向けて言っている事と矛盾してしまいますので、急激な変化はよろしくないと言っているのです。急激な変化が起きた場合は実体経済に悪影響があるので介入するという言い方をしています。しかし、徐々にでも円安が進んでくると、155円は突破させないように開示していくのではないでしょうか。これから152円〜153円に入り込んだら介入してくると思います。
その辺りは市場参加者もわかっていますから、そこまでフリーズして体制は力学的に言うと、構造的に円安の方へと動いているのですが、なかなか152円〜153円を突破していかないということをやっているのです。
しかし、今度は2022年の年末に介入したときのような大きな効果はないと思います。実際に日銀はゼロ金利を解除しましたが、これから金利を上げていくわけですから、金利格差理論から言えば円が強くなって然るべきですけど、全くそのような動きになっていません。
一時的には、そのように動くのかなと思ったのですが、金利を上げていったら当国の通貨が弱くなるという力学に対して、債券市場の方から圧力がかかってくるのから、そのようにならないだろうと言っていたのです。しかし、この瞬間から円安のトレンドはゼロ金利解除後も影響を与えませんでした。そういうことを振り返ると、日銀・財務省当局が介入しても、大きな円安のトレンドは防ぐことができないと思います。
そうすると、当面は1ドル150円を前提に考えて良いでしょう。そうなると輸出企業は大きく儲かっていいのですが、金価格で言えば1グラム1万円を大底とする相場が今後の日本で定着すると考えていいと思います。
この世銀のレポートが3月25日に出ました。そこにはゴールド・インベスティング・ハンドブック・フォー・アセット・マネジャーズと書かれています。このアセット・マネジャーズとは発展途上国の中央銀行の資産管理をしている人たちです。ウズベキスタン中央銀行のスタッフがWorld Bank財政部の出版物を書きました。
これは68ページのレポートとなっていますが、結論から言うと中身はグローバルサウス・発展途上国・新興国の中央銀行は「金を今後、持っていた方がいい」と全体のニュアンスとして書かれています。これはWorld Bankの意見というわけではありませんが、World Bankが出しているレポートシリーズで、これがオーソライズされて出されました。
アリムカ・メドフという人が書いていて、その名前を見た瞬間に中央アジアの人だろうと思ったら、案の定、ウズベキスタン中央銀行の方だったのです。ウズベキスタン中央銀行の国際準備管理部門のNo.2である副長官が書きました。
これを1面から言うと、米ドル離れを進めるということでもあるわけです。この準備通貨を持っていた場合、国際貿易をやる黒字分の通貨準備が今まで米ドルで持つことが多かったけど、米ドルをそのまま持っているよりアメリカの資産・国債を買うということが多かったと思います。
日本も実際そのようにやって、世界一の米国債の保有国です。中国は日本を一時抜いたこともあるのですが、中国の米国債保有額が着実に減っています。要するにドルが足りなくて、持ちきれなくなっているのです。ドルで外国からお金を借りている分もありますから、それを返さないといけません。
現状の中国はドル不足となっているので国債を売って、現生のドルに換えて外国からの借金を返したり、外国から物を輸入することに使ったり、そういうことをしています。その準備金を米ドルで持つのではなく、金でもったらいいということでもあるわけです。
非ドル化を進めて、BRICS通貨を広めようとしても実現しません。だから、BRICS共同通貨の方に行くのでもなく、誰が出しているかもよくわからない投機商品のビットコインなどの暗号通貨の方に行くのでもなく、より確かな金に換えておいたらどうかということです。
一面の皮肉かもしれませんが、国際商品マテリアルとしてはドル建てで値段が決まっているものですから、金を持っているというのはドル資産を持っているのと一緒のことであると言えます。
ともかくアメリカ国債よりは「現物の金を持ちましょう」ということです。実際この3年くらい、トルコを含む発展途上国・新興国の金購入が非常に増えています。これが世界で金相場を押し上げている背景であり、今までになかった新しいファクターであると言われているのです。
このレポートによると、世界の金保有は人類が今まで金を精錬して、ゴールドの形(金の延べ棒や金製品)になったものは、地球上で20万9000tあるそうです。
その約21万tのうち、宝飾品の形で存在しているものが46%、中央銀行が保有しているものが17%、金の延べ棒や延べ板などの地金の形となったものやコインのほか、金関連のETFが持っている投資用の金を合わせると22%、その他が15%という内訳になっています。
今の世界の準備通貨をどういう形で各国が持っているかと言うと、米ドルが65%、ユーロが18%、ゴールドの形で持っているものが18%、その他が15%という現状です。おそらく、ゴールドが増えて、中央銀行の持ち比率が増えていくのでしょう。前から言っているように、動乱の激しい不安定な世界経済の中で資産を持つとなったら、伝統的にも人類の英知として確かだったものは金ということに向かうわけです。
このレポートは経済が脆弱な新興国・発展途上国にとっては、金を持っておくというのは非常に安心できると言っています。それと一面では反米的なニュアンスもあるわけです。しかし、ドルの価格自体が年初来、非常に強くなっていて、まさにドル1強体制ですが、これからアメリカの株式相場が急落することもあり得ます。だから、ドルだけに頼るのではなく、金の方も大事であるというニュアンスと言い換えられるかもしれません。おそらく中央銀行の持っている17%が今後増えていくでしょう。
地球上に存在している金を全て1ヶ所に集めると、1辺22mの立方体になるそうです。別の言い方をすると、普通の25mプールの中に今まで人類が精錬してきた金は全て入ってしまいます。
もっと具体的に言うと、25mプールの中に金の延べ棒の形にして敷き詰めたら全て入ってしまうくらいで、意外とそこまで多いものではありません。だからこそ、金は貴重なものです。そもそも金というのは、電気文明の前は単なる宝飾品として意味がありました。
ところが電気文明がこれだけ人類に発達していますが、この金というのは電気抵抗がゼロに等しいです。本当は安ければ銅線を使わないで金線を使うのが一番いいと言われています。高価なものですから使えませんけど、金の実用価値がないということはありません。
実際、携帯電話の中にも微妙なところで金が少量使われています。それが都会の中の忘れられた金属鉱山だと言われていて、それを回収すれば多くの金やプラチナが取れるそうです。そういった意味で金には実用価値もあるのです。
電気文明に入る前はあまり関係なかったのですが、特に今の電気・電子の技術がなかったら我々の文明はありませんが、金の実用価値はあるということも覚えておいてください。先ほど紹介した金保有の数字比率も、大雑把に覚えておくと何かの役に立つかもしれません。
お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com【コピペしてください】
FBは https://www.facebook.com/akaminekazng>