
台湾をめぐる米中の動向:23011情報
『今後の米中関係』でお伝えしたように、米中関係はいま休戦状態にあり、次の戦争準備のために互いに爪を研いでいる段階にありますが、休戦状態が終わればどうなるのか、国際政治学者の解説をお届けします。
■米中対立はこれからどうなる?
今は米中による第2次冷戦の真っ最中であり、バイデン政権になってもこの米中の冷戦構造というのはずっと続くということです。
最近の話題で重要なことは、少し前にバイデンさんが日本に来たときの話です。彼は、台湾危機に関してはアメリカの曖昧戦略を否定して、明確戦略を取ると言ったのです。
つまり、台湾がチャイナによって軍事的に攻撃されたとき、アメリカは約束を守って、台湾防衛に協力するということです。
■「現状維持」を目指すアメリカのレトリック
アメリカが台湾を守ることを正当化する言い分には面白いものがあります。
どういうことかというと、「アメリカはあくまで台湾海峡の現状維持を目指している」ということ。
チャイナがいうワン・チャイナ・ポリシーは今もアメリカは守っていて、中国共産党の側が強引に変更しようとしているんだというレトリックになっているのです。
これは、非常に良いことと言えます。
というのは、今までも「現状維持」という言葉は使われていたのですが、「現状維持をしていない」といっていじめられていたのは台湾側だったということが多かったのです。
今は逆に現状維持をしていないといって、チャイナ側を批判するように変わったということです。
これは、習近平さんが武力手段を行使しても、台湾を侵略して併合すると宣言して、軍事的圧力を強めていることが影響しているでしょう。
ですから、「中華民国・台湾」という国が独立国であるという現状を守るためにアメリカは戦略を変えたのです。
■迫る台湾有事のXデー
ここまでの話では、台湾情勢の緊急度が上がったことにより、米中の対立構造がよりはっきりしてきている
ということがいえると思います。
では、実際にいつ戦争が始まる可能性が高いのかというと、習近平さんの周りにいるチームはそんな馬鹿ではありませんですから、いますぐ戦争を始めることはないでしょう。
アメリカ国防総省の専門家に言わせると、2024年以降が危ないということになります。
昨年の終わりに、習近平さんは3期目に入りました。彼は、その第3期目のうちに台湾統一をやらないといけないという圧力を国内から受けていると考えられます。
ですから2023年も、米中対立はますます激化する方向へと動いていきます。
米中が対立すれば、その戦場になるのは日本ですから、日本もこれからどんな立場を取るのか、明確にしなくてはなりません。
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