重陽の節供は旧暦の9月9日。奇数(陽の数)の重なる日。その中でも最大数9。陽の気が行き着くと、陰へ向かうとして、この日に邪気を祓ったりすることもあるようです。菊(キク、クク)の響き。旧暦の9月9日は、今でいう10月26日辺りであり、菊のお祭りがあります。
お酒に菊の花びらを浸してのんだりもしますし、菊水という名前のお酒もありますね。
菊は、昔は、観賞より実用の植物であり、中国最古の漢方書といわれる『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』(後漢〜三国時代に成立)には、めまいや眼病、耐老延年の薬として載っているようです。そういえば、神農という中国の神様は関西の方では、少彦名神と共に祀られている所があり、少彦名神は医学、酒造、色々なことに長けた神様でした。
また、中国の神仙の世界では、菊は霊薬とされ、『抱朴子(ほうぼくし)』の中には、菊を使った不老不死の薬の処方が次のように書かれています。
白菊の汁、こうぞの汁、ヌルデの汁で丹(※水銀の鉱石鉱物のこと)を和え、これを30日間蒸したものを薬研(やげん)ですり混ぜ1年間これを服用すると500年生きられるとか言われています。丹は不老長寿に関係があり、秦の始皇帝は日本にまで探しに遣いをやったとか。
老人が服用すれば若返り、少年が服めば歳を取らないとか。ホンマかいな。そんなあほな。。。
歳をとったっていいじゃないって思いますけど。笑
菊花の露を染み込ませた真綿で身体を拭えば若返るとかも言われているみたいですし、また、福島県の二本松の菊人形のお祭りなんかは人形が菊の「服」を着たり、菊で色んなものを飾ります。色々言われるってことは、菊を服すには意味ありそうですね。。
重陽の節句は、9が重なる。9/9、苦苦の響きもあるけれど菊の響きもあり、括るの響きもあります。旧暦では9月ですが、丁度今くらい。夏の陽が極まり、そして秋の陽光で実りをたわわにつけた稲穂を刈り取り収穫する時期です。収穫した稲の束を藁で結ぶことを「結束」というようで、そうして天日に干して乾燥させたりすることもあるようです。冬への覚悟をこの稲作業にも感じます。
福島県南相馬の風景
花には花の咲く季節があり、丁度今の時期(旧暦の9月9日)に花弁が沢山ある菊(キク)を愛でるのも意味がありそうです。
厳しい冬を耐え春が来ます。重い雪の下でもゆっくりと春の草花は時を待ち芽吹きます。
季節は巡り花は咲く。
冬にも冬の花が咲く。
我が家は沢山シクラメンを植えました
【画像は菊酒、菊人形二本松、稲の結束検索画像より】