都議会議員選挙をどう見るか、今回の都議会議員選挙はいつにもまして党派選挙としての様相が強い選挙でした。ですから、2年前の参議院選挙での得票との比較が都議会議員選挙の結果を的確に捉えるために必要です。都議選で議席が増えたか減ったかということだけではなく各党派の得票が2年前の参議院選挙とを比較して得票数の推移、得票率の推移をよく見ることが大切です。こうした観点から見たとき、実は民主党の得票数は2年前の参議院選挙での比例の得票率とを比べるとほぼ横ばいです。公明党もほぼ横ばいです。自由民主党は得票数、率ともに減らしています。日本共産党は得票数を2年前の参議院選挙の比例票と比較すると今回の都議選では、153,001票得票を増やしています。
しかし、東京都全体で日本共産党が得票数を他党に比べて大きく伸ばしているにもかかわらず議席を13から8に減らしているのは、2人区の選挙区や私の地元の江戸川選挙区のように1人はみ出しであり、ゆえに1票、1票を争うところで競り勝っていくのに組織の力量が足りないことを示しています。志位委員長が都議選の結果に関して党の訴えを全有権者規模で届けきれなかった旨、「しんぶん赤旗」紙上で述べているのは組織の力量などのことをふまえてのことです。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-07-13/2009071301_02_1.html
7月14日の火曜日の朝、平井駅南口で瀬端区議とともに駅頭宣伝をしました。河野ゆりえさん(写真中央の人)が選挙結果の報告等をするために平井まで駆けつけてくれました。
私と一緒に朝宣に来た人から聞きました。「応援していたけど残念だったね」と選挙戦をねぎらい励ましてくれる人がいました。前回の都議会議員選挙では河野さんの得票数は26,453票でした。このたびの都議会議員選挙での河野さんの得票数は30,388票でした。投票率が前回(平成17年)より高かったとはいえ、自民党は得票数(前回の平成17年の都議選の場合、当時無所属として出馬した宇田川さとし氏、大西秀雄氏、田島和明氏とを合計すると82,092票、今年は田島和明氏と宇田川さとし氏との合計が71,670票)を減らしていて、公明党の得票数はほぼ横ばいです。自由民主党の場合は、確かに候補者数が違いますが、党派選挙であることから数字的には前回三人に分かれた票がおおむね二人に収斂されたと考えるのが自然です。もし、そうでなければ今回の都議選における自民党の得票が5万人前後から6万人位の間に収まらないと得票数に関して説明がつきづらいのです。江戸川選挙区においても前回の平成17年執行の都議会議員選挙と比較して、政党として得票数を伸ばしていたのは、日本共産党と民主党です。
以上のことから、反自公政治の票の多くが民主党へ投じられたといえますが、日本共産党へも一部は反自公政治の票として投じられたといえます。実際、選挙告示後の電話作戦(テレデータなどで有権者に党の支持をうったえること)で今まで選挙に行かなかった人のなかで今回はじめて日本共産党の河野ゆりえさんへ票を入れると応えた人の話を、私は聞いたことがあります。
江戸川選挙区においても、厳しい選挙情勢であったとはいえども日本共産党への支持を増やす条件はあったし、実際に増えたのです。ただし、全住民規模で党のうったえを有権者に届けきるには至らなかったわけです。私自身の実感としても、対話や支持拡大の増加のペースなどを地元の状況を見て、全住民に党のうったえを届けるのに組織的力量の不足がありました。党のうったえを全住民規模でとどけけれなかった原因の一つに党組織の高齢化があります(これ以上の詳細は個別党員のことがらにかかわりブログ上で書き込むのになじみませんので書きません)。
やはり、つきなみな言い方にはなりますが若い世代への働きかけを重視しながら党建設全般が求められることです。客観的に日本共産党前進への情勢の展望があっても、これを現実のものとするにはそれに見合った主体的力量が必要です。選挙になって日程が詰まってくると日々の課題に埋没しがちですが、8月30日投開票の可能性の高い総選挙勝利のためには、選挙戦をとりくむことと党建設が前進することとが同時進行するような戦いが求められるのではないか、私はそう考えます(実際にやるのは至極困難)。
今現在、私の悩みは、総選挙へむけて党の仲間を情勢にふさわしくどうふるいたたせるかです。得票が増えても現有議席を失ったことはそれとして正面から向き合う必要があります。
落ち込んでいる暇はありません。世の中の動きの大局をつかみ総選挙でいかに日本共産党の前進をかちとるか、今後の戦いはそれがすべてです。