娘を送りがてら、広島県立美術館で念願の藤田嗣治展を観た。
9時開館にすべりこんだ。
娘の帰りの列車指定時間までゆっくり観ようと思ったのが正解だった。
朝一の美術館は人もまばらでゆったりとしていた。
居る居る。
観たかった猫がどの絵の中にも描かれている。
絶賛された白い肌の裸婦の片隅にも、
自画像にも、
戦争画の中にも居た。
銃を構えて助けに入った兵士であろうか?
ドアの中には荒らされた部屋に縛り付けられた女性と
テーブルの下にはちゃんと飼い猫が潜ませてあった。
人形じみた表情の子供よりも猫は生き生きしていた。
かわいいばかりでなく、獰猛に見える絵もある。
帰りたくても帰れない故郷を捨てざるを得なかったフジタは
人より猫を信じたのかもしれない。
名物あなご飯を娘に持たせて、昼前の上り新幹線に乗る娘と別れる。
ひとりになってから、
広島在住の高校時代から気の置けない友とランチ。
最近、なぜかランチと言うと豆腐料理の店になる。
体に良さそうで、まちまちとした懐石風が目も楽しませてくれる。
こってりしてない所に惹かれるのかもしれない。
歳かな?
ポン友はホームヘルパー2級の資格講座受講中と言う。
どう見ても良家のおくさま風ファッションの彼女と
ヘルパー業務スタイルが結びつかない。
親の介護に役立つかと思っての受講と言う。
おけいこごとの一貫が彼女らしい。
似合わない事をはじめたとクサし、
美術館で求めた
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猫の本―藤田嗣治画文集 講談社 このアイテムの詳細を見る |
をめくって一緒に眺めた。
お互いに飼っている元野良猫のケイタイ写真を見せあって、
お互い相手のはブサイクで自分ちのが一番可愛いと言い合あう。
毎度、かわらないジャブの応酬。
夕方、親戚が来るもてなし準備かあると言う友に
忙しいのによく私のために時間を作ってくれたと感謝して、
早々に帰路につく。
そう言えばよく嘆きあったお互い体調不良の話をしなかった。
人生の節目の山を越えつつあるのかな?
たまった積ん読の山も減らしたし
わりとのんびりのだらだら夏猫状態の休暇は終わった。
さぁ~明日から仕事。働くぞ
美術館で観たピンヒールに膝丈のスカート姿の娘は
家でごろごろジーンズより、えらく大人に見えた。
打ち合わせの仕事から直で帰って来たと言ってたっけ。
大ぶりのショルダーバックもそう言えば仕事用らしい。
彼女も
親など頼らずちゃんと都会で働いて、
ひとり暮らしが2年を回った。
休暇が終ったら、
母と同じくどひゃ~と仕事が待っているのだろうなぁ~