昨日の朝焼けの虹も台風の影響だったらしい。
トワイライトまっ黒け道早朝過ぎる朝散歩で台風の予兆風に吹かれてきた。
歩くと思考する。
昨日聞いた同僚の末期がんの人の認定調査同席の話がどうも頭を占める。
余命2週間と言われ、どうしても自宅の思いが強く帰ってこられて早2ヶ月。
お家は病院より数段良いのに違いない。
しかし介護保険限度額を上回るサービスを投入しているため、
介護認定区分の変更申請を担当が取った。
やっと出たその結果が満足いくものでなく、不服とさらに変更申請。
その認定調査が遅れ遅れて昨日だったのだ。
どうして100%手を取る介護が必要な人に最高の要介護5が出ないのか?
担当は憤懣やるかたない。
この調査結果から判定会議を経て結果が出るころまでこの方の命があるかどうか?
どんなにスピードアップされたとしても結果は1ヶ月先。
日に日に衰える人に認定結果が追いつかない。
介護サービスが限度額を超えると10割負担となる。
支える財力が本人家族ない方であるところが、更に担当の焦りとなっている。
末期がんで自宅での最後を望まれながら、医師の往診は週1回。訪問看護は週3回。
「医療と介護の連携」
と言う美しいスローガンはスローガンのまま世間の風にはためいているだけ。
毎日入るヘルパーからの報告が頼りという心細さ。
それでも自己負担金が出て利用者に重い。
散歩から帰って朝日朝刊を開いたら
『私の視点』にケアマネージャーの投稿が載っていた。
実にうらやましい事例だ。
すでに介護申請がすんで結果待ち。
少々の自己負担金に耐えうるご家族。
そして何より地域に緊急時対応の医師と24時間対応の訪問看護が可能であった。
それでも、担当したケースから
介護認定の柔軟な対応やら
地域の医療、介護、自治体のきめ細やかな密着連携を望む声をあげられている。
病院から一旦帰宅、3日後に病院Uターンの末期がん患者を
担当したケアマネも我が事業所に存在する。
介護認定結果がすでに亡くなって1ヶ月を超えて出た。
申請した日から有効ではあるが、この方の利用はたった3日。
しかも独居、身内なし。
介護1を想定してプランを作ってサービスに持ち込んだが、判定は要支援2。
病院にUターンの意志が固まった時は完全寝たきりだったと言う。
要支援と要介護では使えるサービスが格段に違う。
細かなことはどうなったか自分の忙しさにかまけて聞いていないが、
役所他に真っ青になってガンガン電話でやりとりしているのは聞いた。
サービスプランの煩雑さに加えて、利用料の請求場所がない。
最悪、訪問介護事業所が集金できないただ働きにの結果だったのかもしれない。
40代から使える末期がんの介護保険。
利用者が若ければ若いほど、悪化衰弱のスピードは速い。
のろのろ介護認定調査やら判定会議やらの挟間で放ってはおけないご本人を前に、
チープな介護看護体制資源をひねくりまわし、
使えるサービス限度額は認定介護度の予測の賭けでプラン作成。
時間で区切られてしまうサービスの挟間タイムの急死すら念頭におく、
報われないケアマネ稼業に目が向くこともない。
最近、在宅死を望まれる方が多い。
病院は本人に帰宅意志があれば満床ベッドの加減もあって、さっさと家へと帰す。
よろしくと病院の地域連携室から我らにお鉢が回ってきて右往左往が始まるのだ。
幸いというか私はまだこう言うケースを担当したことがない。
確実に増えている予兆はある。近づく台風のごとく。