獄(ひとや)に咲く花

映画『獄（ひとや）に咲く花』


私的には固すぎて興味薄な松陰だけれど、
大河ドラマ竜馬伝と同じ時代の人物としてこの作品にちょっと惹かれていた。
観たいなと思っているうちに終わってしまって、観損ねたままだった。
原作者古川　薫氏の講演付き映画会（映画がついてる講演会？どっちだ？）
があると聞き出かけてきた。
幾つかの残された短歌、俳句から吉田松陰にも恋があっただろう仮説で書かれたフィクフョン。
30歳が数え年であれば齢29歳で打ち首となって生涯を閉じた年齢からして
恋の話があってもおかしくはない。
真面目なあまりに真面目なと称される吉田松陰の生涯に花を添えたかったと古川氏は言われた。
歌から推測するに間違いなくプラトニックな彼らしい純粋な恋が存在したとも。

出入り自由な獄で
刑に服するより家族親族から飯代付きで疎まれて獄に閉じ込められている者もあったと言う。
12人の囚人の中に紅1点と今では信じられない事も事実だったらしい。
獄内句会でのふたりの連歌

　　　　酒と茶に徒然しのぶ草の庵　　松陰

　　　　　　谷の流れの水の清らか　　久子

　　　　四方山に友よぶ鳥も花に酔い　久子

　　　　　　蝶と連れ行く春のの遊び　松陰

映画ではひさという名の役、近衛はなは、
NHKドラマ「白洲次郎」で脚本家デビューも果たしている。
目黒祐樹の娘だそう。映画は親子共演でもある。
美しいだけでない知的な久子にはまり役。
実際には吉田松陰25歳高須久子37歳であったと言う。
真実真相はいかに？

会場で歴史物は苦手だけど460円の文庫なので本も求めた。5編の短編からなる。
映画の原作で本の題にもなっている「吉田松陰の恋」だけ読んだ。
映画を観て読むと一段と話がよく分かる。

	吉田松陰の恋 (文春文庫)
	古川 薫
	文藝春秋

プラトニックな恋にしたあたり古川　薫のロマンと吉田松陰への愛を感じる。

職場のアイドル

これは何と言う虫？
どこかのお宅から種が飛び雑地に野生えの
オシロイハナを写そうとしたら虫に気がついた。

職場で花を惜しみなく食べさせ、
リカちゃん、ユカちゃんと名前まで付けて観察？
いや、息抜き、ガス抜きにさせて貰っていた
芋虫くんたちを思い出した。

物の見事に花を食べ尽くし、
まるまる太った後、
礼も言わずに姿を消した。
消えたのだ。

蛹はどこ？
蝶はどこで蛹になるのだ？
平均年齢57歳のおばさん軍団は長く生きてこの事を誰も知らない。
美しく変身するところが見たかった。
無念。
いつか舞い戻る日を気長に待っている。
『リカちゃん おかえり』が言いたい。

彼女たちこそ乾いた職場の花だった。

10月から人事移動。
また職場の人員が変わり利用者引き継ぎが行われている。
私が入社して1年9カ月。その時に居た人はたった一人となった。
おそろしや古い方から2番手。
長い人は長いが短期決戦で辞めてゆく人の多い職種なのか？

なんか仕事以外でちょっとホッとしないと続かない。
あの営業軍団が外の喫煙ブースに追いやられても
これから値上げがあっても煙草を止めそうもない気持ちが少し分かる気がする。