あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

冬休みにおススメの一冊 『精霊の守り人』

2009-12-30 22:38:58 | 本(児童書・絵本)

精霊の守り人 (新潮文庫) 精霊の守り人 (新潮文庫)
価格:¥ 580(税込)
発売日:2007-03
古典になっていない児童文学の中で、私が最も素晴らしい、と思ったのがこの本です。

もっとも、シリーズが始まったのは10年以上も前のことですが、寡聞にして存知あげなくて、私がこの本を読んだのは最近のことです。(2年前くらい)

でも、図書館の子ども室でこの本を見たとき、きっと面白いはずだと思いました。

それはなぜかというと、本がボロボロだったからです。

たくさんの子どもたちに愛された本なのだと思いました。そして読んでみると、期待を裏切らない内容でした。

“バルサが鳥影橋を渡っていたとき、皇族の行列が、ちょうど一本上流の、山影橋にさしかかっていたことが、バルサの運命を変えた”

という、ドラマチックかつ切れの良い書き出しに、まずやられてしまった。

背景世界の緻密さや、骨太のストーリーにももちろん惹かれ、子ども騙しでない、子どもを馬鹿にしていない児童文学であることも感動したし、こんな児童文学があったのか、と思いました。

キャラクターが生き生きしているのは、いうまでもないことですし、『バルサの食卓』の記事でも書きましたが、出てくる食べ物がおいしそうなのも、世界の実感が響いてきて嬉しいのです。

一冊一冊、大切に読むのもいいのですが、長い休みに一気に読むのもいいのかな、と思って書きました。

大人が読んでももちろん面白いのですが、子どもたちはもっと、異世界にすんなり入っていけるのだろうな、とちょっと羨ましい。

私もシリーズ全部を読み切っていないので、心を研ぎ澄まして、この鮮やかな世界に入っていきたい、と思っています。

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猫の時間

2009-12-30 21:57:25 | ペット

猫を飼っている人ならご存知のことかと思いますが、たとえば完全室内飼いじゃない場合、外で会った自分の飼いネコが、妙によそよそしいことってありますよね。

それは、猫が飼いならされる以前の性質、つまり野生にかえっている時なのだと、何かの本で読んだことがあります。

もちろん室内買いの猫にも、そういう時はあります。そうして、あや子は今までの猫に比べて甘ったれなので、よけいその落差が目立ったものでした。

私が、「なんでそんなにそっけないの!」とちょっと怒ると、母は「怒らないで。今、あやは猫の時間なのだから」と言いました。

「猫の時間?」と尋ねると、母は、「そう、あやは猫の時間と、人間の時間があるの。人間の時間の時は、こっちの言うことがよく分かって、心が通じ合うの。でも、猫の時間も、この子には大切なの。だから、怒らないで」と言いました。

なるほど、猫の時間かぁ……、言われてみればねぇ、と思ったものです。

ところが、最近気づいたのです。あやの、猫の時間が少なくなっていることに。

それは、今年に入ってめっきり弱ってからのような気がします。

一日中こんこんと眠っていることが多いので、その中で猫の時間を処理しているのかもしれませんが、具合が悪くて不安なので始終甘えたいのではないかと、こっちも不安になったりします。

今も、膝の上で時々私を見あげるので、撫でたり、抱きしめたりします。

あや、猫の時間も大切にするから、なるべく長く一緒にいてね。

そう、願ってしまう歳の暮れです。

コメント (2)
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