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精霊の守り人 (新潮文庫) 価格:¥ 580(税込) 発売日:2007-03 |
もっとも、シリーズが始まったのは10年以上も前のことですが、寡聞にして存知あげなくて、私がこの本を読んだのは最近のことです。(2年前くらい)
でも、図書館の子ども室でこの本を見たとき、きっと面白いはずだと思いました。
それはなぜかというと、本がボロボロだったからです。
たくさんの子どもたちに愛された本なのだと思いました。そして読んでみると、期待を裏切らない内容でした。
“バルサが鳥影橋を渡っていたとき、皇族の行列が、ちょうど一本上流の、山影橋にさしかかっていたことが、バルサの運命を変えた”
という、ドラマチックかつ切れの良い書き出しに、まずやられてしまった。
背景世界の緻密さや、骨太のストーリーにももちろん惹かれ、子ども騙しでない、子どもを馬鹿にしていない児童文学であることも感動したし、こんな児童文学があったのか、と思いました。
キャラクターが生き生きしているのは、いうまでもないことですし、『バルサの食卓』の記事でも書きましたが、出てくる食べ物がおいしそうなのも、世界の実感が響いてきて嬉しいのです。
一冊一冊、大切に読むのもいいのですが、長い休みに一気に読むのもいいのかな、と思って書きました。
大人が読んでももちろん面白いのですが、子どもたちはもっと、異世界にすんなり入っていけるのだろうな、とちょっと羨ましい。
私もシリーズ全部を読み切っていないので、心を研ぎ澄まして、この鮮やかな世界に入っていきたい、と思っています。