安曇野市堀金にある「臼井吉見文学館」を訪ねた。大作「安曇野」の著者だ。松本中学の一級上には唐木順三、同級生に古田晁がいた。古田は筑摩書房の創設者だ。その後、松本高等学校、東京帝国大学文学部に進む。卒業後は教師として、福島双葉中学校、伊那中学校(現在の伊那北高校)松本女子師範(現在の信州大学教育学部)、東京女子大学などで教鞭をとる。復員後、雑誌「展望」を企画し、編集長となる。「安曇野」の執筆はなんと59歳のときだ。第5巻の執筆が終わるのが69歳と10年間の格闘となる。ひっそりとした館内を丁寧に案内していただいた。「事故のてんまつ」は、川端康成の自殺までの過程を綴った話題の書だ。帰り際に、この文学館で発行している「自分をつくる」「続自分をつくる」を購入した。一度訪れることをお勧めしたい。