月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

合格祈願に、京都の北野天満宮へ行く

2013-01-09 19:21:04 | 今日もいい一日


2013年は、晴れの日が多い。あったかい。
いつまで、こういった好天が続くのだろうか、あんまり素晴らしすぎて怖くなるほどである。

昼には、冬の太陽がエネルギーを発散させながら燦々と照り輝いて
6時以降になると、ポキンと折れそうなお月様が空に浮かぶ。
そんな平和が、幸せである。

1月2日(水曜日)は、午前中の早い時間に「北野天満宮」へ参拝した。


京都市内のバスは大渋滞で、3時間もかかってようやく到着し、
社殿までさらに1時間近く並ぶことになったのだが、
それでも訪れてほんとうによかったと、今も思う。






はらはらと小雨がふる曇り空のなかにあって、
細く硬く、しなるような黒々とした枝をした梅の木は、
寒空に負けじと勇敢に、身をくねらせて
紅梅と白梅は、しっかりと固く閉じた蕾を内包して
すでに色を帯びていた。

それに天満宮の文字はやっぱり素晴らしいなあ。







などといいながら、隣に参列していたはずの、わが家の受験生は
ふと隣を見ると私の少し後にいたはずが
どんどん離れてしまっている。
あれ?おかしいなと思いずっと後へ駆け寄ると
「わたし、絶対にセンターを外さないの」だって。

ど真ん中から社殿を目指していた。
普段と違うキリッとした物言いに、
なるほどねと、笑い出したいような心境になったのだけれど、
ここは微笑むだけにしておいた。


わが家の受験生(なっちゃん)は、
思いがけず北野天満宮の本殿で合格祈願の祈祷を受ることになった。

それは、若い神司のすばらしく歌いあげるような御経が、
ほんとうに堂々としてお堂内に響く美声だったから、なのだと思う。
ふと隣をみると、真っ赤な目から今にも涙がこぼれそうで、
びくん、とした。


住所と名前を朗々と歌いあげられた瞬間には、彼女の両手はしっかりとあわさったままで
静かに頭を下げ
さすがに真剣なんだ、そう感じると
じわっと感動して、もらい泣きした。

それから、いただいた中から合格祈願の絵馬を書いて、
社殿に奉納する書き初めを
ドキドキしながら書いた。

撒餞のなかには、天満宮えんぴつ、蛍光ペン、絵馬、箸、勧学守り、お茶、お札、はちまきがセット。

あんなに丁寧に祈祷してもらって、これだけの品々を持って帰れるとは、すごい!

結果はもちろん大事なことなのだけれど、
今この瞬間、娘のこういった、たいせつな場面に
立ち会えたこと、それら全てに、
意味がある。感謝である。

18年間、一番近くでこの人の成長をみることができて、
私はなんて幸せもの。
ほんとうに彼女の存在そのものが
誇らしいと心から思った瞬間だった!