月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

Macが今も、ぐるぐると回る、その先へは進めない…

2013-08-02 00:20:32 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)



このところの暑さのせいか、Macが壊れてしまった。
もちろん3台あるうちの1台だが、ショックがでかい。
昨日と今日の仕事時間がギッシリ詰まっているのだ。

壊れたのは、夕方の5時だった。暑いなかクーラーもつけずに、前からと横から流れてくる自然の風だけで涼をとって仕事をしていた。
昨日からかかっていた1本の仕事は終了間際だったのに。保存をしてコピー機に繋いだ途端、ぐるぐると回りはじめ、永遠に(ホントは10分、心は永遠)ぐるぐると回ってその先へ進めなくなった。

これはわたしのクセのようなものだが、
ほぼ完成したかなと思う原稿を、よほど急がない場合には最低1日は寝かせて熟成させる習慣があるのだ。
なので、この時も8割ちかく出来上がっていた原稿を、朝20分くらいと軽くブラッシュアップして、そのまますぐにデザインに渡せばよかったのだが、ああ~もう時間だわ、と、ヨガ教室へ行き、
帰ってからも2・3カ所と手を加え、あとはもう送る状態にして保存。安心して昼食をとっていたのだ。

すぐに片付けてしまえばいいのに…。置いたままで。
昼食中に別のクライアントから電話があったので、

(あらま、あっちが先かな)と昨日の訂正を先に手をつけてしまい、ほぼ9、5割できあった原稿は放置。
そうやって、2本の原稿をパソコン上で、ほぼ同時に完成させ、同時に入稿してスッキリさせようともくろんでいたのが、痛いことだった。
それからスイカでも食べて本を読もうなどと、アタマでは妄想していたのである。
ほんとうをいえば、「ママ友よ」と書いたブログ記事も、あとは写真を選ぶだけにして画面上に、並べてあったのだ。結構愉しい内容だったのになあ。残念!

もちろん、外付けハードデスクに原稿を蓄積しておくのは鉄則。
簡単にバックアップをとっておけるハードデスクはあるのに。それもせず、一心に仕上げることだけに集中していたのだ。暑いので、早く先に進みたかった。
灼熱の太陽が、ガラス越しにギラギラと燃え、部屋をますます熱くしていた。

わたしの2日間の原稿(特集4ページ、コラム1本)、企画書1本。
それらが見事に、灰色の画面の奧に吸い込まれたままの状態で二度と表へ顔を出さないまま、眠ってしまったのである。
「あ~、暦の上ではディセンバー…♩」とでも、訳もわからず唄いだしたいような放心状態。
だって、このブログのように感情の赴くままに、
一気に書いた原稿ではなく、何回も、何回も、手を加えた原稿だから細部までの配慮というか、疑問と、納得、修正が自分の中で済んでいるのだ。あの状態までにもっていくのは、結構、至難の業。
アタマにあるとはいえ、イチからまた他のパソコンで書くことができるのだろうか。
どうしても、どうしても、諦めきれずに夕方からずっとMacサポートセンターのオペレーターと、
修復の仕方を20回くらい試みていた。

パソコンをあけると、電源をいれる。
コマンドキーと、オプションキー、pとRを同時に両手で押す。
電話の向こうからはオペレーターの声、「もしもし、もしもし、出来ましたか?どうでしょうか…」
(両手使っているのに、話せないでしょう…普通)
「大丈夫、他のやり方を試みてみましょう」と、落ち着いたオペレーターは自信たっぷり。ホント?と不安になるわたしの気持ちとは裏腹に…。

(そりゃあ、オペレーターにとってはこんなの日常茶飯事、別に動じる必要もない。困ったことでもない。
早く修復して、この業務を終了したい、それぐらいの心理状態。当然なんです)

「電源をいれてから、シフトキーを押してみてくださいね」…。

そうやって、5パターンほどの復旧方法を試してみたのだ。
けれど、appleが登場したら、ぐるぐると渦をまく点線が回り始める。そこから、どうやったって進まない。渦をまいたまま、ぐるぐる。ぐるぐるぐるぐると回るだけ。何十分も回るだけ。
ああ~、辛いなあ。いろいろな起動の仕方を試みて、今度こそ、と祈る気持ちでパソコンをみつめる。

でも、やっぱりぐるぐる、ぐるぐると回る、もう見飽きたね、この状態。
もっとキチンと環境を整えて、ザッパリと捨てるべきものは捨てて。
仕事のやり方を変えないと、なあ。その警笛なのだろうか。
壊れるのはいつだって夏だ。
灼熱の太陽のなか、Macをもってソフマックに目を白黒させて、ひたいに汗して走った3年前の自分が、今鮮明によみがえる。
ああ間に合うのか、2本の原稿。そして消えたブログの原稿でさえも復活できる?再び、あの時の気持になって書くことができるの?ああ、あの時、あの瞬間に帰りたいよぉ~。

Macのハードデスクは壊れても、本体のわたしのアタマだけは正常に、俊敏に動いてくれると信じたい!そう、祈るような心地で。