8月8日のバースデーに届いた器。
福岡県の花祭窯(福岡県福津市津屋崎4-8-20)に、お願いして自分に贈った器である。
この器、小さな想い出があるのだ。
約4年前、堂島の「ようび」を訪れたある日。沢山の器のなかから、そこだけがキラキラとして輝いてみえた。
というのはウソで、とても控えめでオーラ-を消してひっそりと隠れていたんだけど、見つけてしまったという感じだった。
見た途端、不思議な文様だなあと吸い寄せられた。
そして古い友人にプレゼントしたのだった。
(わたしはこの時、同じ文様の蕎麦猪口を自分用に買っていた)
そしてそして、
先日この蕎麦猪口で朝のミルクティーを飲みながら、友人にプレゼントした器のことをうっすらと思い出し、
作家である藤吉憲典さんの窯元に依頼して、自宅に届けてもらったという経緯なのだった。
それがこれ!
(奥の蕎麦猪口は、以前からある愛用品)
時間の波をくぐりぬけて、土のなかから忽然と現れた古伊万里の雑器のよう。
染付の瓔珞文(ようらくもん)は、古伊万里や仁清などでよく見られる吉祥柄だという。また、インドの上流階級の人々が頭や首や胸を飾る装身具としても使われているものだとか。
そんなことを、だいぶ後になってから知った。
瓔珞文(ようらくもん)を連ね重ねたこの小鉢は、3つで一つの入れ子になっている。
日本の東北のニオイもするし、ヨーロッパの北欧のニオイもする。
アンティークのようでもあるし、麗しきデザインのようでもある。
シャープで簡潔でありながら、どっしりとした風格もある。
その不思議さに、ただただ惹かれて買った器なのだった。
うちの食器棚に見事おさまってくれるのだろうか。
ともあれ、ようこそ、いらっしゃい。
いつから、どう使わせてもらおうか、ちょっぴりドキドキする器なのである。