5月4日(日)
ゴールデンウィーク後半だというのに、1人で家に残ってカリカリ、カリカリと仕事をしている。
先ほどまで賑やかに食卓を囲んで、マンゴーを食べ、フランスパンとコーヒーを飲みながら騒いでいた家族は、あっという間に姿を消して、私の母の家(実家)へ行ってしまった。
晴れやかな空、緑がわたる風、陽気な外気の音。
改めて5月だな、と思う。この季節は風が緑色。それも光に透けたウグイス色。明度の高いグリーンは見てて気持ちいい。
本当は、もう家族たちの後を追いかけて車に飛び乗りたい!陽光の中へ飛び出したい、そんな気持ちを抑えて、冷静に、心を静めて、部屋に戻る。
でもちっとも集中できない。
ゴールでウィーク明けは2本+1本提出だ。
昨年は、自分のキャパと力量不足や、そのほか諸々のことが重なって、
結構の量のお仕事を、お断りせねばならなかった。
相手(依頼先)のコトを想い、自分の実情を思えば、無責任にお受けすることもできずで。
でもお断りするたびに、なんだか分からないけれどドーンと暗い鈍りのような重い重いものが自分の胸の中にどっかりと居座るのは、どうしようもなくて。
いろいろ言い訳はしてみても振り払えないものが、何日も何日もしこりとして残った。それが辛くて、結局はお受けしていない仕事は、ご縁がなかったのだ、と結論づけた。
だから今年は、出来るだけお仕事はお断りしないように、努力をしている。そのほうが、しんどいけれど気持ちはラクだ。
このゴールデンウィークは、旬のおいししいものを、沢山、沢山いただいた。
朝とったばかりの「しらすの釜揚げ」。
静岡産の吉田漁港からの直送を、友人が毎年取り寄せていて、
さっそく、一箱分けていただいた。
試しにひとくちだけ、とスプーンにすくい上げて口に入れると、
プーンと肴臭い礒の匂いが飛び込んできた。香住の青緑色の海を思い出す。
塩味も自然な感じで、なんておいしいの!わー、おいしい!
もう一口、もう一口と。本当はこれから食事の準備をしようと思っていたのに、待ちきれなくて。
やめられない、とまらない!
そして、ベランダに生えている三ツ葉をとって刻み、アツアツごはんの上にしらすをたっぷりとてんこ盛り。三ツ葉をチョコンとのせて。モリモリいただいた。
これは醤油なんていらないわ。
そうだ、そうだ。
あー伊勢からいただいたワカメで(パパの部下の女性)、お味噌汁もつくりましょう。
そして、昨日京都で買った「平野豆腐店」のお揚げを直火の網で火にあぶって、ショウガをのせて。
もういいや!どうせ私1人だし!「いただきまーす」。
あーー幸せ。幸せ。やわらかくて、甘くてほんのり潮味。まるみのある海の味だ。新鮮だから、こんなにおいしいんだろうな。
そしてそして。翌日は、これまたボーと1人で仕事をしていたら。
近所のお友達から「たけのこ」の差し入れが!
わーん。待っていました!
もう10年以上前から毎年、毎年頂戴しています、これ。
比叡山近隣のお寺のお庭で(実家が比叡山の塔頭にある寺院)、堀りたてのおいしいたけのこ。3本も!
野性味あふれるたけのこの仰々しい黒皮は産毛が逆立って、
こりゃあ、もう見事に元気。その勇ましいこと。
やつぱり、どこからみてもたけのこは野生の生きものだなーと感動しながら、新聞紙の上において撮影した。
3本並べたら、まるで親子のように身を寄せ合って微笑ましい。
毎年、毎年いただくたびに、ちょっとづつ味が異なっていて、それも楽しい。
さて、今年のお味はどんな味?
さっそく、一番深いパスタ鍋にお湯をはって、「米ぬかお風呂」にどーぞ。丁寧に1時間半も入れてあげました。
おしまいは、Nとパパが翌日に、私のお土産として買ってきてくれたタイ産マンゴー!!
そういえば、その昔タイ産マンゴーのリーフレットやシールやら、ポスターを作っていたことがありましたっけ。
しばらくその時期になると、タイからマンゴーやマンゴスチンがどっさりと段ボール箱で贈られてきたものでした。
これはこれは、と実家にいくつかを送ると父がたいそう喜んでくれたもの!あー、そんな時季なんだなぁ。
これまた、きれいに3枚におろしてお皿に盛りつけ。
フレッシュで甘くて、ねっとりとした果肉は、やはりフィリピン産とは比べものにならない。
台湾産もおいしいけど(バナナは台湾)
やっぱ1番はタイ産だ。
もう娘のNと取り合いになるほどの、新鮮さ。とろっととろの果実でなんて濃い味。
さすが熱帯フルーツの王様!脱帽の味でございまする。マンゴーも5月の味です。
翌日は、タケノコごはんはもちろん、
タケノコとシラスと三ツ葉のパスタや、それに伊勢産のワカメを加えて若竹煮にしたり、焼きめしに少しと天ぷらと。
「しらす」の卵焼きもおいしいーー。
旬のうまいものをわが家で堪能いたしましたとさ。たけのこの苦みは春ならぬ初夏の山の味だなー。ふむふむ。
11日間ものゴールデンウィーク。
こちらは、ずっーと家。などというのもガマンならず。結局は初旬、中旬、後半で3日ほど出掛けてしまいました。
その話しはいずれまた!