月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

美しい日本画と新緑を楽しみに、神戸・御影さんぽ。

2014-05-11 23:38:09 | どこかへ行きたい(日本)




緑の風が5月を象徴している。
夜は寒いけれど、昼間は初夏!水玉のワンピースをひるがえして出掛けたくなる季節である。

週末、日本画家・森田りえ子さんの「花らんまん展」を観に、「香雪美術館」へ行ってきた。





神戸阪急の御影駅。ひなびた小さな駅が可愛らしい。
駅を降りると、おいしそうなパン屋さんやケーキ屋さんが数軒、出迎えてくれる。小さな街なのに、ケーキ屋さんは10軒はある。



御影は初夏がとっても似合う街だ。なぜって、街路樹の木々が素晴らしい。
クスノキや松、サクラ。
樹齢が古い木々が、そこかしこにあって、アザミやたんぽぽなどの小さな花も道端にぽっかり、堂々と咲いている。




豪邸の庭の緑も枝振り豊かで、緑の道を連ねている。







さて、森田りえ子さんの「花らんまん展」は、ある意味想像したとおりだった。
神戸の博物館で見たポスターになった1枚が好きで、それに惹かれて出掛けていったのだが、
大人の階段を駆け上がる途中の舞妓さんの表情がはずかしげて、 バックの咲いたばかりの爛漫なサクラと
溶け合って、ともかくステキな絵だった。

祇園祭での、2人の女性を描いた作品も印象に残る。人物画がよかった。
肌の描き方が色気があっていい。
白梅と紅梅の作品もいい。

ただ松園先生や小倉遊亀などの日本画と比べると、もう少し…、というところか。あまりに綺麗すぎて、少し息苦しい。スキがないのだ。
絵にも陰陽があるといいと思う。華やかな作品の中の、数枚の苦悩とか、迷い、焦りみたいなものが見あたらなかった。

陰鬱な作品が今回ひとつもなかったのが気になった。こういう暗いものも描けたら、絵に深みというか厚みが出るのではないだろうか。
じっーといつまでも見ていたい、明日もみたいなーと思うのではないかしら。(見る時間、みる時の心境で語りかけるものが変わっていく絵はステキだ)

とか、森田さんをよくわかりもしないのに。
失礼なことを書いてしまい、全く検討はずれであれば申し訳ありませんでした。



香雪美術館の庭園でゆっくりと青もみじを感じてから、






ぷらぷらと「弓弦羽神社」へ。
ここは、スケーターの羽生選手の活躍以来、有名な神社になったところだという。




境内に向かう途中の掃き清められた庭と深い森。
見上げれば、緑が降ってきそうだった。ああもう数カ月で夏なのだな、
少し焦る思いで改めて気付く。

緑の葉がゆらゆらと風と太陽を浴びて気持ちよさそうだった。
五月の緑と雨は、目をみはる。
先日の雨もしっとりとして爽やかだった。


このあたりは、北側に深田池公園(鯉の泳ぐ広い池とベンチがあり、ぽーとするには最高の公園)があり、
水際の青い松や柳が沢山あって、本1冊持って散策するのに最高の立地だ。
きっと朝の散策もいいだろうな。


神戸は川や海、松の公園や鎮守の森が街に溶けこんでいて良い。

私の暮らす街とどこが違うって、
やはり街の歳月が違うんじゃないかと思う。年期が違う。樹をみればわかる。


帰りには、ケーキ屋さんを2軒はしご。
「セセシオン」でおいしそうなのを2個買って、御影高杉の本店で
ヌワラエリアと特製ケーキを食べて帰る。