どれもひとひねりした旬の酒肴「酒処てらやま」
6月16日(火曜日)曇り時々雨(2)
細い雨が降る中、少し濡れながら歩く。界隈の文具店を3件まわる。文庫本カバーにするための、洋物のペーパーを買いたかった。
「The writing shop」(ライティングショップ)、京都メイドのペーパーアイテムショップ「ROKKAKU」をまわったところで、予約していた夕ご飯処に。
京都・藤井大丸の間をまっすぐ中へ姉小路御幸町、さらに細い路地へはいる。先斗町から移転してから始めて来訪する「てらやま」(2019年4月にオープン)
カウンター席、大きめのテーブル席1つ。2階席。と以前より広くなった。
アルバイトの女性は2人、マスク姿。てらやまさんは、マスクなし。額に汗をかきながら、きびきびと料理づくりに奮闘されていた。
私たちはカウンター席のコーナー位置に座る。まずは、スパークリングワイン。Nは、レモン酎ハイをオーダーする。背中から心地いい梅雨の風がはいってくる。久しぶりの外食だ。
「藁焼きかつおのお造り」
にんにくチップスとわけぎ、スライスしたオニオンをたっぷりのせて、ぱくっと口にいれた。次のひとくちは練り辛子ものせて。
おーー!ひんやりとした赤身で、血合いの部分など深みのある味わい。なのに、さっぱり、清涼感があるように感じる。最高!といいながら、これまたスパークリングワインを一口やる。
次は「手羽先の唐揚げ」
カラッ衣がしっかり揚がり、中はアツアツ。ジューシーな鶏肉。身が熱いので、ハフハフといいながら。塩やレモンをちょんちょんとつけて、またパクリとやる。持ち手が付いて食べやすい。
ここで、野菜を。「つる紫のぬた」。
しっかりと香りのある酢味噌とこんがりとしたアーモンドの衣をかぶった、つる紫はこれまたうまい。たこも添えてある。
「はもの天ぷら」には、
土佐のスダチをぎゅっぎゅっと搾って、こちらもさわやかに、肉厚のはもをいただく。身の締まりと甘みがいい。
ここで、同じスパークリングワインをお代わりした。
「かも茄子と、白えびの酢醤油」。
ほくほくのかも茄子だ。舌の上で踊る味、食べごたえのあるかも茄子に和風だしが浸み、富山の白えびがさくさくと踊る。これまた最高の酒肴。
もう私はこれで十分に満足をしているのだが、Nが締めにはやっぱり、ここの定番を、というので「和牛炭焼きサンドイッチに行きますか」というと、
「へしこチャーハン」
というのである。
滋賀県のへしこ。
ほどよくピリッと辛味があって、お腹のどこに余裕があったのか、スルスルッっとはいる、軽い食べ心地のチャーハン。締めには至高。
思っていたお会計より2割安かった。これは予約困難な人気店であるのは、仕方ない。
お隣には京都在住の外国人の姿が。
大学生っぽいお姉さまといらしていて、すごい大食漢である。横目でちらちらと偵察したところによると、だしまき、手羽先のからあげ、お造りの盛り合わせ、酒処カレー、和牛炭焼きサンドイッチなどを食していらした。
ソーシャルディスタンス、もそこそこに。当然のごとく、席はほぼ埋まっている。いつもの食処、京都の姿がそこにあった。
コロナ後、しみじみとそぞろ歩き、河原町ではおなじみのフランソワで。クラシックを聴きながらコーヒーで一息。満足のいく一日で、阪急電車へと急いだ。