月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

フランスの片田舎の郷土料理!ビストロスリージェ

2021-04-27 00:30:00 | コロナ禍日記 2021

 

 

 桜をみたあと、京阪電車の出町柳へ。息をはずませて駆け込み、「予約をしていたのに遅くなってすみません」と平謝りした。来店は3度目。フランスの田舎町にあるようなこぢんまりとしたよい店だ。

 白の塗り壁と太い梁を組み合わせたウッディーな内観。アンティーク家具のしつらいや小物づかいに温かみを感じる。鰻の寝床式に奥行きがあり、厨房、カウンター席、テーブル3席の構成。BGMは、くぐもったシャンソンである。

 ちなみに夜もシャンソンがかかる。

 

 ここは、ビストロ好きの間では、ちょっとした人気。例えば作家の千早茜さんなど。フランス各地の郷土料理が味わえる。 

 ランチには、スープと前菜、メーン、デザートかチーズかを選ぶ。(この日は3500円) 

 スープには、セロリと菜の花のポタージュ。山菜独特のほろ苦さと甘みが調和し、最後の一口までおいしい。バゲットもパリッと割ると発酵した小麦の香りがする焼きたて。バターもフランス産のものを使う。

 

 



 

 前菜には、うさぎのパテをオーダー。食べやすく、しっかりと肉の味を感じさせ、脂身に深みをもたせる。食べ応えのある一品だ。ビネガー風味のソースに味付けされたキャロットラぺ、紫きゃべつのサラダもたっぷり添えられている。ちなみに自家製サーモンのサラダも旨い!



 メーンには子羊の煮込み。じゃがいもやにんじん、豆などの野菜と香草を合わせた煮込みで、ビストロの定番。ローストで供されるという予想を裏切り、驚きがあったし、ボリュームもある。 



 

デザートには、3品盛り合わせとご機嫌だ。コーヒー、紅茶、ハーブティー付き。

 



 

 昼から白ワインをのみ、シャンソンに聞き惚れてディナー料理並みの贅沢なひとときだ。素材の旨味をひきたてる濃い味はワインが進むからなのだろう。パリ街区で食べたビストロを思いだし、卵料理やムール貝、エスカルゴなども味わいたくなった。

 

 このあと、昨日、Nと下見をしておいた京都御所の糸桜と、同じく台湾茶のお茶処「福到」もYちゃんに紹介、立ち寄る。曇り空の昨日とうってかわって明るく咲き誇る桜がみられた。見る相手で花の色香も変わる。いよいよ、京都の桜は満開まで1週間の、華やかな季節がはじまる。