月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

2021 関西の桜巡礼 京都御所(1)

2021-04-19 22:22:00 | コロナ禍日記 2021

 

 

3月19日(金曜日)晴

 

 明日、Nが東京へ帰るので、関西の桜を見て欲しいと京都御所へ。阪急電車、京都地下鉄と乗り継いで「今出川」で下車。同志社大学の校舎を通り抜けるが、生協は閉じられ、学生はぽつり、ぽつり……。春休みのせいもあるだろうが、コロナ禍の閑散としたキャンパスである。

 

 

 同志社大学から同志社女子大学の正門へ入るところを、森林のほうへ渡ると京都御所の敷地内だ。青松をみながら、ざくざくと砂利道を歩いて、右手が近衛家の邸宅跡。かつての庭園にあった池は今も「近衛池」として残り、邸内にあった糸桜はいまもなお、京都の春をいち早く告げ、親しまれている。

 

 京都は桜の開花宣言をしたばかり、こちらなら咲いているだろうと期待してやってきた。

 着物の女性を何人かみかける。緑の松と桜が同じ敷地内に、同じ力で魅せてくれる。御所という場所柄もあり、「浮世絵」をみている心地になる。糸桜はピンクというよりは、花が白く、繊細にたれこめる。

 

 






 

 まだ開きはじめたばかりの花の枝も多い。咲き誇っているというより、ぼんやり咲いている。松もぼんやりとしている。(京都らしく、おっとりとしているというほうが合うのだろう)。いまの波長と似ているのだ。

 

 せっかくなので、敷地内を歩き回ってみた。

 花のよくみえるところに、長いベンチがあったので休んでいると、隣に中年のおばさまたちが3人で座っていらっしゃり、おしゃべりが聞こえてくる。すごい、はしゃぎっぷりで楽しそうなこと。

「きれいね、よかったわね」「こんなに楽しいなんて、昨年はこられなかったからね。ことしはいいわね」「わたしたち、コロナにはかかっていないから、ちょっとくらい、しゃべっても大丈夫なのよ、ぜんぜん平気よ。ねー」と。学生も顔負け。おかしくて。わたしは桜のほうに顔をむけたふりをして、苦笑。

 

「ねえ、なにを笑っているの?」「黙って聴いてごらん」とわたし。一人で花をみるより、おばさんや子どもたちやカップルたち、そしてNともに桜の花をみられて、さらに幸せな気持ち。

 出町柳まで歩いて、台湾茶のお茶処「福到」へ。新しい店だった。奥行きがあり、坪庭もみえる。

 

Nは桂花烏龍茶、わたしは阿里山金萱烏龍茶で。

 





 

 清々しく、後味にほんのりと甘みの余韻がひろがる。美しい、いいお茶だった。香り、のど越しに。台湾の時間に思いを馳せた。

 友人へのおもたせに、阿里山金萱烏龍茶を購入する。

 

夜は、ちょっとだけ。ということで昨年末以来のイタリア料理「カンティーナ・ロッシ」に足をのばす。

 前菜とパスタを2種ずつ。赤ワインで乾杯!

 「たことじゃがいも」の前菜。ほくほくのじゃがいも、たこは柔らかくむちっとしているのに、喉に落ちたら、サッパリ。春たこはやっぱり格別。トマトとモッツアレラのカプレーゼも美味しい。

 ほか、ゴルゴンゾーラのパスタ。菜の花とからすみのペンネで。両者、濃厚でワインに合う。

 上品で可愛いマダム。安心できる豪腕シェフ。帰り際にコロナ禍での営業形態など会話した。少し前、緊急事態宣言も解除され、京都らしさを満喫した一日!  










 


 

 



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