月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

ありふれた日の余韻をすくう

2020-05-16 12:33:00 | コロナ禍日記 2020

4月19日(日曜日)

 

 6時に起きて1時間半お風呂。バスタブの中でBlogを書き、本を読む。

 朝食をふたりで食べ、すぐに部屋にこもって隣室からこぼれ出るテレビの音を聞きながら、しばしネットをみて、続きの本を読もうとする。が、ことばがバラバラになって理解に苦しむ。昨日、原稿を手放した(提出)ので急ぎの仕事はない。こんな時だからこそ、書いてみたいテーマを綴ろうとするがうまくいかない。

 

 午後。篠山まで食材を買いにいこう! と誘われ、原稿が気になりながら外出した。

 鬱々した気持ちのままで車の助手席にのったものの、郊外はすっかり新緑が始まっていて、山の峰々がまぶしい。黄緑、黄色、萌葱色、薄緑に色めきはじめている。山と山の間、渓流の谷間をぬけて、ドライブ。川西から能勢、丹波篠山への1時間15分の道のりである。

 丹波篠山の福生町は、「歴地的美観地区」に指定されているという。狭い道路の両脇には古民家が続き、郵便局や、ぽつりぽつりとイタリアンカフェ、そして「マグナムコーヒー」がある。先週水曜日には、店内で過ごすことができなかったので、今日は1時間近くいた。

 道路の向こう側には、散り際の八重桜だろうか、濃淡のある緑とピンクの木々を眺めながら、カウンター沿いに陣取って、コーヒー、ホットチリドッグをぼーーっと齧る。わたしはこの日、シナモン入りのフレンチトースト、マグナムブレンドをカフェラテにしてもらっていた。

 




 豆は深炒りで余韻は長く、ブラジル産特有のコクがありながら、ナチュラルで飲みやすいオーガニックコーヒーだ。山と山の狭間にある丹波篠山の隠れ家だから、こんな贅沢でのんびりとした気持ちになれるのだろうか。まさに止まり木、という言葉。そのものだ。

 



 

 帰り際。「なりとぱん」とひらがなで書かれている、パン屋さんをみつけた。オーガニック小麦粉を使用した無添加のパンを供しているという。

 バゲット、クロワッサン、めんたいこブレッドほか、5種のパンを購入。結構な値段だったが、国産のしかもオーガニック小麦を使用ということなら致し方ない。むしろ、口に入れられることを喜ぼう。

 素朴でやさしい粉。まるでおばあちゃんが仕立てたみたいな懐かしいパンだった、

 

 夜ごはんは、少し疲れたので、コーンビーフと薄切りタマネギを炒めて東京・銀座デリーの「カレー」を温めてサッとインドカレー。作家・森瑶子さんが忙しい日につくったレシピ。ゆで卵とグリーンサラダを添えて。サッポロクラシックでささやかに乾杯!

 

 9時〜おうちシネマ「アマンダと僕」を観た。

 



 

 24歳の青年ダヴィッドは、穏やかな日々を暮らしていたが、ある日突然の悲劇に見舞われた。姉のサンドリーヌが帰らぬ人になってしまったのだ。取り残されたのは7歳の娘アマンダ。いわゆる、かわい子ちゃんではない、小憎らしい娘(笑)。ダヴィッドは唯一の肉親としてアマンダの面倒みることになる。

 共に深い哀しみを抱える2人に、やがて絆が生まれていく。暗いテーマを扱いながら、現実を直視して淡々と生きることで苦悩を乗り越えていく姿をみる。

 

 



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