で、『海底軍艦』を観た後、そのまま同じ東宝シネマズ仙台で、『室町無頼』を観ました。
一言で言えば、面白いです。
ですけど
なんというか、「軽い」ですね。
時代劇という観点から観ると、重厚感が足りないなあ、と思ってしまった。
私にとっての時代劇の標準は、やはり三船敏郎や萬屋錦之介、若山富三郎になっちゃう。そこから観るとどうしても
見劣りしてしまうね。
でもそれは仕方がないことなのでね。そうした中で、どれだけ面白いものが提供できるか。そういう点では
よくやってる。
時代劇というか、アクション活劇としてよく出来てます。
ストーリーはとてもわかり易いし、アクションに至るまでの感情の爆発のあり方がとてもリアル。無理矢理なアクションはほぼないと言っていい。
棒術の修行シーンはほとんど『酔拳』だし、かと思えば突然マカロニ・ウエスタン風の音楽が流れるわ、大泉洋と堤真一の目のアップから斬り合いが始まるとか、なるほどセルジオ・レオーネが好きなのね~ということがよくわかるんだけど。
この音楽がどうにも中途半端。どうせやるなら映画全編こういう音楽でやればよかったのに、部分的なものだから、なんだか違和感を感じてしまうし、せめてもう少し、必殺シリーズ並のカッコイイ音楽を追求して欲しかった。ホント
中途半端。
それでもアクション・シーンは迫力があり面白い。特に一揆のシーンね。あれは凄い。人の数が多いだけでなく、後ろの方にいる人たちもちゃんと戦っているところが凄い。つまり後の方の人たちにまで、ちゃんと演出をつけているということですよね。
こういうところ、手を抜かないところがいい。
昔、『天と地と』とかいう映画があって、川中島の合戦シーンで、足軽役のエキストラさんたちの動きが、単に棒を持ってじゃれ合っているようにしか見えない、最低のシーンになっていたことがあります。手を抜くと途端にそうなるもの。
手を抜いたらダメなんですよ。当たり前のことですけど。
大泉さん、殺陣はかなり頑張っていたと思う。それなりに見栄えのするものにはなっていたと思う。
それと堤さんね。この方は元々ジャパン・アクション・クラブにいた方だから、アクションは本来得意だし、殺陣も上手い。ラストの一騎打ちのシーンなど、抜刀して刀を構えるまでの一連の動作にまったく無駄がなく、惚れ惚れするほど見事な動きで、もう明らかに大泉さんより強い(笑)。
うん、堤さんが良かった。大泉さんは、頑張ってました、ということで。
ともかくもアクション活劇としては本当に良く出来ています。ただ観終わった後あまり残るものがないのも事実。重厚感とか哀感とか、心にずんと来るものがない。
その点が残念、かな。
面白いけど、なんかこう、物足りなさが残る。そんな映画。
でもとにかく、時代劇を作ってくれたことには、感謝申し上げます。
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