なんかね、『ゴジラXコング 新たなる帝国』のことを、「令和1のバカ映画」と称する向きもあるようで、その点については
私も、否定は致しません(笑)。
頭空っぽにしてなにも考えず、ただただ楽しめばそれで良い。
でも、敢えて言うならば、これはただの「バカ映画」ではないのです。
これは
「おバカ映画」なのです。
真面目に真剣に「バカ」をやる、これすなわち
「おバカ」。
まさしくこの映画は、「おバカ」そのもの。
遊びというのは、真面目に真剣にやらなければ面白くない。とは、よく言われることです。
例えば『大怪獣のあとしまつ』という映画がありますね。あれは、不真面目に適当に遊んだ、つまり怪獣映画というものを
舐めて撮った映画です。だから
つまらないのです。酷い、最低な映画なわけです。わかります?
『ゴジラXコング…』を撮ったアダム・ウィンガード監督は、本当に心から真剣に
真面目に
バカな映画を撮っている。
どうすれば面白い怪獣映画になるか、そこを真剣に真面目に考えて撮ってる。だから、例え一見バカに見えようとも、
その真面目さが
その真剣さが
面白い、とことん面白い「バカ映画」を生み出した。
その作り方は極めて真っ当であり、ある意味
「賢い」とさえ言えるのです。
一見バカだけど実は賢い。これすなわち
「おバカ」也。
賢いと言えば、この映画には裏テーマとも言うべき深遠なテーマが隠されている、と私は看破しました。
どんなテーマかって?それはあーた。
実際に作品を観て、あーた自身で感得して下さいな。
ヒントは、コングと聾唖の少女、この二人(?)の行動、決断にあり、『新たなる帝国』というタイトルにも、隠されている、と私は視ましたね。
どうです?私もかなりの「おバカ」でしょ(笑)。
おバカは一日にして成らず。
ずっと以前、芝居の先生に教わりました。
「遊びこそ真剣に」
ところで「おバカ」という言葉、私はよく使うのですが、その出所は「クレヨンしんちゃん」の、みさえさんの台詞からでした(ププッ)
あ!ゴジラ大好き。
この映画はね、ホントに何も考えずに没入できる。せっかく真剣に遊んでいる映画なんだから、観客も真剣に遊ばなきゃ意味ないです。ツッコミを入れようと思えばいくらでもツッコめる。でもそんな野暮なことはやってはダメな映画です。とことん楽しむ。
ゴジラはメッチャ強いしかっこいいけど、猫みたいに丸まって眠るところとか妙に可愛いし、コングは腕っぷしの強い頼りになるお父さんといった感じで、類人猿だから表情も豊か。なにを考えているかよくわかる。
コングとゴジラの関係性なんか、ヤンキー同士の喧嘩友達といった感じで、両者がボコボコにやりあっているときにモスラが現れて仲裁に入る。この辺はもう完全ヤンキー映画。一方で人間ドラマは結構泣かせるし、笑って泣いてハラハラドキドキワクワクして、こんな楽しい映画はないです。
早くも今年度№1です。間違いない(笑)。