テレビドラマのアカデミー賞と言って良いエミー賞に、『SHOGUN 将軍』が22部門25ノミネートの快挙を成し遂げました!
中でも凄いのは、主演男優賞に真田広之。主演女優賞にアンナ・サワイ。助演男優賞に浅野忠信と平岳大がそれぞれノミネートされていることです。
アンナ・サワイ以外は日本語しか喋っていない。それでノミネートされるなんて、ホントに凄い快挙です。『ゴジラ-1.0』にしろこの『SHOGUN 将軍』にしろ、日本独自のコンテンツである怪獣映画と時代劇ということが、特筆すべき点だなと思いますね。
ちゃんとした怪獣映画、ちゃんとした時代劇を作れば、十分世界に通用することが証明されました。素晴しい。
まだまだ、まだまだやれる。
『SHOGUN 将軍』は史実を基にしているけれども完全なフィクション。でもしっかりとした時代考証のもとに、ちゃんと日本文化を描いているから、日本人の目から見てもちゃんとした時代劇になっているところが良いんです。
ハリウッドにありがちな「トンデモ日本」ではない。
まあ、私個人としては「トンデモ日本」は、あながち嫌いでもない。
フィクションとして、エンタメとして面白く出来ていれば、まあいいかと思っちゃう。
でもそれは、あくまでもフィクション、エンタメの範疇での話。それが事実であるかのように流布されるのは違う。
なんかね、最近安土桃山時代の頃に、日本では「黒人奴隷」が流行っていたなんていう、明らかな嘘が、さも事実であるかのように世界に拡散されているとか。
ふざけるな!って話。
織田信長に仕えた弥助という黒人さんがいたことは、いくつもの文献に記述があるのでこれは史実です。
キリスト教宣教師が連れて来た黒人奴隷を、信長に献上したもので、信長はこの黒人さんをいたく気に入り、「家臣」として使えさせた。
奴隷ではなく、「家臣」なんです。
日本に奴隷がいなかったとは言わない。実際、奴隷の如くに扱われていた人たちはいた。ただ法的には禁止されており、日本の奴隷は非合法なものでした。欧米的な意味での「奴隷制度」は日本にはなかった。
これが史実。
ましてや、大量の黒人奴隷を輸入していたみたいな史実は一切ない。これもまた史実。
エンタメ、フィクションの領域でなら、弥助を英雄的な「侍」として描こうがどうしようが、まあ良しとしましょう。実際には弥助は侍ではなかったと思われますが。
例えば徳川家康に仕えた三浦按針(ウィリアム・アダムス)は、士分に取り立てられ名字帯刀を許されたからこそ、「三浦」という名字が与えられた。でも弥助には苗字がないですよね。つまり
士分には取り立てられていない、「侍」ではないと思われます。
まあ、その点はエンタメ、フィクションとしてなら侍として描くのも良しとしますが、黒人奴隷云々とかいう、明らかな「歴史改ざん」が拡散されるのは、絶対に許せない。
なんとしてでも阻止せねば、取り返しのつかないことにもなりかねない。
ホント、ふざけた話だ。
なにはともわれ、エミー賞ノミネート、
おめでとうございます。
受賞したらいいね。
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