歴史小説とは、実在する資料を基に事実不明の事案を作者がさもあろうと推理しながら筋
たて作者なりの結論を導きだしているものと強く感じさせる一冊。
忠臣蔵=元禄赤穂事件を「そんな歴史あったよなぁ」ぐらいしかご存知ない方にお勧めかなぁ?
史実に基づいて解説調に物語が進行するのでわかりやすいかも。
内匠頭が刃傷に及んだ理由がいまいちインパクトに欠ける気もしないでもないですし、吉良邸討ち入りの描写もあっさり=ほぼ実際であったであろう内容に基づくとこんな感じ?小説的には、迫力を欠くのか?
しかしダブル主人公である。大石内蔵助と柳沢吉保の個性はなかなかいい感じで表現させれてます。あえてその他の脇役の個性は控えめにしたのか?
元禄14年3月14日、勅使登営の当日。赤穂藩藩主浅野内匠頭が突然、江戸城内松の廊下で高家筆頭吉良上野介に斬りかかった。内匠頭は即日切腹。残されたのは『覚えたるか! 』という不可解な一言と事件の謎。なぜ、浅野は吉良に襲いかかったのか。なぜ、勅使の登城は予定よりも早められたのか。
刃傷事件の真相を探る大石内蔵助は、内匠頭の正室、瑶泉院から吉良との気になるやり取りを明かされる。折しも着々と進む討入りの準備に、江戸にいる暗殺急進派の堀部安兵衛より横槍が入る。一方、堀田将監を通じて、内蔵助らの動向を把握していた柳沢吉保であったが、その情報から極秘裏に進めていた桂一計画と刃傷事件の関連に気づき――。物語が大きく動き出す。
ついに明らかになった刃傷事件の真相。赤穂藩、幕府、朝廷を巻き込んだ情報戦争は最終局面へ。運命の討入り当日、四十七士の面々と亡き主君のために奔走した大石内蔵助の胸に去来したものとは――。そして桂一計画を実現させた柳沢吉保が見たものとは――。「忠臣蔵三百年の謎」を解き明かし、日本史上、もっとも有名な物語を全く新しい解釈で描きなおした一大巨編。
上350P・中287P・下315P
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