
本能寺の変の真相に迫る物語。
なぜ?明智光秀は信長に対して謀反を企てたのか?
実際の真相は光秀のみぞ知る。
議論されてる説としては、光秀単独による怨恨説、野望説、そして黒幕陰謀説が主。
この作品は、朝廷の陰謀により信長が本能寺にて死す。(燃ゆ)主説のひとつ。
筋としては、あまり意外性がなく黒幕も早々に登場するので推理と言う点は、皆無。
しかし信長物語にしてはめずらしく本能寺の変前約1年半の出来事に絞った信長の葛藤と朝廷側・黒幕近衛前久との駆け引きが中心。
本能寺の変の主役であるはずの光秀は脇でも隅の方の脇役。このあたりが私的には、物足りないかなぁ・・・・
いきなり上巻冒頭で信長死す。
その本能寺での戦闘シーンはなかなか♪ここまで信長の死に様を描いたものも少ないのかと。
最後まで読んで冒頭シーンを今一度読んでしまいますね。間違いなく。
そのワンシーン
時間が止まったような一瞬の静寂があり、信長の顔に凄まじい憤怒の相が現れた。
「シャアー」
人のものとも思えない甲高い叫びを上げると、相手の眼球を手槍で突き刺し、左右にねじり回して頭蓋を切り割った。
それが、信長がこの世で討ち取った最後の敵だった。
「天下布武」―武力を背景に世を変革してゆく信長は、天正九年、安土を中心に磐石の体制を築いていた。だが、巨大になりすぎた信長の力に、好誼を結んできた前関白・近衛前久らの公家も反感を持ち始める。武家と朝廷の対立に巻き込まれながら信長に惹かれる東宮夫人・勧修寺晴子、信長に骨髄の恨みを忍く忍者・風の甚助ら、多彩な人物をまじえ史料に埋もれた陰謀を描く本格歴史小説。
「王権守護」──甲斐武田家を滅ぼし、さらに勢力を増した信長は、いつしか朝廷の禁忌に触れつつあった。ついに信長への離反を決意する前関白・近衛前久。朝廷に身を置きながら、信長と深く結びついてしまった東宮夫人・晴子。信長というあまりにも大きい存在に畏怖と動揺を隠せない明智光秀、羽柴秀吉。周到な陰謀が、天下人を追いつめはじめ、すべての意志が本能寺へ結集する。
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