南仏の夏は陽が長く、そんな太陽の恵みに、不謹慎にもついつい労働時間
を伸ばしてしまいます。結果、ご報告がこんな遅くなってしまいました
が、7月の始まりとともに、買い付けのひとり旅を続けています。
今回も、旅の途中で出会った気になるものたちを、ほんの少しご紹介しま
しょう。
リキュールもしくは調味料の小瓶。
花の開いたような口許に熟れた果実のような膨みが魅惑的な吹きガラスの
小瓶を並べてみる。
足の有るもの、ないもの、曇り具合いの違うそれぞれのガラス。
吹きガラスのゆるい風合いに角を付けるカットで図られた質感の均衡が心地良い。
譲ってくれた初老のマダムは、彼のゴッホも憑かれたリキュールの瓶だ
と、フランス語がからきしの僕に、身振り手振りも混じえて一生懸命説明
してくれるのだが、ゴッホが中毒だったと言われる昔のアブサン (昔のアブサンには中毒性があったっとか)のカラフェなのだろうか?
ビネガーやオイルの容器にも見えるが。
そんなことで、真偽は確かではないが、どことなく食虫植物を思わせる佇まいに、毒の余韻が微かに残るようでもある。
1888年にゴッホが生きた村、アルルより。
※こちらの品は既に南仏より発送済みで、間もなく店頭に並びます。
マルツ