Frany's Yard

Frany's Yardはトリュフのスタッフたちが、アンティークの話、日常の中の嬉しい、可愛い、心地いいことを綴ったミニコラムです。

マザーウォーター

2011-08-15 11:15:49 | Weblog
「もたいまさこの食いしん坊万歳」

トリュフからも、椅子やテーブルを撮影に提供させていただいたので、
すごく観たかったのに、忙しさにかまけて見逃してしまった映画「マザーウォーター」。
マルツにDVDを借りて、ようやく観た感想は、一言で言えばこんな感じです。
とにかくもたいまさこが、ほとんどの出演シーンで、何かしら飲み食いしている。
トリュフの椅子やテーブルも確認できたし、楽しかったとしてもいいのですが、
これだけじゃあんまりなので、もう少し。

登場人物は皆、徒歩で移動する。
乗り物には乗らないし、走りもしない。
歩き方もゆっくりで、そういえばサンダル着用率も高い。
公開時の宣伝で、京都を舞台にと言っていたと思うが、
作中では「ここ」、「この辺」、「この町」としか呼ばれない。
主要な登場人物も京都弁(関西弁)は使わない。
タイトル通り水を身近に感じられる、架空の小さな町を舞台にしている。
この辺の住人(含む俺)なら、見覚えのある水も多い。水源は色々。
そんな川や疎水や地下水脈のように、どこかからこの町に流れてきて、
ひと時混ざり合うような人々の暮らしが淡い濃度で描かれる。
年齢はばらばら、下は1歳半ぐらいから、上は年齢不詳まで。
人物の背景はあまり語られないが、皆何かしら事情があったりなかったりするようだ。
毎日の生活や交わす言葉の端々に、時に現れたりもする。
合流し分流しながらも、それぞれの流れは続いていく。
きっといつか海に帰っていくのだろう。

どうしても抽象的になってあらすじになりません。
ともすればネタバレになりそうなので、断片的な印象だけを。

個人的に好きな役者さんばかり出てくるので、知ってる場所で、彼ら彼女らが動いてるだけで嬉しい。
京都の方はいらっしゃらないとは思いますが、京都の人間より京都っぽいですね。
シリーズの「かもめ食堂」、「めがね」、「プール」でもロケ地の方よりそれっぽかった筈。
「プール」は未見ですが。

京都をロケ地にしたこの映画の味は、左京区出身の私には驚くほどなじみのある物で、
京都的と言うより左京区的、と言ったほうがしっくり来る。
ロケをした場所も店も、左京区が多く、知っている所もちらほら。
想像以上に近所でやってたようです。知らんかった。
もっともお店や神社など左京区以外の場所も出てくるし、
左京区から伏見区まで10km程を、徒歩で移動しているような気もするが気のせい気のせい。
あくまで「この町」の話で、味のベースは左京の出汁という感じ。
作中出てくるお料理は、飯島奈美さんのお料理なんですけどね。
相変わらず、うまそうです。
エンディング近く、もたいまさこが、市川美日子さんと公園で食べる玉子サンドは、「コロナ」がモデルでしょうか。
すごくおいしそうだった。(特典映像にレシピ有)
住宅街の普通の公園で、日常の一部としてこんなお弁当を食べる幸せ。
ちょっと努力すれば誰でも手が届く、そんな幸せの見本。
俺さえ頑張れば、明日にもできます。
その見本を示してくれた、この映画は私にとって思い出の作品になることが、俺会議で決定しました。
今度DVD買います。

映画本編もよかったが、おまけの特典映像も楽しめた。
特に市川美日子さんが京都を散策される、「イチカワの京都散歩」がよかった。
疎水、哲学の道界隈の場所を散策される、京都一人旅のお手本のような経路。
途中トリュフに来てくれてもいいんじゃないか?と思う程近所の場所出すぎ。うらやまし過ぎ。
経路として考えると順番がおかしいところはありますが、編集の都合でしょう。
初日最後に「コロナ」で玉子サンドを食されますが、コロナのじーさん現役だったんだ。
齢90は超えて居られるはずだが(調べたら96歳だそうです。)、動いておられる映像を見られたのは眼福。
今度是非行ってみよう。と言うか早く行かないと。



鑑賞後散歩に出たくて仕方がなくなって、作中に登場した玉岡児童公園に行ってみた。
もたいまさこが藤森神社で水を汲んでたのと同じ、タイガーの「SAHARA」には、
公園のすぐ近所の赤の宮神社でいただいた水が入っております。
豆腐は浄土寺の高松豆腐店の物。
さすがにこの場で一丁食いはしませんでしたが。
地元の水と年寄り(高松さんは80代です)に、感謝するのも、
この映画の余韻を楽しむには似合っていると思うので。

あと出演シーンは少ないですが、以前雑誌の取材でトリュフにいらした、
伽奈さんが重要な役で出演されています。
雑誌の取材時には私も店にいたのですが、お顔も確認できない程の一瞬のご滞在でしたから、
一方的にご縁を感じているだけなのですが、ますますのご活躍を祈念しております。
とまぁ、そんな素敵な映画です。
機会と興味のおありの方は是非ご覧ください。

sabae

もたいまさこさんだけ文中敬称略にて失礼いたします。「もたいまさこさん」って字面がどうにも嫌だったので。




裏庭日記 v6.0

2011-08-03 18:58:37 | 裏庭日記
店の前の通りを下校する、小学生の行列を見かけない。
そう言えばもう夏休みなんだなと思いながら、
下校児童たちの喧騒が聞こえないのも少々寂しい。
毎年の事とは言え、夏休みは子供達には楽しみにしていた大イベントだろう。
親御さんたちには、ご苦労様ですとしか言いようが無いが。
sabaeです。
お久しぶりです。
長いブログ休みでした。

今年の春も裏庭では、色々花が咲いてくれ、ミツバチはじめハナバチの仲間やアブ、チョウ達が受粉してくれてました。

(ツクシノバラとマルハナバチ)


花の季節はまるっとスルーしてしまいましたが、実の収穫のご報告。



巨峰です。
実が小さくて、不ぞろいですけど巨峰です。
苗を買ってから3年、ようやく実を付けてくれました。
実が熟すのが早すぎる気もしますが、屋内で天井が半透明のプラスティック波板なので、ちょうどビニールハウスのような環境になっているせいでしょうか。こいつはマルツが世話をしているので、是非味わわせてあげたいのですが、丁度買い付け旅行中。かと言って収穫しないわけにもいかず、撮影の小道具にした後、マルツの娘達に進呈。2粒分けてもらった。
小粒で酸味は強いが、甘みもしっかりあり、好きなタイプの味でした。



ブルーベリー。
2株ある内の1株が沢山実を付けました。
ちょっと欲張りすぎたかとも思いましたが、充分大きく育ってくれて、連日収穫に勤しんでおります。
あまり鳥に狙われることも無いようで、それって味がお気に召さないと言うことかと、若干寂しい気もしますが、ゴミを漁るカラスにも、登下校時の児童にも見向きもされていない。
いや、良いんですけどね。管理が楽で美味しいので、もう何株か増やして、ジャムが作れるぐらい育てようかとも思っております。

しかし最近の児童はお行儀が良いと言うか、コンプライアンスが行き届いているというか、そこらへんの家に成っている果物を盗んだりしませんね。
私が子供の頃などは、食べられる実は人んちの庭に忍び込んでまで、盗み食いしていたような。柿、枇杷、柘榴、無花果の大物から、スグリ、グミなど小物まで。山に入って、自生してるよく分からない実まで口に入れていたので、今にして思えば相当危険な気もしますが、友達の誰かが詳しかったりして生きながらえたようです。

先日疎水沿いを歩きながら通勤しましたが、道々植わっている木など見ていると、ビワやヤマモモが実をたわわに実らせている。にも拘らず、誰も食べない物だから歩道が落ちた実で埋まってました。この辺の鳥達は舌が肥えてやがるのか、はたまた味の悪い実なのかは分かりません。ひょっとして山に食べ物が多くて、里まで来なくなっているとしたら何よりですけれど。
誰も食べなかった実を少し寂しく眺めながらも、食べる相手が居ようが居まいが、毎年実をつける木々を頼もしくも思ったり、去年と同じ夏が巡って来ることを幸せに感じたりしながら、日々働いております。

sabae


Tom Waits "Glitter and Doom live"