Frany's Yard

Frany's Yardはトリュフのスタッフたちが、アンティークの話、日常の中の嬉しい、可愛い、心地いいことを綴ったミニコラムです。

Deus

2006-10-29 15:54:40 | Weblog
今日は、sabaeです。

久しぶりのカタログ、catalogue autumn 2006への沢山のご注文、有難うございました。お気に入りの品を見つけていただけたこと、スタッフ一同何よりの励みになります。今度は発送で大忙しですが、がんばって乗り切れそうです。とは言え、まだまだ素敵な商品が残っていますので、覗いて見てやって下さい。


珍しくショップスタッフらしい書き出しで恐れ入ります。
トップページやカタログに、ちょこちょこ登場してもらった、「鹿ケ谷ウェアハウス(仮称)」のシンボル、鹿ケ谷カボチャ。
安楽寺のかぼちゃ供養ぐらいにしか使われない物ですが、ユニークな形を生かして小道具に成ってもらっていました。
さてカタログ撮影も終わり、残ったカボチャ君をどうしようかと考えていたのですが、時期的にぴったりと言うことで、ジャック・オー・ランタンにしてみたのが写真です。

スゴイ悪そう。

もうすぐハロウィン。お菓子を用意して、甥や姪や友人達の子供を迎えようかと思います。

「お菓子くれなきゃいたずらするぞ!」
なんて不条理なんだ、子供って!


sabae

裏庭日記 v2.90

2006-10-26 16:51:15 | 裏庭日記
昨日「冷めた~い」だった、自販機のコーヒーが、今日「温か~い」に変ってることに季節の移り変わりを感じるこの頃、如何お過ごしでしょうか。
ここ数日涼しい日が続き、すっかり秋めいて来ましたが、ここ何年も京都では秋らしい時期が短い気がします。
昨日まで夏だったのに、いきなり冬かよ!?ってな感じで。正に「冷た~い」から、ある日突然「温か~い」に変わる感じです。
あの、その中間の「ぬる~い」を設定して貰えませんでしょうか? sabaeです。今晩は。
皆様(恐らく)ご存知の通り、「寺町ウェアハウス」は鹿ヶ谷に引っ越しました。
更にトップページでお知らせしておりますように、WEBカタログの製作の為、ウェブショップの更新が滞っておりますこと、お詫びいたします。
せめてブログだけでも更新しようと思っていたのですが、ままならない状態で、この事にもお詫びいたします。
体ガッタガタなもんで。

寺町で過ごした日々に思いを馳せると、様々な思い出が蘇ります。その一部を「Frany's Yard」に書いてきた訳ですが、色々と書き漏らした事も多いです。
今回はそんな思い出の中から、「寺町ウェアハウス」で最も驚いた出来事について書きたいと思います。



あれは1年程前、とある肌寒い夕刻。
いつもの営業を終え店を仕舞う作業をしていた時、看板を片付けに行ったマルツが僕を呼びに戻って来た。

「看板のトコに鳥が落ちてる~。」

何だよ、スズメかハトでも落ちてんのか?
しょうがないなぁ鳥位で、僕が処理してあげようか。カラスだと流石にデカイからいやだけど。
などと思いながら、マルツが指し示す場所を見たら、この何ちょっとこの写真のこれこのこれ何このデカイこのこれ?!!!
どー見ても猛禽なんですけど!!!
これが、このこれが、足を上にして落ちていました。

まぁ皆落ち着け。いやまず俺が落ち着け。
現状を確認してみよう。目の前に落ちているのはタカか猛禽類。で、ここはどこ?
確かに御所がごく近くにあるので、鳥や虫は多い区域ではあるが、寺町丸太町と言えばそこそこの街中なんですが。
トビなら良く見かけるが、野生のタカなんて見た事が無い。
そもそもなんで落ちて(死んで)るんだ?ま、まさか鳥インフルエンザ!?
疫病だったらそこら辺に埋めるわけにもいかないだろうし、そもそもそんな地面が無い。いや疫病なら俺が既に危ないのでは?
などと考えているその時、唐突に起き上がる猛禽。

「よかった生きてる!」

とほっとしたものの、猛禽の意識は朦朧としている様子。
かろうじて起き上がったものの、目で我々を追うのが精一杯という感じ。
どうしたものか考えあぐねているところに、「寺町エースビル」の隣人「ギャラリー啓」さんとそのお客さんが、騒ぎに気付いて見に来てくれた。
状況から見て、ビルの壁に衝突して落ちてきたのではないか、と皆で推測。
だんだん元気が出てきて、ちょっと羽ばたいたり出来るようになったものの、飛ぶことは出来ないようで、何らかの治療が必要な様子。
「ギャラリー啓」さんが調べられる範囲の獣医全てに電話を掛けてくれたのですが、残念ながら開いている獣医は無かった。
そのかわり岡崎動物園に連れて行くことを勧められたので、翌朝連れて行くことに。
「ギャラリー啓」さん(とお客さん)のおかげで対策は分かったものの、問題は翌朝までどうするか。

捕まえて保護しなければならないのですが、僕もマルツもビクビクもの。
だってあの爪ですよ。腕もげますよ。
マルツが大き目の毛布を持ってきて捕まえようとすると、羽ばたいて走り回る(飛べない)猛禽。逃げ惑う2人。
助けてやるんだから動くなよ!走り回った後力尽きたようにコケてるし!
ほうほうの体で保護したものの、用事のあった僕は退場。あとはマルツにまかせた。

翌朝「寺町ウェアハウス」を訪れた僕を、疲れきった表情のマルツが迎えてくれました。
「徹夜か!?」と驚いたが、そんなことは無く、ただ前日遅くまで掛かって猛禽小屋を作り、当日も朝早くから様子を見に来ていたらしい。
言われてみると部屋の中に、たくさん穴の開いたダンボール箱が。これか猛禽小屋って(笑)。
中には水と肉っぽいものが。なんか拾ったネコのような対応ですが、素人にはこれが精一杯でしょう。
早くプロの手に引き渡すべく動物園へ。

対応してくれた若い女性職員が、ダンボールハウスを開いた瞬間に暴れる猛禽。「うわっ」と小さく悲鳴を洩らしつつ蓋を閉じた職員さんは、それでも一瞬見ただけで「これはハイタカと言う鳥です。」と説明してくれた辺りサスガ。
別室からゴツイ手袋を携えてきた職員さんは、再び蓋を開け、タイミングを計って鮮やかにタカを取り押さえた。
その後翼を調べ、脚を持って数回羽ばたかせて、翼に損傷の無い事、恐らく脳震盪だが、脳内出血の可能性もあると話してくれた。手当ての経過は、後日ハガキで教えてくれるとの事でした。

帰りの車内で「職員さんかっこよかったなぁ~。」と鮮やかな捕獲ぶりに関心しつつ、前日の自分たちの姿を思い出す2人がいた。

数日後届いたハガキで、元気になったハイタカが野生に戻されたことを知り、「ギャラリー啓」さんに報告したところとても喜んでくださいました。
こちらこそ、お世話になりました。


こんななかなか体験できない思い出もある「寺町ウェアハウス」。
隣人の皆さんにも良くして頂いて、引っ越すのを寂しくも思ったものでした。
なにより大勢のお客様との出会いのあった場所です。楽しくお話させていただいた思い出に、名残り惜しさはあったものの、現在鹿ケ谷にて働いてます。

sabae


FM COCOLO