Frany's Yard

Frany's Yardはトリュフのスタッフたちが、アンティークの話、日常の中の嬉しい、可愛い、心地いいことを綴ったミニコラムです。

今日のいっぴん その6

2010-10-28 19:22:47 | 買い付け日記
昨日は、買い付けのファイナルだったが、午前中から雨に降られて、
屋外のアンティークマーケットは、売る方も買う方もなんだか、
やる気も失せた感じ。
雨の降り出す前の、早朝に買った物たちの、送り出す準備に集中することに。
それでも雨の中マーケットの誰もが帰ってしまって、
ゲートが閉まる知らせを受けるまでかかってしまった。
時間切れでコンテナにいれられなかった小さなアンティークたちは、
今朝スーツケースに詰めて、内心そのパンパンに詰まったスーツケースの
重量に怯えながらも、平静を装い、チェックインはパス。
(ここで重量制限に引っかかると、オーバーチャージを払うか、
公衆の面前で、スーツケースを開けて機内持込に分配するなど、
とんでもない仕打ちが待っている)

そう、全ての作業がなんとか片付いて、今空港なんです。
今回は延べ20日間に及ぶ、フランス、ベルギー、イギリスの3ヶ国を訪れ、
車で異動した距離は3200km(迷子走行もおおいに含まれる)に及んだ。
まぁ、その手の職業の方には、日割りにすればなんと言う事のない数字だろうが。
出発を待つ間、パブで一杯。とにかく、ちょっとホッとする瞬間です。
コンテナの到着は12月。
果して、今回の買付は合格だったか、出ない答を探しながら、
機内で反省会の予定です。(目が開いていればのお話)

ガラスに焼付けられたモノクロームの、誰かが撮った写真。
今回の買い付け日記の締めにご紹介しようと、ずっと一緒に旅してきた、
印象に残るアンティークです。
イタリアで撮影されたもののようです。
モノクロームの映画のワンシーンのようでもある、
ダンディーで、乾いた質感が、瑞々しく伝わってくる1枚。
ベルギーの蚤で、これ1枚だけ買い付けました。
値段を尋ねると、写真を太陽にかざし、吟味するおじさんは
まるでアーティストのようでした。
(そして優れた画商でもあったのでした、苦笑。)

マルツ


今日のいっぴん その5

2010-10-27 19:00:06 | 買い付け日記
地方のアンティークフェアで見つけたチルターンのベア。
イギリスでのテディベアの購入は、本当にしばらくぶり。
一時期価格が高騰して、ベアからは、しばらく遠のいていたけれど、
価格も落ち着いてきたのだろうか、わりに手頃な価格で手に入れることができた。

ひと目でチルターンベアとわかる
ちょっとトボけた?ような個性的な表情が、チルターンファンには堪らない。
淡いゴールドのシャギーぎみのモヘアが愛らしく、
双子のように似ているけれど、しっかり異った表情が出来上がっている。
40年代後期から50年代初期にかけての、ガラスの瞳を持った、
これ以降の時代の製品とは一線を画す、昔ながらの造りがいい。
今はなき、英国チルターン社製。

マルツ


Sea Break?

2010-10-26 19:10:05 | 買い付け日記
昨日買い付けた荷物の整理に朝から半日かかり、かなり遅がけからではあるものの、
じっとしてもいられないので、車を南へ走らせる。
午後からの出発で、時間的には1軒しか見られそうもない。
まだ、今回は訪 れていない、お気に入りの仕入先のひとつも浮かんだが、
昨日、別の仕入れ先で知り合ったディーラーの店へ賭けてみることに。

結果は、うーん微妙....。

ランドリーバスケットなど気に留まった数点の支払いを速やかに済ませ、
店を出るが、時間は17:00まであと30分。
もう何所へも移動出来ず、万事休す。

ランドリーバスケットを担いでとぼとぼトラックへ戻る途中、
路の向うの方に、夕陽を受けた眩しい海が見えた。
何故か海の存在に理由なく湧いてくる開放感。
そう、今日はこれまで!
どうせ今からまっすぐロンドンを目指しても、
環状線の渋滞にハマるのは必至なのだ。さぁ、海へ。

海岸で娘たちへのお土産に貝殻を拾い、
カモメの羽ばたくシャッターチャンスを辛抱強く待ち、
海の上に建つ遊園地を見物し、
帰りは地元民で賑わう、フィッシュ&チップスをお持ち帰り。

日が暮れて、ホテルでいただくフィッシュ&チップスは、
冷めていても、格別な味がしました。
マルツ



今日のいっぴん その4

2010-10-23 11:23:21 | 買い付け日記
買い付けの長い旅も後半に入り、今イギリスです。
地方のフェアで、出 会ってしまった、陶器のクリームジャー。
19世紀ロンドンのデイリーショップで使われた業務用サイズの甕です。
イギリスのキッチンウェアは、トリュフの活動開始以来、
十数年変わらず扱い続けているアイテム ですが、
この甕の実物を目にするのは、初めての事。
知っているヒトは、知っている。かなりのレアものなのです。
状態はパーフェクト。
無事に日本へ届けられるよう、大切にダンボール箱に保管して、
ただいま一緒に旅しております。

今日のいっぴん その3

2010-10-22 19:13:57 | 買い付け日記
パリの蚤で見つけた1920年代のMissel(ミサ典書)。
時 代を表わすような、独特なかたちに仕立てられた
薔薇が刻まれた装丁が目を引きます。
中も状態良く、挿絵も素敵な雰囲気だったので、
店主に値段を確かめ買う事にすると、彼女は、
何やらゴソゴソして出してきた箱に当然のように収めた。
なんだか嬉しい驚きでした。
ずっと大事に箱に収められていたMissel。
誰かから贈られたものなのでしょうか。



マルツ