Frany's Yard

Frany's Yardはトリュフのスタッフたちが、アンティークの話、日常の中の嬉しい、可愛い、心地いいことを綴ったミニコラムです。

夜の生態系

2010-06-30 11:16:06 | food
今年の残暑はことのほか厳しく、
蒸し暑い日々に家の中も湿気がこもりがち。
カビやら雑菌やらには最高の環境ではないでしょうか。
家ごと発酵しそうな京都の気温です。
sabaeです。残暑お見舞い申し上げます。
暑くて何もする気にならないのは、脳が発酵し始めているのかもしれません。

そんなアルコール臭(幻臭です)の漂う我が家で、
一番菌の繁殖している場所が糠床な訳です。
以前糠漬けの話を書きましたが、今ももちろん続けていますよ。
あれからも毎日糠漬けを楽しんでいたのですが、
真夏のある日に半日かき混ぜるのを忘れた為に、糠床内の菌バランスが崩れたような、
恐らく酵母が増えすぎたのかと思うのですが、
端的に言って臭い。食べ物の匂いとは思えない。
香を元に戻すためにヨーグルトやキムチの汁とか入れてみたけど効果なし、
上手な糠を少量でも混ぜると香りがよくなると聞き、その手を使うことに。

と言うのも相方が、たまにお運びをやらせて貰っている近所の料亭から、
何かと料理を貰ってくるのですが、その中に糠漬が入っていたことも何度かありまして。
さすが京都の料亭と思わせる、いや料亭の味なんて知らないのですが美味い。
何でも糠床こそが大将の宝物だそうで、100年程前から継ぎ足し継ぎ足し育てているそう。
そんな話を聞いたら居ても立っても居られない。
一握り位のつもりで少し分けて貰えないか聞いて貰ったところ、
2リットルぐらい貰ってきた・・・。

初代の糠床は捨てました。
いやもうまったく別物だわ。
糠だけ食べてもうまい。
そんな糠だから何を漬けてもおいしく仕上がる。
以来店主マルツへのお土産は、いつも糠漬で好評いただいている。
幼い子供たちも、食べてくれているようだ。
ってことで、私の得意料理は糠漬に決定。子供が喜ぶのなら本物だろう。
自分の腕は全く関係ない気もしますが、良しとしましょう。
糠床が我が家の家宝じゃ!ぐらいの勢いで育てています。

そんな糠床で最近やった実験。
茸類は大抵おいしくなりますが、エリンギが漬けやすくて良いです。
細く裂いて冷麺のトッピングにも良い感じです。
大失敗はビーツ。
蕪みたいなもんだから、問題ないだろうと思ったら甘すぎ。なんだこりゃ砂糖か。
しかも切って漬けたから、汁が染み出し糠まで赤く甘くなって、
見た目も味もすごいことに。
写真を撮ったのに、無くしてしまったのでお見せできないのが残念です。
私は二度とビーツは漬けないので、見たい方は漬けてみて下さい。

余談ですが、リリー・フランキーの
「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」で一番泣けたのは、
ラスト近く、オカンが糠床を休ませるシーン。
涙が止まらなかった。あの話は糠床育ててると一層泣けます。

sabae









裏庭日記 v5.6.3

2010-06-14 13:52:18 | 裏庭日記
店内から、猫の鳴き声のような音がする。
何だろう?何かの機械音?換気扇とかエアコンとか。
店の外ではお隣さんが、ヴィンテージなバイクの
エンジンをかけようとキックしている。
多分バイクの音だろーな、と結論して6時間後、
店内から子猫発見。
sabaeです。こんにちは。
子猫の一匹や二匹、簡単に紛れ込めるトリュフです。

近畿もとうとう梅雨入りしたようで、昨日は1日中雨でした。
街角ではバラよりアジサイが目を惹き、バラの季節も終わりでしょうか。
ピエールドロンサールは花を落として、シュートの成長を待つばかりで、
一段落と言ったところですが、開花時期の遅れていた残りの2株についての反省会。

つくし野バラ

枝がよく伸び、一枝につき20~30個蕾がついたので、花も沢山咲いてくれた。
一重の白い可憐な花は好みでもありますが、開花のタイミングがばらばらなので、
イマイチ満開感に欠けるような。花地味だし。
昨年末買った2年苗なので、これからの枝の充実を待てと言うところでしょう。
それで花が多いからか、ミツバチやマルハナバチやらが蜜をすいにやってきます。
受粉がんばってーなどと心中で応援していたのは、実を付けさせたいから。
この花がすべて実になれば、ちょっとしたビタミン祭り。
美白の秘薬(ただのローズヒップのジャムですが)を作ってみようと企んでいます。
すべての花びらが落ちた、これからが本番と言ったところで、手は抜けません。

グリーンローズ

はいそこ「なんだこれ。」とか言わない。
緑のバラという珍妙さに惹かれて、昨年末に買ったものですが、
好奇心だけは満たされました。
だって緑のバラですよ。見たいじゃないですか。
注文を入れたバラ園を含む、ウェブ上で画像を探してみたが、
薄ぼんやりした写真しか見つからないと来れば買うしかないでしょう。
んで蕾も沢山つき、開花を待っていた訳ですがこの蕾が固くって。
未だに開いてない物が多い中、ようやく見れた花がコレです。
見分けつきますかね?蕾もガクらしきものは開いているので紛らわしい。
ご覧の通り開いたと言うより蕾が割れたって感じで、ほんとに花か?
バラ園のサイトには「お茶花にも」なんてキャプションが付いてましたが、
なるほど、これだけ地味なら使えそうです。
活花にすれば凄くお洒落になりそうですが、ええ、備前焼の花瓶なんかに活けて。
・・・店には似合いそうに無いな。

庭の手入れが面倒な季節になりましたが、晴れ間には手をかけてやりたいと思います。


sabae
ジョアン=フランセス・ティスネ "オクシタニアの12のレシピ"